ホンダが放つ”機動戦士”ことシビックタイプRに試乗した!

ホンダ シビック タイプR

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ホンダが放つ”機動戦士”ことシビックタイプR(しかもModulo仕様)に、市街地~高速道路~サーキットでお腹いっぱい乗る機会を得ました。

車両にはど派手に「CIVIC TYPE R」と「Modulo」のデカールが…子供っぽくて、個人的にはやりすぎ感のあるガンダムライクな外観と相まって注目の的この上ないですが、走りはまさに”機動戦士”と呼ぶに相応しい実力でした。 2018/7/13
Chapter
市街地での走りは!?
そして、高速道路!
サーキット試乗も!
シビックタイプR 試乗 まとめ

市街地での走りは!?

まずは市街地。初”搭乗”ということで、ドライブモードスイッチは「コンフォート」を選択し恐る恐るクラッチをミート。”ニュルFF最速”、”320ps”というスペックに身構えていましたが、スルスルと滑らかに走り出しました。

エンジンは低回転域からトルクフルでクラッチも扱いやすい操作性。40mmのシフトストロークはとても小気味良く、電子制御パーキングブレーキも搭載されており坂道発進も実に簡単。街乗りでは、気難しい素振りを見せることはありませんでした。1,875mmという車幅に耐えられるのであれば、普段使いは充分合格点だと思います。

街乗りで1番気に入った機能が、回転数を自動で合わせてくれる「レブマッチシステム」。本来、サーキットなどのスポーツ走行時にハンドルやブレーキ操作に集中できるようするための装備ですが、多少ラフに変速をしても自動で回転を合わせてくれるのでギクシャクした動きが減り、デートなど同乗者に気を使う場面ではとても助かる機能です。

余談ですが、筆者の妻は(デカールも含め)ド派手な見た目のせいで乗車を拒否しました。そういう意味では、デートには向かないクルマかもしれません…苦笑


そして、高速道路!

高速道路では、基本的に6速に入れっぱなしでOKです。追い越しなどちょっとした加速が必要な場面でも、2,500rpmから400Nmの最大トルクを発生するエンジン特性のおかげで、シフトダウンの必要がなくAT感覚で運転できました。派手なウイングやエアロパーツも、高い速度域で車両がピタリと安定するので、子供騙しではないのでしょう。

ただ注意したいのは、トリプルエキゾーストシステムが奏でるサウンド。後述するサーキットでは気分を盛り上げるのにひと役買ってくれますが、高速道路では終始重低音が車内に響き続けるので、だんだんと疲れてきてしまいました。この辺りはドライブモードによって音量を調整できる機能がほしいうのが正直なところ。用途として長距離移動も想定している方は、買う前にチェックしておきたいポイントです。

サーキット試乗も!

最後はサーキット。今回、栃木県にあるツインリンクもてぎ(以下:もてぎ)を走ることができました。もてぎは、直線をタイトコーナーでつないだレイアウトが特徴で、MotoGPでは他のサーキットよりも一回り大きい径のブレーキローターを持ち込む程、ブレーキにとても厳しいコースです。

そんなもてぎを走ってまず関心したのはブレーキの効きと剛性感。非常にコントロールしやすく、ブレーキに厳しいもてぎを数週走ったくらいではフェードする気配すらありません。最もスピードが乗った状態から一気に減速するダウンヒルストレートでも、ガツンと速度を”殺し”てくれます。

コーナリングでは、個人的にはもう少し剛性感のあるシャシーの方が好みですが、四輪のブレーキを独立して制御し挙動をコントロールする「アジャイルハンドリングアシスト」と、前述した「レブマッチシステム」のおかげで、自分の運転が上手くなったと錯覚するほど狙った通りのラインを走ることができました。320psをフロントで駆動するので最初はトルクステアに注意しましたが、その兆候も皆無。タイプR専用に開発された「デュアルアクシス・ストラット・フロントサスペンション」が効いているのでしょう。

高い空力性能のおかげか、130RやS字などの高速コーナーでも車両が安定しており、”ニュルFF最速”の称号は伊達ではありません。高速道路では不快だったサウンドも、高回転までドラマチックに回るエンジン特性と相まってサーキットでは刺激的な音色に変わりました。

シビックタイプR 試乗 まとめ

まとめです。今回、タイプRできる様々なシチュエーションを走ることができました。1番感じたのは、やはりシビックタイプRはサーキットを走るために生まれてきたクルマということです。サーキットで体感した「ファンネル・ビット」のごとき数々の専用装備からは、ニュルFF最速を懸けて開発してきた技術者の情熱がヒシヒシと伝わってきました。

しかしそれと同時に、ニュータイプではない自分にとって、どこかクルマに”乗せられている感”も否めませんでした。ニュルを速く走ることが開発の目的になっているという印象を受けたのも事実です。直接の比較はできませんでしたが、街乗りやワインディング、高速道路をメインに時々サーキットを走るという使い方であれば、シビックハッチバックを自分の力量に合わせてチューニングした方が、約150万円の価格差を考慮しても幸せでしょう。

タイプRとして最速を目指すことを否定はしませんし、その技術力は素直に評価するべきです。しかし「ニュル最速=良いクルマ」とは限りません。最速でなくとも良いクルマはたくさんあります。自分の腕を嘆きつつ、もう少しオールドタイプでも楽しめるクルマであったらなお良かった、そんな印象を受けました。
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