新型レクサスRX、450hと200tは何が違うのか？

日本市場には「RX450h」、「RX200t」の二つのグレードが投入されました。従前のハイブッドモデルをより進化させたRX450h、「日本仕様」ともいうべき2.0L直4ターボエンジンのRX200t…。

どちらもエクステリアやインテリア、装備には小さな差異もあれど、ほぼ同じ。
実質違うのが「パワートレイン」というところでしょうか…。しかしこのパワートレインにより、二台の性格というのが少々異なってきているのも興味深い点でしょう。

日本市場に投入したRX200tは、やはり「税制度上のメリット」という点を加味しているのは間違いないでしょう。
前モデルにあったRX270は2.7L V6エンジンでしたから、税制度状は2.5L以上～3.0L以下のものが適用となります。

今回のRX200ｔは、1.5L以上～2.0以下のものが適用になります。またパワートレインとして新開発した4気筒ターボエンジン「8AR-FTS」は、クラウンアスリートや、弟分の「レクサスNX」にも搭載されており、ダウンサイジングターボとしての実績もあるエンジン。

ミッションは6速トルコンATが組み合わされており、CVTが採用されている450hと比較しても「爽快感」に勝る、といえそうです。
F SPORT仕様にはマルチディスプレイに「ブーストゲージ」「油圧・油温計」が表示されるギミックもあり、プレミアムSUVであれど、少しスポーティに走りたい、という向きには最適なグレードといえそうです。

また価格も2WDモデルが495万円からと、RX450hのエントリーグレードと比較して約100万円低い設定もある意味では訴求するポイントといえそうです。

エンジン：2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション：6段AT
最高出力：238ps/4800-5600rpm
最大トルク：35.7kgm/1650-4000rpm
車重：1,940kg
燃費：11.8km/L（JC08モード）

一方、上位グレードといえる「RX450h」は、従前のモデル同様3.5L V6エンジンに加え、前後に一基ずつモーターを配しており、熟成のハイブリッドモデルとしております。
そのシステム出力は約300馬力で、モーターの太いトルクも相まって、2t以上ある重量ボディも難なく前へと進めていくパワーを持っています。

スタート時はモーターのみで加速。初動から最大トルクに近い数値を発生するのがモーターの強みであり、また車速が上がるとスムースにエンジンと連携し、地面を蹴っていく…トヨタが長年培った「ハイブリッドシステム」の現時点での最高峰が搭載されているのがこの「RX450h」といえましょう。
モーターに加勢するエンジン音も「思ったより迫力ある」というオーナーの声もあるようですが、この辺はモーター走行時の静粛性があまりにも高い、という事もあるといえそうです。

燃費も2t以上ある車体ながら、18.8km/L（JCO8モード・2WD仕様）と、前モデルよりも重量増でありながら1.4km/L、燃費が向上している点も注目すべき点といえますね。

ターボモデルRX200tの乗り味と大きく違うのは、ハイブリッドである、という事以外にもミッションが「CVT」である事が挙げられます。

ご存じのように無段階変速のCVTはシームレスな加速を可能にしていますから、踏み込むだけで優雅に加速をしていきます。つまり、より「ラグジュアリーな乗り味」となっています。高級クロスオーバーSUVの「本質」を考えれば、やはり上位グレードのRX450hにこうした性格を与えるのは当然の事…。

よりラグジュアリーな存在であるが故に、602万円～742万円、といったプライスタグが付けられています。
にもかかわらず、発売後のひと月での受注台数は、RX450hが約6000台、RX200tが約3000台だったそうですから、ハイブリッドでゆったり乗りたい、というニーズが多い結果に。
これはまたステイタスとしてのプレミアム感も手伝っての事かもしれませんね。

ふたつのレクサスRX、それぞれ「異なる魅力」の性格がもたらされており、購入を検討する方は「嬉しい悩み」と対峙する事になりそうですね。

エンジン：3.5リッターV6 DOHC 24バルブ
トランスミッション：CVT
エンジン最高出力：262ps/6000rpm
エンジン最大トルク：34.2kgm/4600rpm
車重：2,080kg（2WD仕様）
燃費：18.8km/L（JC08モード　2WD仕様）