ハイブリッド車の補機バッテリー充電不足:原因と対処法
更新日:2025.06.30

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あなたのハイブリッドカーに搭載されている二つのバッテリーの役割をはっきり説明できますか?
――高電圧でモーターを駆動する「駆動用バッテリー」と、ライトやナビを支える12Vの「補機バッテリー」――
「駆動用が生きていれば大丈夫」と思いがちですが、実は補機バッテリーが上がるだけでエンジンは始動せず、走行不能に陥ることもあります。補機バッテリーの充電不足が招くトラブルと、その予防・対処法を今のうちに押さえておきましょう。
――高電圧でモーターを駆動する「駆動用バッテリー」と、ライトやナビを支える12Vの「補機バッテリー」――
「駆動用が生きていれば大丈夫」と思いがちですが、実は補機バッテリーが上がるだけでエンジンは始動せず、走行不能に陥ることもあります。補機バッテリーの充電不足が招くトラブルと、その予防・対処法を今のうちに押さえておきましょう。
ハイブリッドバッテリーと補機バッテリーの違い
ハイブリッド車には走行用の駆動用バッテリーと、車載電装に電力を供給する補機バッテリーの2種類が搭載されています。
駆動用バッテリーは200V超の高電圧を持つニッケル水素またはリチウムイオン電池で、モーター駆動やエンジン始動に使われます。
一方、補機バッテリーはガソリン車と同じ12Vの鉛蓄電池で、ハイブリッドシステムを起動したりライト・オーディオなど車両の電装品に電力を供給したりする役割を担います。
これらは同じ“バッテリー”ですが電圧や化学組成、設置場所(駆動用は車体中央付近、補機用はトランクやシート下)などが大きく異なり、互いに相互充電する仕組みはありません。そのため、補機バッテリーが弱っても駆動用バッテリーから自動で回復せず、従来のクルマと同様、外部から電力を補う必要があります。
なお補機バッテリーが上がってしまうとハイブリッド車でもエンジンがかからず走行できなくなるため、日ごろから注意が必要です。
駆動用バッテリーは200V超の高電圧を持つニッケル水素またはリチウムイオン電池で、モーター駆動やエンジン始動に使われます。
一方、補機バッテリーはガソリン車と同じ12Vの鉛蓄電池で、ハイブリッドシステムを起動したりライト・オーディオなど車両の電装品に電力を供給したりする役割を担います。
これらは同じ“バッテリー”ですが電圧や化学組成、設置場所(駆動用は車体中央付近、補機用はトランクやシート下)などが大きく異なり、互いに相互充電する仕組みはありません。そのため、補機バッテリーが弱っても駆動用バッテリーから自動で回復せず、従来のクルマと同様、外部から電力を補う必要があります。
なお補機バッテリーが上がってしまうとハイブリッド車でもエンジンがかからず走行できなくなるため、日ごろから注意が必要です。
種類 | 駆動用バッテリー | 補機バッテリー |
主用途 | 走行用モーター駆動、エンジン始動 | ハイブリッドシステム起動、車載電装への電力供給 |
電圧・化学 | 高電圧(約200V)・ニッケル水素またはリチウムイオン電池 | 低電圧(12V)・鉛蓄電池 |
設置場所 | センターコンソール下やトランクなど | トランクルームや後部座席下など |
補機バッテリー上がりの緊急対処法
補機バッテリーが上がった(=放電してエンジンが始動しない)場合、以下のような対処法があります。
1. 両車ともパーキングブレーキをかけ、ハイブリッドシステムをOFFにします。
2. 故障車のボンネットを開け、ヒューズボックス内の赤い応急用プラス端子(「+」表示)を確認します。
3. 救援車(通常のガソリン車など)を故障車に近づけ、救援車のエンジンをかけたままにします。両車とも12V系統であることを確認(大型車の24V車は不可)。
4. 故障車側に赤いケーブルクリップを応急用プラス端子に、救援車側のバッテリー+端子にもう一方の赤クリップを接続します。
5. 救援車側のバッテリー-端子に黒いケーブルクリップを接続し、もう一方の黒クリップを故障車の未塗装金属部(アースポイント)に取り付けます。
6. 正しく接続できたら救援車をニュートラル(ATはN)にし、軽くアクセルを踏んで数分待ちます。
7. 故障車側のメーター内表示で「READY ON」の状態にしてエンジン始動を試みます。始動したら、ケーブルを接続したときと逆の順序で外します。
8. エンジンがかかったらすぐには切らず、少なくとも30分以上は走行またはアイドリングし、バッテリーに充電を行いましょう。この間はライト・エアコン・オーディオ等を切り、バッテリー負荷を減らします。
なお、ハイブリッド車のヒューズボックス内にあるプラス端子は受電専用であり、他車への電力供給には使えません。また、救援車としてハイブリッド車や電気自動車を使うと電子制御にトラブルが起きる恐れがあるため、通常のガソリン車を用いるのが安全です。
- ロードサービスに連絡
- 携帯ジャンプスターターを使う
- ブースターケーブルでジャンプスタート
1. 両車ともパーキングブレーキをかけ、ハイブリッドシステムをOFFにします。
2. 故障車のボンネットを開け、ヒューズボックス内の赤い応急用プラス端子(「+」表示)を確認します。
3. 救援車(通常のガソリン車など)を故障車に近づけ、救援車のエンジンをかけたままにします。両車とも12V系統であることを確認(大型車の24V車は不可)。
4. 故障車側に赤いケーブルクリップを応急用プラス端子に、救援車側のバッテリー+端子にもう一方の赤クリップを接続します。
5. 救援車側のバッテリー-端子に黒いケーブルクリップを接続し、もう一方の黒クリップを故障車の未塗装金属部(アースポイント)に取り付けます。
6. 正しく接続できたら救援車をニュートラル(ATはN)にし、軽くアクセルを踏んで数分待ちます。
7. 故障車側のメーター内表示で「READY ON」の状態にしてエンジン始動を試みます。始動したら、ケーブルを接続したときと逆の順序で外します。
8. エンジンがかかったらすぐには切らず、少なくとも30分以上は走行またはアイドリングし、バッテリーに充電を行いましょう。この間はライト・エアコン・オーディオ等を切り、バッテリー負荷を減らします。
なお、ハイブリッド車のヒューズボックス内にあるプラス端子は受電専用であり、他車への電力供給には使えません。また、救援車としてハイブリッド車や電気自動車を使うと電子制御にトラブルが起きる恐れがあるため、通常のガソリン車を用いるのが安全です。
- バッテリー充電器で充電
- バッテリー交換
バッテリー上がりの原因と予防策
- 長期間未使用による自然放電
- 電装品の切り忘れ
- バッテリーの劣化
補機バッテリーの交換時期
補機バッテリーはガソリン車と同等の寿命が3~5年程度とされます。使い方や設置環境にもよりますが、目安を超えて使用するとエンジン始動不能になる恐れがあります。交換のシグナルとしては、「アイドリングや再始動が不安定」「エンジンがかかりにくい」「燃費が急に悪化」などが挙げられます。特に補機バッテリーの劣化が進むと上がりやすくなるため、これらの症状が出たら早めの交換をおすすめします。
なお、ハイブリッド車の駆動用バッテリー(メインバッテリー)は寿命が5~8年と長く、基本的にユーザーが頻繁に交換するものではありません。補機バッテリーであれば工具があれば自分でも交換可能ですが、ハイブリッド車の補機バッテリーは車室内にある場合が多く手間がかかるため、販売店や整備工場に依頼するのが無難です。
なお、ハイブリッド車の駆動用バッテリー(メインバッテリー)は寿命が5~8年と長く、基本的にユーザーが頻繁に交換するものではありません。補機バッテリーであれば工具があれば自分でも交換可能ですが、ハイブリッド車の補機バッテリーは車室内にある場合が多く手間がかかるため、販売店や整備工場に依頼するのが無難です。
ジャンプスタートの手順と注意点
- ケーブル接続順序を守る
- エンジンOFF状態で作業する
- 距離を置く
- 救援車の選び方
- 発火・破裂に注意
- 作業終了後の点検
まとめ
補機バッテリー上がりは突然起こるトラブルですが、日ごろから車両状態を把握し、適切な予防・対策を講じておけば慌てずに対処できます。専門記事やメーカー情報を参考に、補機バッテリーの位置や応急用端子の場所を確認しておくと安心です。事故や故障を未然に防ぐためにも、定期メンテナンスと早めの交換を心がけましょう。