スイフト120kg減、アルト140kg減…スズキは、なぜこんなに軽量化できるのか?

スズキ車、モデルチェンジで大幅ダイエットに成功!

スズキ スイフト XG

人間界では美容や健康のため、ダイエットが根付いています。同様に自動車界、とりわけスモールクラスから小型車にもダイエットが流行しています。

その好例がスズキ車。スイフト(XG FF 5MT)で比べると、先代の960kgに対し、現行モデルでは840kg。同クラス・排気量にも関わらず、12.5%の減量に成功しています。またアルト(F 2WD 5MT)にいたっては、先代の750kgに対し、現行モデルは610kgと、じつに18.6%の減量です。

もし50kgの人間に置き換えたら、6~9kgの減量に成功した計算になります。

コンパクトカーの人気のひとつに、車両の軽さがあります。軽快なハンドリングと低燃費が期待できるからです。

反面、車両を軽く作るにはエンジン出力、車体の耐久性、衝突安全性能の低下が懸念されます。これらの点を、スズキはどうのようにクリアしているのでしょうか。

ダイエット成功の秘密「軽量高剛性の新プラットフォーム"HEARTECT"」

スズキ プラットフォーム HEARTECT

現行型8代目アルトへのモデルチェンジ時に、新開発プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」が採用され、軽量化に大きく貢献しています。他にも軽量で熱効率の高いエンジンにより、軽量化・高出力化・低燃費を実現しています。

自動車のプラットフォームは、フルモデルチェンジ毎に新調するものではなく、何世代にも渡って使い続けます。しかし使い続けるにつれて、細かな改良や剛性向上を狙った部品追加などにより、プラットフォームは次第につぎはぎ状態になります。ボルトや溶接箇所が増え、車台重量が増加していきす。さらに部品追加部は脆弱になり、全体として剛性確保も難しくなります。

スズキ アルトの例では、7代目モデルのプラットフォームのつぎはぎ状態が著しかったようです。1998年の軽自動車規格の変更以降、モデル刷新時にプラットフォーム変更の話題が挙がっていないことから、最低でも16年は使用していたものと推測できます。

このプラットフォームを、最新技術と最新部材で作り直したスズキ自動車の次世代シャーシがHEARTECT(ハーテクト)です。設計段階から軽量・高剛性を念頭に置き、大幅な軽量化に成功しています。また部材の鋼材の厚さ・曲げ方を工夫することにより、高剛性で衝撃吸収性にも優れたプラットフォームになっています。丁寧な仕事により、素材が優秀な性能を発揮しているのです。

他にもアルトでは高張力鋼板を外装に採用し、軽量化と高剛性を実現しています。さらに外装部品への樹脂素材の多用も、見逃せない軽量化の工夫です。

このHEARTECT(ハーテクト)は、8代目アルトシリーズを皮切りにワゴンR、バレーノ、ソリオ、イグニスを始め、新型スイフトにも採用されています。スイフトの大幅ダイエット成功の影にも、HEARTECT(ハーテクト)が存在しているのです。

日本の小型車にダイエット成功車続出!

ミライース

丁寧な処理を行った鋼材を適切に使用することで、軽量・高剛性なプラットフォームに刷新し、車両重量の大幅軽量化を行う手法は、じつはダイハツでも行われています。その第1弾が、DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に基づき開発された新型ミラ イースです。

スズキでは高張力鋼板を使用した外装は、ダイハツでは樹脂パネルを使用し、さらなる軽量化を図っています。ダイハツではプラットフォームやボディの基本構造で、外部の衝撃を吸収する考え方です。結果として、初代ミラ イース(ベースモデル)の車両重量730kgに比べ、現行モデルでは650kgと80kgのダイエットに成功しています。

自動車界のダイエット成功の秘密は、自身を骨格から変えることでした。人間では到底できそうもないダイエット方法ですね。

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事