“R”の称号を受け継ぐ、シビック TYPE-Rの走りは!?

シビック TYPE-R

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クルマ好きなら一度は耳にしたことがあると思われる”TYPE-R”という名称。ホンダのクルマの高性能バージョンに与えられるこの名前は、ホンダ特有の高回転NAエンジンと、赤いエンブレムの代名詞として知られています。そのTYPE-Rの新型は、ついにVTECエンジンにターボを追加したエンジンで、2017年に登場しました。

2018/7/3


Chapter
シビック TYPE-Rの歴史
シビック TYPE-Rのスペック
シビック TYPE-Rの走り

シビック TYPE-Rの歴史

ホンダのベストセラーカーであるシビックに、TYPE-Rが初めて設定されたのは1997年のことでした。EK9という型式のこのクルマは、185馬力を発揮する1.6リットル 直4 DOHC VTEC エンジンを搭載、それに5速MTが組み合わされており、さらに車体軽量化や、エアロパーツ、レカロ製バケットシート、モモ製ステアリング(SRSエアバッグ付き)、チタン製のシフトノブ、専用車体色のチャンピオンシップホワイト等が装備されています。いまなおクルマ好きに人気のあるEK9は、まさにシビック TYPE-Rの元祖です。

2001年には、2代目となるEP3型が発売されました。英国生産のため輸入車として扱われたこのクルマは、215馬力を発揮する2リットルの直4エンジンに6速MTを組み合わせたハッチバックスタイルであり、シフトレバーはまるでラリーカーのようにインパネに設置されています。

2007年にはFD2型へと進化しました。先代がハッチバックスタイルであったのに対し、この代では日本仕様車はセダンスタイルとなり、実用性が向上しています。エンジンは先代と同様のものをチューニングし最大馬力は225馬力へと高められています。ホンダの熱心なプロモーションもあり、順調な売れ行きを見せますが、排ガス規制への対応が困難となり2010年に販売を終了します。ハッチバックスタイルのTYPE-R EUROは、2012年まで販売されていました。

2015年にFK2型が発売されます。これは、ドイツのニュルブルクリンクでの量産FF車最速を目標に販売された限定車であり、タイムアタックでは見事に最速タイムを叩き出しています。

シビック TYPE-Rのスペック

そして現行モデルとなるFK8型が2017年9月に発売されました。これまでのシビック TYPE-Rが、ベースモデルのシビックにアフターチューンを施すという方法で開発されたものであるのに対し、FK8型では、最初からベースモデルとTYPE-Rが並行開発されています。

搭載されるエンジンは2リットルの直4、最大馬力は320馬力へと到達しています。トランスミッションは6速MTで、減速操作に合わせてエンジン回転数を自動で調整するレブマッチシステムを搭載しています。サスペンションにはリアにマルチリンク式、フロントにデュアルアクシス・ストラット式が採用されています。価格は450万360円となっています。


シビック TYPE-Rの走り

まず、ひと目見てこのクルマのポテンシャルを感じます。伝統のチャンピオンシップ・ホワイトに赤いホンダのエンブレム、大型のリアウィング、センター出しの3本マフラー、大きく空いたフロントのエアインテークなどが、このクルマがまぎれもないTYPE-Rであることを感じさせます。そして、車内に乗り込むと、赤と黒に彩られたバケットシートとスポーツステアリング、加えてインストゥルメンタルパネルにおごられた赤い差し色が感情をたかぶらせます。

やや重めのブレーキとクラッチを踏みながら、プッシュ式のスタートボタンを押すとエンジンが始動します。ターボエンジンらしい、トルクの太さを感じさせる重低音が車内外に響きます。ショートストロークのシフトレバーをローへと入れて、アクセルを入れ、クラッチを徐々に抜くと、ある点でクルマが一気に加速します。クルマのパワーを地面へとタイヤが伝え、吸い付くように加速する様子は、クルマ好きでなくても虜になってしまうでしょう。

サーキット仕様にチューンされた足回りは非常に固く、コンフォート性は皆無でしょう。実用的な4ドア車でありながら、同乗者にとっては長時間乗り続けることは苦痛を伴うかもしれません。車内に響くエキゾーストノートも時には耳障りに感じるでしょう。良くも悪くも、そのくらい徹底的にサーキットに向けて開発されたクルマであると言えます。

比較的コンパクトなボディかつ軽量化されたボディということもあり、ハンドリングは素直です。FFということもあり、いささかのアンダーステアが気になるところではありますが、長年のTYPE-R開発経験によってうまくまとめられているという印象です。

高速域での安定性も申し分ありませんが、やはりこのクルマの魅力は低速域からの加速にあるでしょう。そうした意味では、日常使いでも(ドライバーは)楽しめるかもしれません。とはいえ、やはりサーキットで遊ぶクルマとして活用するのが、最も幸せなのではないかと思います。

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