横風に負けない!クルマが横に流されにくくなる対処法

高速道路

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高速道路を走っているとき、突然の強い横風によってクルマが流されることがあります。特にミニバンや背の高い軽自動車は、この横風の影響を受けやすくなっています。今回は、横風を受けた時の対処法についてみていきます。

文・吉川賢一
Chapter
横風はどこで発生しやすい?
クルマの空力中心と車両重心の位置関係によって決まる
横風が強い日の対処法

横風はどこで発生しやすい?

高速道路のトンネルを出た途端、横からの風を受けてクルマがぐらつき、ヒヤッとした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

トンネル内を走行中、風は前方向から流れてくるだけですが、外で横風が吹いていれば、トンネルを出たクルマはその横風にさらされることになり、進路を乱されます。河川にかかる高速道路の橋のうえや、海沿いを走る高速道路も、強い横風を受けやすい場所として知られています。

風が強い日だとわかっていても、走行中に突風を受けると、ブレーキを踏んだり、ハンドルを切ってしまったり、パニックに近い行動をとってしまい、最悪の場合、事故が起きてしまうこともあります。

ちなみに、時速100kmで走行をしている場合、前後方向の風速は27.8m/sになります。それに対して横風は、通常なら1~5m/s程度なのですが、強い時には30m/sを超えることもあり、この前後の風速と横方向の風速によって起きる風圧によって、進路が乱されてしまうのです。

この風圧によって進路が乱されるメカニズムを、分析していきたいと思います。

クルマの空力中心と車両重心の位置関係によって決まる

ボディサイドに風を受けると、クルマは左右方向に平行移動する動きと、回転方向の動き、2つが発生します。どちらが主で発生するかは、そのクルマの重心の位置と、空力中心によって決まります。空力中心とは、クルマのサイドビューで見たときの、風の力(風圧)を受ける作用中心点で、ボディの形状によって決まります。

車両の重心位置に対して、この空力中心が前方にあるか後方にあるかによって、クルマの進路を風上に向ける回頭モーメントとなるか、風下に向ける回頭モーメントとなるかが決まります。

一般的なドライバーの場合、横風によってクルマの進路が変えられると強い恐怖を感じ、平行に動くほうが怖さは小さく感じます。各自動車メーカーのエアロダイナミクス設計者は、この点も考慮して設計をしています。

ちなみに、車両重心と空力中心が一般的な乗用車などよりも、おおきな箱型の荷室を持つ空荷のトラックは、空力中心が車両後ろにあるため、進路を乱されやすくなります。

では、横風が強い日はどんな対処をすればいいのでしょうか?

横風が強い日の対処法

①もっとも有効な方法は、車速を落とすことです。クルマに働く力は、風の大きさによって決まりますので、風圧を下げるために車速を抑え気味にすることが効果的です。高速道路にある掲示板には、強風注意の警告が出ている場合がありますので、その際には注意して進むようにしましょう。また、車速を落とすことで、万がいちの回避行動をする際にも余裕ができますので、事故のリスクを下げることが出来ます。

②そしてハンドルをまっすぐに支えて、視線は前を見ます。突風によるクルマの事故原因の多くは、ドライバーが慌てて操舵をしたことによるものです。横からの突風を受け、進路を乱されても、慌ててハンドルを切るなどの回避行動をしないことです。ハンドルをまっすぐに支え、車線中央を走り続けるように、視線は遠くに置きながら運転しましょう。

通常、市販車はハンドルを支えていれば真っすぐ走りやすいように、サスペンションのトー角やステアリングの操舵力のセッティングがなされています。それにあらがうような操作をすることのほうが、危険につながります。

車速を落とし、ハンドルをしっかり真っすぐに持って運転していれば、多少の横風であれば問題ありません。不測の事態にも慌てず、安全運転を心がけましょう。

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