ランエボの前身「ランサーターボ」が今、海外で活躍中…発売30年以上経てなお支持される理由は?

フィリピンを駆けるランタボ…

ランサー EX

今回紹介する動画に登場するランタボのオーナーはフィリピンの方のようです。ブラックの1983年型のランサーEXターボを大切にされています。純正ハンドルを残している事からも、オリジナルの造形をキッチリ残しつつ、エンジン内部はタービンやパイピングはじめ、現代を走るクルマとして、なかなか手が入っている様子。

ブローオフの大気解放音を響かせながら軽快に走っている様子からも、非常に良いコンディションを保っているようです。

アフターマーケットのエアロパーツは使わずに、純正にこだわっているところも好感が持てますね。フロントスポイラーの「TURBO」鏡文字デカールに懐かしさを覚える方多いのではないでしょうか。とにかくオーナーの愛着を感じる良い動画。

【動画】大切に乗られていたランタボ…

オーナーは、日本仕様のランサーターボが欲しかったそうです。苦労して香港のヤードでボロボロのランサーターボを発見、フィリピンに持ち込んだのだとか。オレンジに塗られたボロボロの、しかもフロントが潰れたランタボが動画で紹介されています。これをベースにレストアしたのが彼の愛車なのでしょう。ここまでのコンディションに仕上げるのに相当な苦労があった事でしょう。

いずれにしても、こうした80‘sカーを維持する最大の課題は、パーツのストックです。特に80年代はパーツの電子化と樹脂使用が進んできていますから、余計現在「使える」コンディションのパーツが少ないともいえます。この点は、「流用」や、オーナーが多くパーツも供給が可能な人気のある60年代~70年代のヒストリックカーと比べて少々厄介かもしれません。

特にランサーターボといった若干マイナーなクルマはリバイバルパーツを作っているところもないかもしれませんから、維持に苦労があるかもしれません。まして日本ではなくフィリピンであればなおのこと。オーナーのガレージには大量のパーツが確認できますから、日本をはじめ世界中から掻き集めたのでしょう。生半可な愛情ではできない事ですね。

改めてランサーターボとは

1981年、二代目となったランサーEXの追加モデルとして誕生。1800ccのG62型ターボエンジンを搭載、135馬力(グロス)を発揮。5速MTのみ設定で、トランスミッション、足回り周辺を強化されています。この前期型にはインタークーラーが付いていませんでした。しかし軽量ボディのFR駆動だった為、ラリーシーンにも投入されたりと、当時のホットモデルのひとつだったのです。

1983年にはマイナーチェンジが行われ、フロントグリルの変更と、空冷式インタークーラーターボにバージョンアップ、160馬力(グロス値)を発揮する大幅なパワーアップになっています。足回り、ブレーキ強化、またステアリングギヤレシオの変更も行っているので、より「モータースポーツ色」を強めたといえるでしょう。ドアミラーとなったのも後期型からです。

海外輸出用に2.0Lターボ(4G63エンジン)を搭載したモデルもありましたが、排ガス規制の問題から日本への導入はされていませんでした。

時代の徒花、ランサーターボとスタリオン…

三菱 スタリオン

このランサーターボの兄弟車?といえそうなのが同じ三菱のスタリオンです。ランタボ同様にFR駆動のターボ車であり、またリトラクタブルライトを施しよりスタイリッシュなクーぺに仕上げられています。

このスタリオンは北米での展開を考えたGT的な性質を持たせており、AT仕様車や、豪華な装備などから車重が1,260kgと、重くなってしまっています。

一方でランタボは1800ccと若干小排気量ながらも車重が1085kgほどと、約200kg軽く、また搭載していたG62B SOHCターボも、160馬力/5800rpm、最大トルク22.0kgm/3500rpmと、当時としてはハイスペックだった事から、ランタボの方がより「コンペティティブ」だったと言えそうですね。

いずれにしても、ランサーターボは、80年代の三菱車を語る時に外せないモデル。今では街で見かける事が本当に少なくなりましたが、後のランサーエボリューションにそのコンセプトが引き継がれる重要な一台、です。

時を超えて、また国境を越えて、いまでも愛するオーナーがいるというのもなんだか嬉しくなってしまいます。現行車でこうした普遍的な存在になるクルマはいくつあるでしょうか…この先の未来で確認してみましょう。

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