なぜタクシーにはLPG燃料が使われるの?使うメリットとは?

LPG(液化石油ガス)はガソリンより安いのがメリット

JPN TAXI

LPGとは「液化石油ガス」の営業表記である「Liquefied Petroleum Gas」の略称。「リキッド・プロパン・ガス」の略称と勘違いしている人もいるようだが、主成分はプロパンとは限らない、ブタンも混ざっている。いや、プロパンとブタンを混ぜたものがLPGと捉えるのが正解に近いだろう。

もともとは気体だが低圧で液化することができるため、燃料補給も簡単だ。また、燃料の特徴として硫黄分をほとんど含まないので、ススの発生などが少ない。NOxの排出量も少なく、環境性能に優れた燃料といえる。

しかし、タクシー業界がLPGを愛用している理由は環境性能が第一というわけではない。単純にガソリンや軽油よりもLPGは安価というのが主な理由だ。

実際、石油情報センターでオートガス(自動車用LPGの呼称)の一般小売価格を調べてみると、東京23区での店頭現金価格は84.1円/L(2019年1月10日)となっている。ひとめでガソリンより圧倒的に安価であることがわかるだろう。

走行距離が伸びるほど売り上げが上がるというタクシーのビジネスモデルを考えると、コスト要因である燃料費が安く上がることは儲けにつながる。LPGを使うインセンティブがあるわけだ。

燃料タンクに使用期限がありメンテナンスコストはかかる

JPN TAXI 2017

そうしたコストメリットは一般ユーザーでも変わらないはずだが、なぜタクシーばかりがLPGを使っているのだろうか。

ひとつにはLPGスタンドの数が少ないということがいえるが、一般ユーザーが増えればLPGスタンドも増えるはずであって、そこに本質的な理由はないだろう。

根本的な理由としては、LPG車においては燃料タンク(LPガス容器)の検査を6年ごとに受ける必要があり、状態によっては交換となることもある。タクシーは走行距離が桁違いなので、こうしたコストを鑑みてもトータルでのランニングコストを抑制できるが、一般ユーザーの使い方ではトータルでのメリットは感じづらい。

また、セダン型のタクシーなどのトランクルームを見るとわかるが、LPガス容器は丸く大きいため、場所をとってしまう。トヨタのJPN TAXIはタンクを小型化したというが、それでもトランクスルーなどは夢のまた夢といった状況で、パッケージの面からはLPGにするメリットはないといえるだろう。

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