オンナにとってクルマとは Vol.26 女性のライフサイクルとクルマ

オンナにとってクルマとは

Vol.26 女性のライフサイクルとクルマ

ただ、発売当初から「CR-Zは女性にもどんどん乗って欲しい」と意気投合したものの、女性オーナーの比率はいっこうに増えていないという。私はこの2年間、ずっとそのことを考え続けてきた。そして至った結論は、「クルマが悪いんじゃない。女性特有のライフスタイルと、こういうクルマが合う期間が短いことがネックなのだ」ということだ。
 
例えばうちの母や妹は、最初は「こんなスポーツカー、私に運転できるのかしら」と腰が引けていた。でも一度乗ってみると、それまで運転してきたクルマよりもしっくりきたらしく、今では私が使わないと分かるとすぐに乗っていってしまう。また友人や女性編集者たちは、「もし愛車を持つなら私もこういうクルマがいい」と言ってくれる。
 
つまり女性受けはいいのに、女性オーナー増加につながらないのは、いざ販売店に行って買いましょうかとなった時に、はたと考えてしまうからである。「こういうクルマを買って、もしすぐに結婚したり、子どもができたりしたらどうしよう?」
 
結婚したら2台も持てないから手放すことになるかもしれないし、子どもができたら2ドアではチャイルドシートのお世話は大変そうだし、ベビーカーとか荷物を載せるにも限度がある。そのために買い替えるのは面倒だし、経済的にも負担が大きい。となると、あきらめて最初から「フィット」にしておこうかな、と思うのはしごく賢い考え方である。
 
だから私は自動車メーカーと販売店に提案したい。ホンダを例にとれば、もし「CR-Z」を買っても、結婚したらコンパクトカーの「フィット」、子どもができたらミニバンの「フリード」にいつでも乗り換えOKという、「女性カーライフ応援パック」みたいな販売システムはできないだろうか。今は残価設定での購入も一般的になってきたし、不可能な話ではないはずだ。
 
余計な心配をせずに、女性が本当に好きなクルマに乗れたらどんなに素敵だろうか。そうなれば、クルマ社会そのものが変わる気がしている。

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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。

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