日産 セレナにも搭載されるe-POWERとは?改めて解説
更新日:2024.09.09
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昨年秋の東京モーターショー2017で公開された日産 セレナ e-POWERが、間もなく市場に投入されることになります。e-POWERは、日産が開発したハイブリッドモデルの名称で、昨年の販売台数ランキングではノートの躍進に大きく貢献しました。それが間もなくミニバンのセレナにも搭載されデビューします。あらためてe-POWERを見て行きましょう。
日産 e-POWERとは?
現在は、日産 ノートにのみ搭載されているパワートレーン『e-POWER』が、いよいよ日産 セレナにも搭載され、販売が開始されます。
昨年は、ノートの販売に大きく貢献したシステムだけに、ライバルのトヨタ ノア/ヴォクシー/エスクワイアや、ホンダ ステップWGNに対する大きなアドバンテージとなることが予想されます。そのe-POWERとは、どのようなパワートレーンなのでしょうか?
昨年は、ノートの販売に大きく貢献したシステムだけに、ライバルのトヨタ ノア/ヴォクシー/エスクワイアや、ホンダ ステップWGNに対する大きなアドバンテージとなることが予想されます。そのe-POWERとは、どのようなパワートレーンなのでしょうか?
e-POWERはシリーズ式ハイブリッド
e-POWERは、内燃機関(エンジン)で発電した電力をリチウムイオンバッテリーに貯め、駆動用モーターのみで走行するハイブリッド車です。形式としては、シリーズ方式に分類され、エンジンは発電のみに使います。発電機を備えた電気自動車と考えるとわかりやすいですね。
ただし、電気を生み出すためのエンジンには当然燃料(ガソリン)が必要で、ガソリン仕様と同じ41L(e-POWER Sは35L)のガソリンタンクを持っています。
バッテリーの容量が少なくなればいつでも充電できるe-POWERは、バッテリー切れ(電欠)の心配がなく、バッテリーユニットは小さめ。そのぶん、重量の増加を抑えることができることが利点です。
ただし、電気を生み出すためのエンジンには当然燃料(ガソリン)が必要で、ガソリン仕様と同じ41L(e-POWER Sは35L)のガソリンタンクを持っています。
バッテリーの容量が少なくなればいつでも充電できるe-POWERは、バッテリー切れ(電欠)の心配がなく、バッテリーユニットは小さめ。そのぶん、重量の増加を抑えることができることが利点です。
レンジエクステンダー/PHEVとの違い
レンジエクステンダーもエンジンを発電機として用いる電動自動車ですが、こちらはあくまでもEV(外部充電が可能)がメインで、エンジンは緊急発電用といったスタンス。そのため大型のバッテリーユニットを搭載します。
PHEVは、外部充電が可能なハイブリッドで、エンジンを走行用としても使用可能。ただし動力源のメインはあくまでもバッテリーであり、レンジエクステンダーはその一種と見ることもできます。
一方、e-POWERでは外部充電機能がなく、大型バッテリーも搭載しません。e-POWERのバッテリーが蓄えられる容量は、当面の駆動用モーター作動ぶん程度で、電気が足りなくなればエンジンによって発電します。
PHEVは、外部充電が可能なハイブリッドで、エンジンを走行用としても使用可能。ただし動力源のメインはあくまでもバッテリーであり、レンジエクステンダーはその一種と見ることもできます。
一方、e-POWERでは外部充電機能がなく、大型バッテリーも搭載しません。e-POWERのバッテリーが蓄えられる容量は、当面の駆動用モーター作動ぶん程度で、電気が足りなくなればエンジンによって発電します。
日産 e-POWERのメリット
外部充電機能を持たないe-POWERは、自動車の動力源が内燃機関からモーターへ移る際の端境期の技術と見ることもできますが、それだけに現在の交通環境にマッチした設計となっていることが魅力です。
その①:近隣に充電スタンド/充電器がなくても導入可能
100パーセントEVと比較すると、中途半端な感じがしないでもないe-POWERは、その中途半端さが最大のメリットと言えます。
もしあなたがEVの日産 リーフを導入するのであれば、自宅駐車場に充電器を設置したり、通勤やドライブの経路上の充電スタンドの存在を確認する必要があります。公共の充電スタンドは、全国で約2万1千箇所(GoGo EVより)で、いまのところは都市部に集中する傾向にあります。
その点、ガソリンスタンドで給油できるe-POWERは、導入までの敷居が低くなります。
もしあなたがEVの日産 リーフを導入するのであれば、自宅駐車場に充電器を設置したり、通勤やドライブの経路上の充電スタンドの存在を確認する必要があります。公共の充電スタンドは、全国で約2万1千箇所(GoGo EVより)で、いまのところは都市部に集中する傾向にあります。
その点、ガソリンスタンドで給油できるe-POWERは、導入までの敷居が低くなります。
その②:地球環境とお財布に優しい
e-POWERに搭載されるエンジンは、1.2L直3のHR12DE型エンジン。ガソリン仕様のノートにも搭載されるエンジンですが、e-POWERでは発電に適したチューニングが施されています。
具体的には、エンジンの圧縮比を高め、最大トルクを3,600-5,200rpmという回転域で発生。ノートe-POWER Sの燃費は37.2km/Lを達成しています。e-POWER Sの燃料タンクは35Lなので、1度の満タンで1,300kmの走行が可能となる計算です。日常用途なら月に1度の給油で十分ですね。
また減速時には回生システムが作動し、アクセルOFFだけで減速することが可能で、ブレーキのフェードはもちろんライフにもひと役かっています。
具体的には、エンジンの圧縮比を高め、最大トルクを3,600-5,200rpmという回転域で発生。ノートe-POWER Sの燃費は37.2km/Lを達成しています。e-POWER Sの燃料タンクは35Lなので、1度の満タンで1,300kmの走行が可能となる計算です。日常用途なら月に1度の給油で十分ですね。
また減速時には回生システムが作動し、アクセルOFFだけで減速することが可能で、ブレーキのフェードはもちろんライフにもひと役かっています。
その③:中低速域のドライバビリティに優れる
e-POWERの動力源は、初期から最大トルクを発揮できるモーターなので、内燃機関と比較すると停車時の発進から力強く、街中での加速でパワー不足を感じることは少ないでしょう。
e-POWERの最大トルクは、254Nm(25.9kgm)/0-3,008rpmで、これは2.5L自然吸気ガソリンエンジンや2.0Lターボエンジン並です。
e-POWERの最大トルクは、254Nm(25.9kgm)/0-3,008rpmで、これは2.5L自然吸気ガソリンエンジンや2.0Lターボエンジン並です。
日産 e-POWERのデメリット
実用的なEVとして魅力的なe-POWER搭載車ですが、慣れるまではいくつか気になることがあるかもしれません。
そのひとつが動力源の特性の違いで、発進時から最大トルクを発生するモーターと、回転数を上げながら高出力を生み出すエンジンとでは、アクセル操作で慣れが必要です。
またモーターは最大トルクを発生できる回転数が広いため、日常域の運転速度ではパワー不足を感じることは少ないものの、高速域でエンジンのように湧き出るパワー感を感じることもありません。この点はガソリンエンジンの出力特性に慣れている方には、運転のしづらさやモーターのデメリットとして感じるかもしれません。
しかしいずれも慣れてしまえば、ガソリンエンジンにはないモーター独自の魅力として感じることでしょう。
そのひとつが動力源の特性の違いで、発進時から最大トルクを発生するモーターと、回転数を上げながら高出力を生み出すエンジンとでは、アクセル操作で慣れが必要です。
またモーターは最大トルクを発生できる回転数が広いため、日常域の運転速度ではパワー不足を感じることは少ないものの、高速域でエンジンのように湧き出るパワー感を感じることもありません。この点はガソリンエンジンの出力特性に慣れている方には、運転のしづらさやモーターのデメリットとして感じるかもしれません。
しかしいずれも慣れてしまえば、ガソリンエンジンにはないモーター独自の魅力として感じることでしょう。