スバル XVを徹底解説!コンセプトモデルのインプレッサ・グラベルEXって知ってますか?

スバル XV

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日本のみならず、北米でも人気のコンパクトSUV、スバル XV。2020年中にはエクステリア(外装)のマイナーチェンジが行われるという噂もありますが、今回はそんなXVがどんなクルマなのか、おさらいしてみましょう。

文・山崎 友貴

山崎 友貴|やまざき ともたか

四輪駆動車専門誌、RV誌編集部を経て、フリーエディターに。RVやキャンピングカー、アウトドア誌などで執筆中。趣味は登山、クライミング、山城探訪。小さいクルマが大好物。

山崎 友貴
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インプレッサのクロスオーバー版として誕生
2タイプのパワーユニットで計5グレードを設定

インプレッサのクロスオーバー版として誕生

XVが誕生したのは、2010年のこと。初代はインプレッサXVの名前で登場しました。インプレッサをクロスオーバー化したモデルでしたが、実は同様のコンセプトのモデルは、過去にもありました。それは1995年に発売されたインプレッサ・グラベルEXです。

このモデルは、初代インプレッサのロードクリアランスをアップし、グリルガードや背面スペアタイヤなどを装着したクロスオーバーでした。インプレッサ・グラベルEXはマーケティング的には成功したとは言えませんでしたが、その後のスバルのクルマ造りに多大な影響を与えたことは確かです。

そして同じ香りを持つインプレッサベースのクルマが、15年後に誕生したわけです。インプレッサXVは、2012年に2代目が登場。当初はインプレッサXVとXVの2つのモデル名表記を使っていましたが、自然とインプレッサの名が取れてXVのみとなりました。
ちなみに2代目XVからは、さらにオフロード色が強くなり、スキッドプレート風デザインの前後バンパーや、グラフィックデザインとして、黒色のフェンダーモールを採用するなど、現在のクロスオーバーでスタンダードとなっているエクステリアの意匠をこの時点で確立していました。これもグラベルEXというスタンダードモデルがあったからかもしれません。
 
さらに、2代目にはスバル初のハイブリッドシステムも投入。燃費面ではさほど目を見張るような性能は達成していませんでしたが、ガソリン車と同じく、エンジン・モーター・バッテリー・4WDシステムが全て左右対称・一直線にレイアウトされている、 「シンメトリカルAWDレイアウト」となっていました。

2017年にはキープコンセプトの3代目が登場。2代目よりもさらにエッジの立った造形を採用し、よりアウトドア向けのモデルへと熟成されました。デザインだけでなく、プラットフォームも新たに生まれ変わり、ドライブフィールや快適性が大幅に向上しています。
搭載エンジンには従来の2.0L エンジンに加え、新たに1.6L NAエンジンが追加。2.0Lエンジンは、2代目の最高出力が110(150) /6,200rpmの最高トルク196(20)/4,200rpmに対し、3代目は最高出力113(154)/6,000rpmの最高トルク196(20.0)/4,000rpmと、動力性能が高められました。

また、燃費も2代目の2.0L エンジンが16.2km/L(2015年10月モデル)なのに対し、2.0i-L EyeSightでは16.4km/Lと、わずかではありますが改良されています。2018年には、e-BOXERを搭載したハイブリッド車が復活し、選択肢の幅を広げています。

2タイプのパワーユニットで計5グレードを設定

現行型XVのグレードは、パワーユニットの種類によって2つに分けられています。まず1.6L 水平対向エンジン車は「1.6i EyeSight」と「1.6i-L EyeSight」の2グレードになります。

ガソリンエンジン車はこの2グレードのみで、1.6i EyeSightは税込220万円、1.6i-L EyeSightは税込233万2000円と、どちらも車両価格が250万円を切る、手が出やすいグレードです。1.6L エンジンとは言え、115ps/15.1kg-mというパワースペックですので、力不足を感じることはないでしょう。燃費もJC08モードで15.8km/Lと、まずまずの数値と言えます。
1.6iと1.6i-Lの大きな違いは、装備面です。1.6i-Lには「マルチファンクションディスプレイ」と「X-MODE」が標準装備となっています。マルチファンクションディスプレイは、メーター内に設置される液晶モニターで、ここに車両の車両状態情報や燃費情報などが映し出されます。
 
また、荒れた山道や雪道に頻繁に出かける人であれば、X-MODEは欲しいところです。この機能には、雪道や砂利道など滑りやすい道の走行を想定した「SNOW・DIRT」モード、深雪やぬかるみといったタイヤが埋まってしまうような道の走行を想定した「DEEP SNOW・MUD」モードという2つのモードがあり、どちらかを選択することで、前後輪の駆動トルク配分やブレーキ操作を自動で調整。

これにより、最適なトラクションを発揮して、悪路でもイージーに走破できます。これにはヒルディセントコントロールも含まれるため、アイスバーンなどの運転に不慣れな人は1.6i-Lを選んだ方がいいかもしれません。
もうひとつのパワーユニットは、ハイブリッドです。XVに積まれるe-BOXERは2.0L 水平対向エンジンにモーターを加えたシステムです。モーターはトランスミッション直後のプロペラシャフト上に置かれるため、ガソリンエンジン車と同様の「シンメトリカルAWDレイアウト」を実現しています。
 
ハイブリッドと言えば燃費性能というイメージを持ちますが、e-BOXERは運転する楽しさも追求しています。モーターアシストは、加速時や中低速走行時に行われるため、運転時の快適さを重視する方は、ハイブリッド車を選んだ方がいいかもしれません。

逆に燃費という点では、JC08モードで19.2km/Lと、ハイブリッドにしてはいい数値ではありません。この辺は過大な期待をしないほうが良さそうです。
 
ハイブリッドは「2.0e-L EyeSight」「2.0e-S EyeSight」「Advance」の3グレード。装備をチェックしてみると、2.0e-L EyeSightだけが17インチのタイヤ&ホイール、あとの2グレードは18インチが標準装備となっています。
また2.0e-L EyeSightには、2.0e-S EyeSightとAdvanceには搭載されているLEDヘッドランプやリバース連動ドアミラー、ドアミラーメモリー&オート格納機能が付いていません。また、シートはAdvanceのみがレザー表皮を採用しています。
 
装備面での大きな違いはその程度ですので、18インチタイヤ&ホイールを特に望まなければ、265万1000円という、200万円台半ばで購入できる2.0e-L EyeSightで十分満足できるのではないでしょうか。
 
ちなみに2019年のマイナーチェンジで、いわゆる“D型”になったXVですが、C型との外観上での大きな違いがLEDヘッドライトとリアフォグランプです。あえてD型をアピールしたいのであれば、1.6i EyeSightにオプション装着をするか、それ以外のグレ−ドを選ぶのがオススメです。
XVを簡単に振り返ってみました。今年の後半には、再びマイナーチェンジがあり、エクステリアの変更が行われるのではないかという噂も飛び交っています。北米仕様のクロストレックに近い仕様が出るのでは…という予想もあります。2020年もXVから目が離せなさそうです。
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