車はどれくらいまで軽量化が可能なのか?軽量化のメリットとデメリット

クルマを軽量化する最大のメリットは「エネルギー効率」

最近は軽自動車でも1tオーバーの車が当たり前のように存在する世の中になりました。ユーザーが必要とする、あるいはメーカーやディーラーが売り文句にしたい装備を装着していった上で、法律などガイドラインで定められた安全性などを満たしていけば、重くなるのは当たり前の話です。

その一方で、あの手この手で「軽量化」を売り文句にしたクルマや特別なスポーツグレードなども存在するため、重くするのが正しいのか、軽くする方が正しいのか、今ひとつわかりにくい時もあります。

ただ一つだけ言える事は、「軽量化」する事で「エネルギー効率の向上」という最大のメリットが得られます。軽量化と言えば「軽くて速い」ばかりを想像しがちですが、それはあくまで結果的にそうなっているだけの話です。

同じエンジンを使っていても、軽い方が少ない力で走れる、少ない力ならエネルギーを使わない、内燃機関なら燃費、EVやFCVなら電力消費という形で、その差は歴然と現れます。
それに比べれば、「速さ」などというものは、同じ力ならそれは軽い方が速いだろう、という副次的な効果に過ぎません。

もう一つ、副次的効果を述べれば、重量以外は全く同じ車が2台あったとして、「軽い方がカーブを曲がる時やブレーキの時に、その重量から受ける慣性という影響が少ない、つまり運動性が向上する」という、物理的効果があるくらいです。

ただし、後述しますが、この物理的効果にはメリットもあればデメリットもあります。

軽量化されたクルマの代表格「ヨタハチ」

「エネルギー効率」、そしてその副次的効果としての「速さ」や「運動性の向上」といった恩恵を軽量化によって受けたクルマの代表としては、古の名車トヨタ スポーツ800、通称「ヨタハチ」を第一に挙げたいところです。

旧態依然のフレームに、重たくて空気抵抗の面でも厳しいオープンスポーツボディを被せた車です。
当時としては一般的な手法で作られたスポーツカーを、57馬力と強力な水冷直列4気筒DOHCエンジンで突っ走らせるホンダ S600というライバルに対し、ヨタハチは全く対照的なクルマでした。

空気抵抗低減を狙った流麗、かつ軽量なモノコックボディを、大衆車であるバブリカ用エンジンをファインチューンした、45馬力空冷水平対向2気筒OHVという非力なエンジンで走らせていたのです。
馬力差は歴然でも、その車重はS600の695kgに対し、ヨタハチは580kgと、100kg以上も軽量でした。

レース用マシンはこの通りのスペックでは無かったとはいえ、伝説の名レーサー、故 浮谷東次郎 氏の手により1965年の船橋CCCレースで同じく往年の名レーサー、生沢 徹 氏の駆るS600を相手に奇跡の大逆転勝利を挙げるなど、ヨタハチは大活躍したのです。

船橋CCCレースはスプリント(短距離レース)でしたが、ヨタハチの持ち味は耐久レースにもあり、「軽いので非力なエンジンでも速くて燃費がいい」ヨタハチは、まさにスポーツカーとしてだけでなく、燃費スペシャルカーなども含めたあらゆるクルマにとっての「軽量化のお手本」だったと言えるでしょう。

それ以来、速さだけならひたすらハイパワーなエンジンを積む事で補えますが、ことエネルギー効率の面では全ての車がヨタハチのように「少しでも軽く、空気抵抗を少なく」を目標にしています。

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