運転席に乗り込まれる事件発生…ドアロックは常にかけておくべき?

事件のあらまし

警察官

2017年の9月11日午前6時50分頃、被害に遭った女性は知人男性と軽自動車に同乗。男性は途中、コンビニに停車し、コンビニ店内へ。その隙に犯人が運転席に乗り込んできて「行こうか」と声を掛け、車を発進させました。

途中、110番通報をしようとした女性の髪を掴むなど暴行を行い、数100m離れた地点で女性を車から降ろし、逃走。その後警察により、約4km離れた地点で軽自動車は発見されましたが、犯人はまだ逮捕されていません。(9月13日現在)

事件発生当時、軽自動車は鍵を付け、エンジンはアイドリング状態。運転席側ドアに、施錠はしていませんでした。

自動車に施錠するケース・しないケース

ドライブ

車に乗って2人でコンビニに立ち寄り、運転者が何か買ってくるといった場合、もう1人が車で待ってると言うのなら、普通はエンジンをかけたまま、鍵も付けたまま、ドアロックもしませんよね。

これは、誰かが乗っていれば自動車が盗難に遭う危険性は少ないと、油断しているからです。今回の犯人は同乗者がいても車両盗難を敢行したのですから、度胸が良いというか図々しいというか。一般的な考えが通用しない相手だったようです。

早く犯人が逮捕されることを祈るとともに、いかなる場合でも自動車から離れるときは施錠を行うよう心がけましょう。

盗難車に対する「運行供用者責任」

自動車を離れる時、施錠して車両の安全性の保全に務めることは、車両保有者の責務です。なぜなら盗難車による人身事故において、運行供用者責任が問われるからです。

運行供用者責任とは、盗難車が人身事故を起こした場合、被害者は実際の運転者でも盗難車の持ち主でも、どちらに対しても被害請求を行えるというもの。自賠責保険や任意の人身保険で用いられます。

ひらたく言えば、車両保有者が施錠していれば車は盗まれず、人身事故は起こらなかった。だから車両保有者にも、事件を起こした責任があるとする考え方です。

施錠したうえでの盗難であれば、車両保有者に運行供用者責任が問われることは、ほぼありません。しかし施錠を忘れての車両盗難の場合、責任逃れはできません。

運行供用者責任に基づく償い

自動車損害賠償責任保険証明書

運行供用者責任が問われ、車両保有者にも事件・事故の責任の一旦があると認定された場合、被害者に対する補償責任を負います。運行供用者責任は民法に規定されており、実際に人身事故を起こしていなければ刑事罰はありません。

ではどのようにして、被害者に対する補償を行うかというと、自賠責保険や任意保険の活用です。

自賠責保険の目的は被害者の救済なので、運行供用者責任の考えにのっとり、車両保有者加入の保険から支払われます。任意保険の場合、本当に加害者ではないのかと警察よりも厳しく疑われ調べられます。その結果、任意保険の支払い対象外となることもあり、その場合は財産を処分してでも補償を行わなければなりません。

一時の油断が、大きな危険と補償額につながります。今回の事件の犯人も、もし逃走中に人身事故を起こしていたら、残念ながら被害女性の知人男性に被害賠償請求が行われたことでしょう。

自動車を離れる時は、常に施錠を行うように習慣づけましょう。

※記事中の法律解釈は、筆者の私見に基づくものです。同様の被害に遭った場合、当記事だけを信用せず、必ず法テラスや最寄りの弁護士などにお尋ねください。

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事