復活の狼煙をあげた2ストローク 〜KTM 250 EXC TPI
更新日:2024.09.09
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2ストの時代は終わった。もうストリートリーガルなバイクなんて登場するはずがない。多くの人はそう考えていたはずである。実際に日本では15年以上も前にカタログから2ストはすべて消えてしまった。
text:後藤武 photo:鑓水(やりみず)雄介 [aheadアーカイブス vol.178 2017年9月号]
text:後藤武 photo:鑓水(やりみず)雄介 [aheadアーカイブス vol.178 2017年9月号]
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復活の狼煙をあげた2ストローク 〜KTM 250 EXC TPI
ところがヨーロッパでは少し事情が違う。2ストに対しての愛情が非常に深い。2ストが消えるということはバイクの半分がゴッソリなくなってしまうのと同じこと。だからサーキットやストリートから2ストが消えたことを寂しく感じているライダー達が少なくない。
そんな中、少し前から2ストが注目されているステージがある。ヨーロッパのハードエンデューロだ。非常に厳しいコンディションで行われるこのレースは今、人気急上昇中なのだけれど、実はここで2ストマシンが圧倒的な強さを見せている。
軽くてパワフルなことはもちろん、最新の2ストエンデューロバイクは低回転でスロットルを開けた時にとても柔らかくトルクをかけてマシンを押し出してくれる。スタックしてもオーバーヒートしにくいし、転倒しても再始動が容易であることなど、様々なメリットが浮き彫りになった。
今、ヨーロッパのハードエンデューロは2ストの独断場である。
そんな中、少し前から2ストが注目されているステージがある。ヨーロッパのハードエンデューロだ。非常に厳しいコンディションで行われるこのレースは今、人気急上昇中なのだけれど、実はここで2ストマシンが圧倒的な強さを見せている。
軽くてパワフルなことはもちろん、最新の2ストエンデューロバイクは低回転でスロットルを開けた時にとても柔らかくトルクをかけてマシンを押し出してくれる。スタックしてもオーバーヒートしにくいし、転倒しても再始動が容易であることなど、様々なメリットが浮き彫りになった。
今、ヨーロッパのハードエンデューロは2ストの独断場である。
ところがここで問題になったのがユーロ4の規制。ヨーロッパのエンデューロではセクションからセクションの移動で一般公道を走る。そのために公道登録可能であることが条件。これからもレースで使うのであればユーロ4をクリアしなければならない。
誰もが無理だと思っていたこのテーマに取り組んだのがKTMだった。排ガスをクリーンにするため燃料を掃気ポートに噴射する独自のシステムを実用化。各部のセンサーで無駄のない混合と燃焼を実現した結果、燃費はなんと40%アップ。排気もクリーンになり白煙が50%も減少した。更に高回転のパワーを低下させることなく扱いやすさを大幅に向上させた。
乗ってみればその扱いやすさは感動的だった。全域でトルクフルであるにもかかわらず、極め付けに扱いやすい。低回転ではトラクションを失わず確実にマシンを進めることができるし高回転でもライダーの意思の通りに加速していく。かつてない自由自在感だった。
排ガス規制をクリアする為に牙を抜かれてしまったのではないかと心配していたが杞憂どころかこれまでにないファンなバイクになっていた。この乗りやすさがあったら新たな2ストファンが生まれるかもしれない。
2ストにはまだ可能性がある。だから最後まであきらめない。そんなKTMの姿勢が伝わってくるようなマシンだった。
誰もが無理だと思っていたこのテーマに取り組んだのがKTMだった。排ガスをクリーンにするため燃料を掃気ポートに噴射する独自のシステムを実用化。各部のセンサーで無駄のない混合と燃焼を実現した結果、燃費はなんと40%アップ。排気もクリーンになり白煙が50%も減少した。更に高回転のパワーを低下させることなく扱いやすさを大幅に向上させた。
乗ってみればその扱いやすさは感動的だった。全域でトルクフルであるにもかかわらず、極め付けに扱いやすい。低回転ではトラクションを失わず確実にマシンを進めることができるし高回転でもライダーの意思の通りに加速していく。かつてない自由自在感だった。
排ガス規制をクリアする為に牙を抜かれてしまったのではないかと心配していたが杞憂どころかこれまでにないファンなバイクになっていた。この乗りやすさがあったら新たな2ストファンが生まれるかもしれない。
2ストにはまだ可能性がある。だから最後まであきらめない。そんなKTMの姿勢が伝わってくるようなマシンだった。
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text:後藤 武/Takeshi Goto
1962生まれ。オートバイ雑誌『CLUBMAN』の編集長を経て、現在は世界を股にかけるオートバイ、クルマ、飛行機のライター&ジャーナリスト。2ストと言えばこの人、と言われるほど、2ストを愛し、世界の2スト事情に精通している。
text:後藤 武/Takeshi Goto
1962生まれ。オートバイ雑誌『CLUBMAN』の編集長を経て、現在は世界を股にかけるオートバイ、クルマ、飛行機のライター&ジャーナリスト。2ストと言えばこの人、と言われるほど、2ストを愛し、世界の2スト事情に精通している。