忘れられないこの1台 vol.36 GSX1100Sカタナ サイドカー

アヘッド GSX1100Sカタナ

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大人から子どもまで、ほとんどの人が存在を知りながら乗ったことのない乗り物の一つがサイドカー。僕にとっても決して近い存在ではなかったが、出会いは突然訪れた。20歳で限定解除を取得しスズキ・カタナに乗りはじめ、その魅力にはまった僕はオーナーズクラブに入会。あちこちのイベントに参加していた。

text:横田和彦  [aheadアーカイブス vol.113 2012年4月号]
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vol.36 GSX1100Sカタナ サイドカー

vol.36 GSX1100Sカタナ サイドカー

そのイベントの一つにカタナ好きのサイドカーショップのオーナーが参加してきたのだ。車高を下げたカタナと流れるようなスタイリングのカーを組み合わせた圧倒的な存在感に僕は一目惚れしてしまった。

見た目だけでなく運動性能も予想外のものだった。信号ダッシュでは並のリッターバイク以上の驚くような加速を見せた。またコーナーでは今まで見たことのない動きでアプローチしていき、こちらが曲がった時には次のコーナーに消えていくトコロ、なんてこともあった。

多くの人はサイドカーが速いという感覚はないだろう。僕も自分の目で見るまではそうだった。未知の動きをするそのカタナ・サイドカーを僕は勝手に「スポーツサイドカー」と呼び、ますます惹かれていった。

興味はあったものの、新車では普通乗用車と同じくらいコストがかかるサイドカーを購入することはなかなかできなかった。しかしあるときそのショップから連絡が。

「今度デモ車を入れ替えるので中古でよければ付けないか」という願ってもいない提案だった。僕はその話を二つ返事で受け入れスペアのカタナを入庫。'98年、晴れてカタナ・サイドカーのオーナーになることができた。

サイドカーとの生活は想像以上に刺激的だった。運転してみると、三輪で安定した車体構造が強烈な発進加速を可能としていることや、カーが外側にくる右コーナーでは高速で侵入し、タイヤを流しながら立ち上がるドリフト的な曲がり方ができることなどを体験。

不思議な速さの謎が解けていった。体重移動ではなくハンドルで「曲げる」ことや、左右のコーナーリング方法が違うというのも新鮮な感覚だった。当時バイクは高速道路で二人乗りができなかったが、サイドカーなら問題なし。妻を乗せて横浜から鈴鹿サーキットまで8耐観戦に行ったりもした。

スタイリッシュな車体の注目度は高く、特に子どもはみな笑顔でこちらを見つめる。高速道路のサービスエリアで多くの子どもたちを乗せて記念撮影をしたのも良い思い出だ。

所有していた4年間、普通のクルマやバイクではできない経験を数多くさせてくれた。最終的には仕事の独立費用捻出のために知り合いのカタナフリークに譲ったのだが、機会があればまた入手したい、僕と妻の心に深く残っている1台なのだ。


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*スズキの誇る名車、GSX1100Sカタナに、サイドカーショップコミヤマ製オリジナルの側車を装着。
通常の取り付けに加えて、後部に斜めに補強を入れることで高い剛性を確保。運動性の向上に寄与している。
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text:横田和彦/Kazuhiko Yokota
1968年生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターオーバーまで数多くのバイクやサイドカーを乗り継ぐ。現在はさまざまな2輪媒体で執筆するフリーライターとして活動中。大のスポーツライディング好きで、KTM390CUPなどの草レース参戦も楽しんでいる。
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