オートマ車でもサイドブレーキは必要?役割・使い方・よくある疑問を解説
更新日:2025.08.05

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AT(オートマ)車のドライバーの中には、「Pレンジ(パーキング)だけで車は止まるからサイドブレーキは使わなくていいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかしAT車であってもサイドブレーキ(パーキングブレーキ)は駐車時に欠かせない重要な装置です。
本記事ではサイドブレーキの役割や種類、正しい使い方から、AT車でも必要な理由、注意点や疑問への答えまで初心者にもわかりやすく解説します。
本記事ではサイドブレーキの役割や種類、正しい使い方から、AT車でも必要な理由、注意点や疑問への答えまで初心者にもわかりやすく解説します。
サイドブレーキの役割と基本構造
サイドブレーキ(正式名称:パーキングブレーキ)とは、駐停車時に車輪をロックして車体の静止状態を保つためのブレーキです。主に後輪のブレーキをワイヤーなどで作動させ、車を動かなくします(走行用のフットブレーキとは用途が異なります)。
またMT車では坂道発進の補助や、万が一フットブレーキが効かなくなった場合の緊急ブレーキとして使われる場面もあります。
名称は、かつて多くの車で採用されていたレバーが運転席横(サイド)にあったことに由来します。
またMT車では坂道発進の補助や、万が一フットブレーキが効かなくなった場合の緊急ブレーキとして使われる場面もあります。
名称は、かつて多くの車で採用されていたレバーが運転席横(サイド)にあったことに由来します。
- レバー式サイドブレーキ:
シート横のレバーを引き上げてブレーキをかけ、先端のボタンを押しながらレバーを下げると解除します。
- 足踏み式パーキングブレーキ:
ブレーキペダルの左側に設置されたペダルを踏み込んでブレーキをかけます。解除方法は車種によって異なり、ブレーキをかけたペダルをもう一度踏み込むタイプと、インパネなどに設けられた専用の解除レバーを手で引くタイプがあります。AT車で広く採用されています。
- 電動パーキングブレーキ(EPB):
スイッチ(ボタン)操作でモーターによりブレーキを作動させます。ボタンひとつで確実にかかり、エンジン停止時に自動で作動する車種もあります。デメリットは、バッテリーが上がってしまうと解除が困難になる可能性がある点です。
- ステッキ式ブレーキ:
ハンドル下に設けられたT字のレバーを引いて回す方式で、かつてのベンチシート車に多く見られました。現在は一部の車種に残るのみです。
AT車でもサイドブレーキが必要な理由
安全性の向上
Pレンジのロック機構は、トランスミッション内部のギアに爪(ポール)を引っかけて物理的に回転を止めるものですが、強い衝撃で爪が破損したり、傾斜地で車両の重みがかかり続けて変形したりすると、車が動き出す恐れがあります。
サイドブレーキでタイヤを直接固定すれば、こうしたリスクを大幅に下げることができます。
サイドブレーキでタイヤを直接固定すれば、こうしたリスクを大幅に下げることができます。
トランスミッションの保護
勾配がある場所でPレンジだけに頼ると、車重が小さなロック爪に直接かかり、次にシフトレバーを操作する際に固くなることがあります。無理に動かそうとすると機構の破損につながる恐れもあり危険です。
先にサイドブレーキで車を完全に固定しておけば、Pレンジのロック機構に余計な荷重がかからず、トランスミッションへの負担を減らせます。
先にサイドブレーキで車を完全に固定しておけば、Pレンジのロック機構に余計な荷重がかからず、トランスミッションへの負担を減らせます。
機構の維持
特にワイヤー式のサイドブレーキは、長期間使わずにいるとワイヤーや関連部品が錆びついたり固着したりして、いざという時に効かなくなる場合があります。定期的に使用することで機構のコンディションを良好に保ち、不具合を防止する効果があります。
サイドブレーキの正しい使い方
駐車時の手順
- 停止位置でブレーキペダルを踏み続ける: 車が完全に停止した状態をブレーキペダルで保持します。
- サイドブレーキをしっかりかける: ブレーキペダルを踏んだまま、サイドブレーキをかけます。(レバー式はいっぱいに引き上げ、足踏み式はカチッと音がするまでしっかりと踏み込みます)
- シフトレバーを「P」(パーキング)に入れる: この順序で操作することで、車の重量をサイドブレーキが支え、Pレンジのロック機構に無理な力がかかりません。その後、エンジンを切ります。
発進時の手順
発進時は駐車時と逆の手順で行います。ブレーキペダルを踏んだ状態でエンジンをかけ、シフトレバーを「P」から「D」(ドライブ)などに動かします。最後にサイドブレーキを完全に解除してから、ブレーキペダルを緩めて発進します。
走行前には、メーター内のブレーキ警告灯(赤色の「(!)」マーク)が消えていることを必ず確認しましょう。
走行前には、メーター内のブレーキ警告灯(赤色の「(!)」マーク)が消えていることを必ず確認しましょう。
電動パーキングブレーキとの違い
電動式のパーキングブレーキ(EPB)は基本機能は従来のサイドブレーキと同じですが、レバー操作が不要でボタンひとつで作動する点が大きく異なります。停車時に自動でかかるなど便利な反面、バッテリー上がり時に解除が難しいケースがあることに留意しましょう。
車種によって操作方法が異なる場合もあるため、初めて扱う際は取扱説明書を確認しましょう。
車種によって操作方法が異なる場合もあるため、初めて扱う際は取扱説明書を確認しましょう。
サイドブレーキ使用時の注意点
- 戻し忘れに注意:
サイドブレーキを解除し忘れて走行するとブレーキが過熱し、部品の損傷や火災につながる恐れがあります。発進前に警告灯を確認し、異臭や走りの重さを感じたらすぐ停車してください。
- 冬場の凍結:
寒冷地ではブレーキやワイヤーが凍結してサイドブレーキが解除できなくなる場合があります。真冬に屋外で長時間駐車する際は、輪留めを使いサイドブレーキをかけずに停める方法も検討してください。
サイドブレーキに関するよくある疑問
Q1. サイドブレーキを引いたまま発進してしまったらどうなりますか?
軽度であれば走行中に気づいて解除すれば問題ありませんが、そのまま走るとブレーキが過熱して効きが低下し、最悪部品が焼けて火災に至ることもあります。異変に気付いたらただちに停車し、ブレーキを冷却してから走行を再開してください。
Q2. 寒冷地ではサイドブレーキを使わない方が良いのでしょうか?
氷点下の環境では凍結リスクを考慮し使用を控える判断もあります。例えば夜間に冷え込む場合、サイドブレーキをかけずにPレンジと輪留めで車が動かないようにする方法も有効です。ただし通常の冬であれば問題なく使用できます。
軽度であれば走行中に気づいて解除すれば問題ありませんが、そのまま走るとブレーキが過熱して効きが低下し、最悪部品が焼けて火災に至ることもあります。異変に気付いたらただちに停車し、ブレーキを冷却してから走行を再開してください。
Q2. 寒冷地ではサイドブレーキを使わない方が良いのでしょうか?
氷点下の環境では凍結リスクを考慮し使用を控える判断もあります。例えば夜間に冷え込む場合、サイドブレーキをかけずにPレンジと輪留めで車が動かないようにする方法も有効です。ただし通常の冬であれば問題なく使用できます。
まとめ
オートマ車でもサイドブレーキは安全に駐車するため重要な役割を果たします。駐車時はPレンジとサイドブレーキを併用するのが基本です。ひと手間かけて習慣化することで、愛車の安全と寿命を守ることにつながります。