車庫はなぜ自宅から2km以内でなければならないのか?

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新車であれ中古車であれ、自動車を購入する場合に必要となるのが自動車保管場所証明書、いわゆる”車庫証明”です。これがないと、一部地域の軽自動車を除き、自動車を購入することができません。また、その対象となる車庫は、居住地から直線で2km以内とされています。徒歩で2kmといえば結構な距離ですが、その距離に根拠はあるのでしょうか?
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戦後まもなく制定された車庫法では500m圏内で規定されていた
車庫証明が必要なかった軽自動車が大ヒット!
車庫はなぜ自宅から2km以内でなければならないのか?

戦後まもなく制定された車庫法では500m圏内で規定されていた

自動車を購入する場合、購入時にかならず必要となる書類が”車庫証明”です。

車庫証明とは、自動車の購入者が保管用の場所を自宅から直線距離で2km以内に確保していることを警察署が証明する書類です。自宅から2km以内という規定は『自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)』で決められています。

車庫法は昭和27年に制定された法律です。それ以前は、自動車を所有するために車庫を用意する義務はありませんでした。しかし、多くの自動車が行き交うようになると、道路上を保管場所とした車の路上駐車が社会問題となります。これを制限する対策法が車庫法だったわけです。

制定当初、車庫は自宅より500m以内でなければなりませんでした。500m以内に車庫がない場合、お金があっても自動車を購入することができません。つまり、商談がまとまったとしても自動車購入契約を結ぶことができないため、ユーザーはもちろん販売店にとっても問題でした。

そのため、自動車販売連盟などの業界団体の申し入れもあり、現在は自宅から直線で2km以内にまで緩和されました。

ちなみに2kmは徒歩何分?消費カロリーは?

自宅から2kmというと結構な距離ですよね。

不動産業界の慣例では、1分の歩行距離を80mと定めています。この慣例に従えば、2kmは25分です。しかし実際には直線的に2kmということはありえないので、30分程度はかかると見てよいでしょう。

そのときの消費カロリーは、おおよそ100kcal。茶碗1杯分のごはんの約80%に相当します。割と良い運動になりますね。

車庫証明が必要なかった軽自動車が大ヒット!

自宅から離れた車庫に行くのは面倒!? というユーザーのなかには、購入時に車庫証明の提出が不要という理由から軽自動車を選ぶ方もいます。

実際には自動車を購入するのですから車庫を準備し、管轄の警察署に届け出を行う必要があります。しかし、警察が現地調査に来ることはなかったので、自宅敷地内のちょっとしたスペースを車庫として届け出て、前面道路をまたいで駐車などという悪質な行為も行われています。

ちなみに軽自動車の購入時に車庫証明の提出が必要なのは、県庁所在地の都市、人口10万人以上の市、東京や大阪の30km圏内の市です。

では、そもそも車庫はなぜ自宅から2km以内と定められたのでしょうか?

車庫はなぜ自宅から2km以内でなければならないのか?

居住地の2km圏外に車庫を構えていながら2km圏内と申請したり、車庫の所有者の承認を取らずに車庫証明を申請したりと、車庫法に関する違反は数多くあります。

なかでも有名なのが通称「車庫飛ばし」です。車庫飛ばしとは、車庫証明を取った場所と実際の保管場所が異なっていることです。

たとえば新居に引っ越した後、車庫移動の届け出を忘れていたり、車庫証明を取得した場所から遠距離の赴任地で、そのまま自動車を使用したりすること。しかしこれらは意図的ではなく悪質でもないので、罰則を適用される恐れはかなり低いと言えます。

一方で、好きな地名のナンバープレートで登録するため一時的に住民票を移してナンバーを取得、その後もとの場所で使用したり、ディーゼル車排気ガス規制条例を逃れるため、規制のない地域で車庫証明を取得、車両を登録するなど、意図的に車庫飛ばしを行った場合。これは悪質とみなされ、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。

過去には、年度末にノルマ達成を焦ったセールスマンの口車にのり、居住地からかなり離れた地域で第3者の名義で新車登録された軽自動車を使用した、ということがあり検挙されました。

それにしても、規制が緩和された際、駐車場までの距離がなぜ半径2km以内になったのでしょう。4kmではダメだったのでしょうか。

どのような経緯で2km以内にしたのかは定かではありませんが、半径4kmの場合、駐車場まで徒歩約1時間を要します。毎回1時間かけて通うのは面倒ですよね。そのため、自宅近辺に路上駐車する恐れが出てきます。おそらく、駐車場まで通える常識的範囲内で、2kmが最適だったのではないのでしょうか?


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