エアロパーツが車の燃費に与える影響とは?わかりやすく解説
更新日:2024.09.09
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一般の自動車ユーザーにとって、エアロパーツはドレスアップの手段であることが多いのですが、本来のエアロパーツは”エアロ=空気”を意味することでもわかるように、ボディまわりの空気の流れを整えることが主たる機能で、目的は空気抵抗の低減、ダウンフォースの増強、エンジンやブレーキの冷却などさまざまです。このエアロパーツによって空気抵抗が改善されると、燃費向上にも効果があるのでしょうか?
エアロパーツの目的と期待される効果とは?
1、ドレスアップ
エアロパーツを装着したいと思うユーザーの多くは「迫力のあるルックスにしたい」「地面とのスキ間を埋めてカッコよくしたい」といった目的を持っているのではないでしょうか?
タイヤを薄くして(ホイールをインチアップして)、車高調整式サスペンションまたはローダウンスプリングなどで車高を下げ、各部分にスポイラーをつけて、スキ間を埋めて行くのはドレスアップの基本と言えます。
とくに見た目の効果が大きいのは、フロントスポイラー、リヤスポイラー、サイドスカートなどの大きなエアロパーツになります。
タイヤを薄くして(ホイールをインチアップして)、車高調整式サスペンションまたはローダウンスプリングなどで車高を下げ、各部分にスポイラーをつけて、スキ間を埋めて行くのはドレスアップの基本と言えます。
とくに見た目の効果が大きいのは、フロントスポイラー、リヤスポイラー、サイドスカートなどの大きなエアロパーツになります。
2、空気抵抗を減らす
エアロパーツを装着する本来の目的とのひとつが空気抵抗を減らすことです。空気抵抗を低減させるには、車体の周りを流れる空気の流れを整えます。
一般的に、空気抵抗が関わってくるのは、時速80~100km以上の高速走行時と言われますが、トヨタが市販モデルに採用するエアロ スタビライジング フィンは、時速50kmほどの速度でも効果があると言われます。
とはいえ、ストップ&ゴーを繰り返し、時速30〜40kmでの走行が主体となる街中ではほとんど効果は感じられません。
一般的に、空気抵抗が関わってくるのは、時速80~100km以上の高速走行時と言われますが、トヨタが市販モデルに採用するエアロ スタビライジング フィンは、時速50kmほどの速度でも効果があると言われます。
とはいえ、ストップ&ゴーを繰り返し、時速30〜40kmでの走行が主体となる街中ではほとんど効果は感じられません。
3、ダウンフォースを発生させる
高速で走行すると、車のボディには揚力(浮き上がる力)が発生します。エアロパーツを装着することで、車を地面に押さえつける力=ダウンフォースを発生させます。これにより、操安性のアップが期待できます。
4、車両重量の軽量化
こちらはエアロパーツに限りませんが、最初から付いているパーツをアルミやFRP、カーボンなどの軽量素材に交換することで、車体の軽量化につなげます。
さて、本題です。エアロパーツを装着することで空気抵抗値を下げるなど、さまざまな効果が期待できることがわかりましたが、それではこれらの「エアロパーツ効果」が燃費にも良い効果をもたらしてくれるのでしょうか?
上記1〜4について、考えてみましょう。
さて、本題です。エアロパーツを装着することで空気抵抗値を下げるなど、さまざまな効果が期待できることがわかりましたが、それではこれらの「エアロパーツ効果」が燃費にも良い効果をもたらしてくれるのでしょうか?
上記1〜4について、考えてみましょう。
エアロパーツで燃費はよくなる?
1、ドレスアップ
ドレスアップ目的のエアロパーツは、本来エアロパーツに求められる機能よりも、見た目の格好良さを優先してデザインされているものが、多く存在します。むしろこれまでなかった部分に新たにパーツを装着することで、重量増や抵抗増を招き燃費が悪くなる恐れがあります。
2、空気抵抗を減らす/3、ダウンフォースを発生させる
空気抵抗を減らすという本来の機能が働いていれば、燃費にも良い効果が現れそうです。ただし、劇的に変わるというものではなく、たとえば時速100キロで5時間ずっと走行し続ける…といった使用状況でなければ、本来の効果はわからないでしょう。
ダウンフォースについては、空気抵抗を高めることになるので、むしろ燃費悪化につながりやすくなります。
ダウンフォースについては、空気抵抗を高めることになるので、むしろ燃費悪化につながりやすくなります。
4、車両重量の軽量化
バンパーやエンジンフードなどをより軽量な素材に交換するということであれば、車両重量が軽くなる分、燃費向上は期待できますね。車両重量ということであれば、走行時のスピード等関係なく、燃費には関係してきます。
ただしこちらも、他の条件(乗車人数や運転の仕方、アクセルの開け方など)が同じであっても、劇的に燃費が改善するものでもないですし、燃費よりもFRPやカーボンパーツに交換する費用のほうがはるかに高額となります。
エアロパーツの本来の機能が働くシーンは、おもに高速道路やサーキットなので、日常的な使用状況での燃費向上は、まず期待できそうにないですね。
ただしこちらも、他の条件(乗車人数や運転の仕方、アクセルの開け方など)が同じであっても、劇的に燃費が改善するものでもないですし、燃費よりもFRPやカーボンパーツに交換する費用のほうがはるかに高額となります。
エアロパーツの本来の機能が働くシーンは、おもに高速道路やサーキットなので、日常的な使用状況での燃費向上は、まず期待できそうにないですね。
加藤久美子|Kato Kumiko
自動車生活ジャーナリスト。大学時代はトヨタディーラーで納車・引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社出版局に入社。フリーランスになって20年超。愛車は1998年式アルファスパイダーで走行距離まもなく25万キロ!近年は撮影&通訳担当のクルマ好き息子と共に、海外自動車ショウの取材が増えている。
著書「固有名詞子育て」(朝日新聞出版)、原作「愛車買います!」(実業之日本社)