ラダーフレームを採用する車5選〜国産車編〜

馬車時代から使われてきた伝統の構造

ラダーフレーム ランクル

現在、クルマには大きく分けるとふたつのボディ構造があります。まずひとつが、現在ほとんどの乗用車に使われている「モノコックボディ構造」です。これは、鋼板をプレスしたり、折り曲げたりしてできているボディ構造を指します。ちょうどティッシュペーパーの箱のような作りで、薄い板でも互いの面で支えることで、全体に強度を出すことができます。

プレス加工技術の向上と共に複雑な曲線デザインが可能となっており、併せて軽量化できるのが利点です。またモノコックボディは、ボディに直接サスペンションやエンジンを取り付けるため、作業工程が少なく、構成部品を減らすことができるというメリットも持っています。昨今のSUVもほとんどがモノコック構造となっています。

一方、ハシゴ(H)型フレームに、別に製造したアッパーボディと駆動系シャシーを取り付けるというのが、ラダーフレーム構造です。この方式はトラックやオフロード4WDなどに多く見られます。

その理由としては、第一に大きな荷重にも耐えられるからです。ハシゴ型はフレームは動物の骨格のようなもので、外からの重さや衝撃を吸収します。

ですので、激しいオフロードを走る4WD車は路面からの衝撃吸収も考えて、ラダーフレームを採用するわけです。路面からの衝撃をフレームがほとんど吸収するため、アッパーボディが長持ちするのです。

ラダーフレームは、ボディ、フレーム、駆動系シャシーが別々のために構成部品が多く、生産工程も増えることになります。しかし、どこかが壊れてもその部分のみ外して修理することが可能という利点を持っています。

例えば、樹木にぶつかってボディが激しく損傷しても、ラダーフレームから下が問題なければ、ボディのみを交換すれば走行ができます。足まわりを損傷しても、その部分のみを交換すればすぐに復帰できます。さらに言えば、ボディがヘコもうが、ラダーフレームから下が問題なければ、そのまま走って帰ることができます。

モノコックボディの場合は、大きな衝撃を受けてしまうと、ボディ全体に歪みが生まれる可能性があります。そのため、激しい衝撃を受けた場合はボディの歪みを測定し、歪みがある場合は構成部品を全部下ろして修正する必要が出てきてしまいます。歪みが修正できない場合は、廃車ということもあり得るのです。

オフロード4WDに限って言えば、悪路を走る時に十分なサスペンションストロークが必要です。ラダーフレーム構造であれば、ボディとフレームが離れているため、タイヤとタイヤハウスの距離を離すことができます。さらに重くて大きな径のタイヤ&ホイールを装着しても、フレームがその重さを支えてくれます。

ラダーフレーム構造はこうした利点ゆえに、フレームが木製だった馬車の時代から使われてきました。原始的とも言えますが、修理や整備がしやすいゆえに、ワークホース的なクルマにはいまだに使われているのです。

一方で、頑丈なラダーフレーム構造は衝突時の衝撃を吸収しにくく、乗員へのダメージが大きいと言われています。また重量が重く、燃費という点でも不利になります。

そこで昨今は、ラダーフレームの前部側をクラッシャブルな構造にしたり、モノコックと組み合わせたビルトインモノコック(フレームインモノコック)構造にするなど、工夫がなされているのです。

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