梅雨前にしておきたい!洗車で雨対策

雨 運転

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今年もいよいよ梅雨の季節が到来。皆さんは愛車のお手入れはお済みですか?何もしていないというあなた、ちょっとしたメンテナンスで梅雨を快適に乗り切ることができます。今回は梅雨前にしておきたいお手入れの話です。

文・山崎友貴
Chapter
雨は想像以上に愛車にダメージを与える
ボディメンテナンスは洗車が基本
洗車後のメンテナンスが仕上がりに違いを出す
コーティングをすれば楽できる!

雨は想像以上に愛車にダメージを与える

雨が降ったり、止んだり、また降ったり。梅雨の時期は本当にうっとうしいものです。それは、愛車にとっても実は同じこと。皆さんが想像している以上に、雨は愛車にダメージを与えています。

昨今、日本上空の大気は、近隣諸国の影響によって汚染されています。黄砂やPM2.5、その他有害物質が上空の風にのって日本にやって来ます。そして、それらは雨と共に地上に一気に降り注ぐのです。雨には、こうした有害物質が含まれており、車の塗装面などにダメージを与えるわけです。何の対策もしないと、輝きや色合いが悪くなったりします。

それを防ぐには、まず日常的な洗車から始めましょう。さて、車は汚したままだと、なぜ悪いのでしょうか。車の塗装(クリア)面は肉眼では見えませんが、実は微妙な凹凸があります。この凹凸に、埃などの汚れをはじめ、これまた肉眼では見えないような鉄粉や有害物質が付着しているのです。

これを放っておくと、この付着物が核となって、さらに別の付着物をどんどん呼び込むことになります。そして気がつくと、ちょっとやそっとでは落ちない汚れになってしまうのです。

そうならないためにも、定期的な洗車が必要となります。マメに洗車をしている車は、汚れを呼ばない“体質”になっているわけです。
汚れの中でも、厄介なのが「雨ジミ」です。雨が乾いてできる、シミような汚れですね。梅雨時はどうせ雨が降るから…と放っておくと、太陽熱で雨が蒸発して、塗装面に濃厚な汚れや有害物質だけが残ります。これが塗装面に悪影響を与えます。

防止するには、2つの対策があります。まず塗装面にコーティング処理をすること。もうひとつはワックス、つまり撥水させるための油脂系処理をすることです。

よく2つを混同している人がいますが、大きく、汚れ防止効果の持続力と仕上がりの艶に違いがあります。コーティングは化学的に汚れ防止効果が高く、持続力も高いですが、仕上がりの艶はシャープな輝きで人工的な印象も。一方ワックスは、持続力が低く、定期的な施工が必要となりますが、濡れたような深く美しい艶が出ます。しかし最近では、両者とも商品が改良され、差がなくなりつつあります。

次の項目では、梅雨前にやっておきたいメインテナンスを作業順にご説明しましょう。

ボディメンテナンスは洗車が基本

まず基本はなんと言っても洗車。ボディの表面にある汚れや油分を落としてあげましょう。洗剤は、自動車専用洗剤を使用しましょう。中には撥水成分が入った洗剤もあり、こちらは基本メンテが終わった塗装面に有効です。

洗剤の使用方法ですが、たくさん使う必要はありません。よく洗剤で洗う、と思っている人が多いのですが、これは誤解です。基本は水で汚れを落とすのです。ただし水には表面張力があり、その影響で十分に塗装面に馴染みません。そこで洗剤に入っている界面活性剤で表面張力を無くして、水が塗装面に馴染むようにするわけです。

まず、バケツに10cc程度の洗剤を入れます。少ないと思うかもしれませんが、これで十分。ここにホースで勢いよく水を注ぎます。空気をたっぷり入れて攪拌してやることで、細かい洗剤の泡ができます。ひとまず、これは置いておきましょう。

今度はホースで、愛車に水をよくかけてあげます。できれば勢いよく。高圧洗浄機があれば、これを使うのが理想的です。愛車の表面についた汚れを、できるだけ水で落としてあげましょう。特に車両の下部(ドア下)は汚れがいっぱい付いているので、十分に流します。
大まかに汚れが落ちたら、きれいなスポンジに先ほどの洗剤水を十分に付けて、ボディを屋根から下に向かって順番に洗っていきます。下から洗ってしまうと、スポンジに泥などが付着して、洗うことでキズを付ける場合があるのでご注意を。

一通り洗ったら、乾く前に水ですぐに洗い流します。晴天の時は、洗剤がすぐに乾いて落ちにくくなりますので、ドア1枚を洗ったらすぐに洗い流す…というように、面ごとで仕上げたいった方が効率的です。ホースは「カクサン(扇状の水)」にして、かけます。ドアの隙間は縦に、窓の隙間は横というようにして水をかけて、隙間の汚れも十分に落としてやります。

完全に洗剤を落としたら、すぐに拭き取ります。プラスチックセームなどを使うと、拭き取りもスピーディ。拭き取り時は、一方方向のみ布を動かすようにすると、水滴をすばやく除去できます。

洗車は、少なくても1週間に1度はしておきたいものです。梅雨時期は、特に汚れが隙間に入り込みやすいので、マメに洗うのが愛車を美しく保つコツです。

洗車後のメンテナンスが仕上がりに違いを出す

「普段からあまり洗車はしていないんだよな」という人は、面倒でもここから説明する作業をオススメします。これをやれば、愛車は見違えるほどきれいになり、愛着が一層増すはずです。

車の塗装面には鉄粉などが刺さっていると前述しましたが、想像以上に刺さっているものです。試しに、タバコに付いている薄いセロハンや、薄い食品作業用の手袋を用意してみてください。まず洗ったばかりの塗装面を素手で撫でてみましょう。きっとツルツルして、気持ちがいいと思います。

では、今度は指にセロハンをはめて撫でてください。どうですか、ザラザラで驚きませんか。これが付着した鉄粉類なのです。ここで用意するのは、霧吹き、そして鉄粉除去専用の「ねんど」です。

洗ったばかりですが、塗装面に霧吹きで水をかけて、そこをねんどで軽く撫でます。力を入れずに、ねんどを「置く」ような感じ。そして、ねんどをタテ→ヨコ→タテ→ヨコと、井形に動かします。大体タテ3回、ヨコ3回を3セットずつくらい、B5サイズの面積ずつ仕上げていきます。

終わったらセームで水を拭き取り、また次のB5サイズのゾーンへ。途中でねんどを見てみると、表面が茶色く汚れているはずです。汚れた表面は、ねんどを折り練って、綺麗な面でボディ全体を丁寧に仕上げていきましょう。

こうして鉄粉を取り払ったら、今度は下地作りです。キズ取り用のコンパウンドを用意し、ねんど同じ要領で井形に作業します。よく丸を描くようにやる人がいますが、あれだと磨きキズが残り、仕上がりが美しくありません。井形にかけると互いの磨きキズを消していき、滑らかな塗装面になります。

これもボディ全体を丁寧にかけて、手が入らないような箇所では、歯ブラシにタオルを巻き付けて、それにコンパウンドを付けて磨きます。

コンパウンドも太陽光ですぐに乾いてしまいますので、ボディ全体で一気に作業するのではなく、ドア1枚などパートパートで終わらせていきます。また作業は早朝か夕方など、太陽光が弱い時間帯がオススメです。夜は仕上がりが確認しにくいので、作業灯がないのなら避けましょう。

コーティングをすれば楽できる!

さて、最後は塗装表面の対策です。ここまでやったら、やはりワックスよりもコーティング処理をした方がいいでしょう。コーティングはガラス系やポリマー系などいろいろありますが、理想はガラス系だと思います。耐久性に優れて、汚れも簡単に落ちます。ただし価格が高いので、市販のポリマー系で十分だと思います。

最近は、自動車用品店で性能が良くリーズナブルなコーティング剤が販売されているので、これらを使って自分でやれば安上がりでしょう。

コーティングをしても、ワックス洗剤などを使用して、塗装面に撥水性を持たせておくメンテは必要です。ただし、コーティング剤によっては親水性のものもあるので、その場合は撥水剤を使っていいのか確認した方がいいと思います。

ボディのメンテはこれで完了ですが、もうひと頑張りしましょう。まずフロントウインドウとリアウインドウを油膜除去剤で磨くことで、驚くほどクリアな視界を得ることができます。特に雨の夜は、やっていると見え方がまるで違います。

この作業はかなり力を要しますので、面倒ならガソリンスタンドなどでやってもらうのも手です。油膜やシリコン除去が終わったら、専用の窓用撥水剤を使うと、より快適な視界にすることができます。

ついでにワイパーブレードもチェック。拭き取りが悪いのは、ゴム部分が劣化して硬くなっているから。すぐに新品に交換しましょう。ワイパーブレードは1年に一度は交換をオススメします。最近はシリコン系撥水処理がされたワイパーブレードもありますので、これを使えれば窓用撥水剤を使う必要がありません。
車外だけでなく車内もメンテしておきましょう。梅雨の時期にエアコンを使い続けると、カビの影響でいやな臭いがしてきます。特にエアコンユニットで発生する臭いは、ファブリーズなどでは除去できません。こういう場合は煙タイプの消臭剤を使うと、一発で解消することができます。

長年乗っている愛車であれば、ドアのゴム製パッキングにシリコンスプレーをかけておくと、雨漏りを防止できます。またヘッドライトのレンズが曇っているのであれば、専用の磨き剤でクリアにしておきたいものです。

最後に、ハイドロプレーニングが起きないように、タイヤ空気圧を適正にしたら、メンテは終了です。電気系統に心配がある場合は、ディーラーでチェックしてもらった方がいいでしょう。

これから約2か月、雨と付き合わなければなりませんが、愛車のメンテナンスをきちんとしておけば、雨のドライブも楽しいものです。今年は、ぜひ梅雨前のお手入れを!
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