V12、W16、H16…エンジンの気筒数が多いほど、車の性能は上がるのか?
※この記事には広告が含まれます
気筒数とは?
気筒数=シリンダー数で、シリンダーがひとつだけのエンジンは、単気筒と呼ばれ、それ以外は気筒の前の数字(2、3、…、10、12気筒)がそのエンジンの気筒数を表しています。現在の軽自動車は3気筒、乗用車では4〜8気筒が主流となっていますが、大型車やスポーツカーでは気筒数が多く、排気量も大きくなります。
多気筒エンジンを搭載する車
【V10】
レクサス LFA
ランボルギーニ ガヤルド、ウラカン
ポルシェ カレラGT
BMW M5/M6(E60/61)
アウディ R8 5.2FSI、S6/RS6(C6)
【V12】
トヨタ センチュリー(GZG50)
フェラーリ 250GT、365GT4BB、テスタロッサ、F50、550マラネロ、F12ベルリネッタ、エンツォフェラーリなど
ランボルギーニ ミウラ、カウンタック、ディアブロ、ムルシエラゴ、レヴェントンなど
ジャガー Eタイプ、XJ-S、デイムラー・ダブルシックスなど
アストンマーティン DB7ヴァンテージ、V12ヴァンキッシュ
マクラーレン マクラーレンF1
BMW 850i
パガーニ ゾンダ
他
【W12】
W型エンジンは、VWグループのアウディやベントレーなどに搭載されています。その構造はV型を2つ組み合わせた構造で、1990年代に登場した狭角V型6気筒(VR6)がベースがになっています。
アウディ A8 W12
ベントレー コンチネンタルGT、フライング・スパー
フォルクスワーゲン フェートン W12、トゥアレグ W12
ブガッティ シロン
他
【W16】
前述のVW製VR6をベースに開発されたVR4型を2つ付けたW8はシリンダーバンクが72度の狭角エンジンでした。このシリンダーバンクを90度に拡大さらに2つ付けたエンジンが、W16です。
ブガッティ ヴェイロン16.4
【H16】
市販車ではH16型のエンジンを搭載した車は登場していませんが、F1の世界では約50年前にイギリスBRM社が開発したH16エンジン"P86"が存在していました。こちらは、水平対向8気筒を2段重ねにした構造だったそうです。
このように、超高級車やスーパーカーに多気筒車が多いのはなぜでしょうか?
超高級車やスーパーカーに多気筒車が多いのはなぜ?
当時の名残というわけではありませんが、上記の車種を見ればわかる通り、レクサスLFA、フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカー、ベントレーやロールスロイスなどの1,000万円超~億の価格がつく超高級車に多気筒エンジンが搭載されています。
これはV10以上の多気筒エンジンは超高級車が求める性能を有しているから、ということを意味しています。どのような性能なのでしょうか?
多気筒エンジンのメリットは?
また、市販車に搭載される多気筒エンジンにはV6、V8、V10、V12などV型エンジンが多いのですが、これは多気筒であってもV型に配列することでクランクシャフトを短くでき、コンパクトな設計が可能となるのが理由です。
近年は少ない気筒数でも高性能なエンジンが開発されるようになり、重量を減らし、燃費が良くなり省スペース化も可能とするダウンサイジングエンジンも増えていますが、やっぱりスーパーカーにはV10以上を搭載して欲しい…と思ってしまいますね。
加藤久美子|Kato Kumiko
自動車生活ジャーナリスト。大学時代はトヨタディーラーで納車・引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社出版局に入社。フリーランスになって20年超。愛車は1998年式アルファスパイダーで走行距離まもなく25万キロ!近年は撮影&通訳担当のクルマ好き息子と共に、海外自動車ショウの取材が増えている。
著書「固有名詞子育て」(朝日新聞出版)、原作「愛車買います!」(実業之日本社)