後席シートベルト着用率わずか36%?義務化されたはずなのに、低い装着率の理由とは?
更新日:2024.09.09
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2008年より装着が義務化された後部座席シートベルトですが、一般道での着用率は2016年時点で36%。前席は、運転席98.5%、助手席94.9%ですから、かなりと低いと言わざるを得ません。なぜ、これほどまで後部座席のシートベルトの着用率が低いのでしょうか。
*2016年の情報です
*2016年の情報です
データで見る後部座席シートベルトの現状
まずは、現在の後部座席シートベルトについて、警察庁とJAFが2016年(平成28年)10月1日から10日までの間に共同で実施した"シートベルト着用状況全国調査結果”を紹介します。
後部座席シートベルト着用率の推移
後部座席のシートベルト着用義務化が開始されたのは2008年からです。これにより、2007年には一般道では8.8%、高速道路では13.5%だった後席シートベルト着用率が、一般道で30.8%、高速道路等では62.3%に跳ね上がりました。
しかし、その後はそれほど改善することがなく、2016年時点で一般道が36.0%、高速道路等では71.8%と伸び悩んでいます。
しかし、その後はそれほど改善することがなく、2016年時点で一般道が36.0%、高速道路等では71.8%と伸び悩んでいます。
都道府県別後部座席シートベルト着用率
2016年時点でシートベルト着用率ワースト3は、鹿児島県(21.8%)、大分県(22.7%)、京都府(25%)。反対にベスト3は、長野県(49%)、埼玉県(48.9%)、栃木県(48%)となっています。
義務化から約10年、もっとも着用率の高い長野県でも半分に満たないわけですから、後席シートベルトの着用が浸透していないことが伺えます。
義務化から約10年、もっとも着用率の高い長野県でも半分に満たないわけですから、後席シートベルトの着用が浸透していないことが伺えます。
後部座席シートベルト未着用時の事故による死亡率
後部座席でシートベルトを着用せず事故にあった場合、後部座席乗員が車内設備に打ち付けられて肉体を破損、後部座席乗員が窓ガラスを破り道路に叩きつけられ後続車に轢かれる、前席乗員に体当たりしてしまうな、どの被害が想定されます。
警察庁のデータによると、後部座席シートベルト着用時と未着用時では、事故による死亡率は未着用時のほうが14.5倍高まるとのこと。後部座席でもシートベルト着用は必須ですね。
では、なぜ多くの人々は、後部座席シートベルトを着用しないのでしょうか?
警察庁のデータによると、後部座席シートベルト着用時と未着用時では、事故による死亡率は未着用時のほうが14.5倍高まるとのこと。後部座席でもシートベルト着用は必須ですね。
では、なぜ多くの人々は、後部座席シートベルトを着用しないのでしょうか?
後部座席シートベルトを着用しない理由とは?
公益財団法人交通事故総合分析センター(イタルダ)の調査による後部座席シートベルトを着用しない理由ベスト3は、次の通りです。
第1位:着用する習慣がない
第2位:面倒、窮屈だから
第3位:事故を起こさない、近距離乗車
第1位の習慣がないのは理由になりませんね。習慣がなければ、気を付けたら良いだけです。始めたらいずれ習慣になります。
第2位の面倒は、ベルトキャッチが座席の間に埋まり探すのが面倒なのかもしれません。車の所有者は、すぐにシートベルトを装着できるよう準備をしておく必要があります。窮屈だからについては、後部座席の設計にも問題があるのかもしれません。前席は、シートベルトの肩の支点を調整できるなどの機構を持つものもありますが、後席は乗員の居住性や快適性に配慮されていないシートベルトなんてものがありそうです。
第3位の近距離乗車も理由になりませんが、ワースト3に京都府が入っているのはもしかしたら、タクシーを利用する外国人観光客にシートベルト着用をお勧めしづらいからなのかもしれません。また、事故を起こさないは論外です。
事故時に車外に放り出されたことにより死亡した人の約99%はシートベルト未着用だったといいます。これは前席も含めたデータですが、前席のシートベルト着用率は助手席をあわせても95%以上になりますから、車外に放り出された乗員のほとんどが後席に乗っていたということになります。
いつ起きる・巻き込まれるか分からないのが交通事故です。巻き込まれる可能性も考えましょう。
第1位:着用する習慣がない
第2位:面倒、窮屈だから
第3位:事故を起こさない、近距離乗車
第1位の習慣がないのは理由になりませんね。習慣がなければ、気を付けたら良いだけです。始めたらいずれ習慣になります。
第2位の面倒は、ベルトキャッチが座席の間に埋まり探すのが面倒なのかもしれません。車の所有者は、すぐにシートベルトを装着できるよう準備をしておく必要があります。窮屈だからについては、後部座席の設計にも問題があるのかもしれません。前席は、シートベルトの肩の支点を調整できるなどの機構を持つものもありますが、後席は乗員の居住性や快適性に配慮されていないシートベルトなんてものがありそうです。
第3位の近距離乗車も理由になりませんが、ワースト3に京都府が入っているのはもしかしたら、タクシーを利用する外国人観光客にシートベルト着用をお勧めしづらいからなのかもしれません。また、事故を起こさないは論外です。
事故時に車外に放り出されたことにより死亡した人の約99%はシートベルト未着用だったといいます。これは前席も含めたデータですが、前席のシートベルト着用率は助手席をあわせても95%以上になりますから、車外に放り出された乗員のほとんどが後席に乗っていたということになります。
いつ起きる・巻き込まれるか分からないのが交通事故です。巻き込まれる可能性も考えましょう。
後部座席シートベルトがない車も!
後部座席のシートベルト未着用は、事故時にはとても危険であることが伺い知れると思います。しかし、後部座席がありながらシートベルトが装備されていない車もあります。それが1975年4月1日以前に製造された国産車です。この場合、後部座席のシートベルト着用義務はなく、車検も保安基準適用範囲外です。
もしお乗りの車が1975年4月1日以前に製造されていて、後部座席シートベルトが設置されていないなら、そのまま乗っても道交法違反にはなりませんし、車検も問題なく通ります。
もしお乗りの車が1975年4月1日以前に製造されていて、後部座席シートベルトが設置されていないなら、そのまま乗っても道交法違反にはなりませんし、車検も問題なく通ります。
後部座席シートベルト未着用だと警告音が!
インターネットで調べてみると、後部座席シートベルトを着用する理由に、「シートベルトリマインダーの警告音がうるさいから」というものがありました。この警告音は、2016年11月に国連で自動車の国際基準改定で採択され、2017年6月より日本国内でも対象を前席のみから全座席に拡大され保安基準が改定されました。(乗用車のみでトラック、バスなどは従来通り前席のみ。)
今後、製造される量販車は全席対象のシートベルトリマインダーが設置されますが、それまでに製造された車であっても同乗者の安全を確保するために、後席シートベルトの着用を習慣化したいものですね。
今後、製造される量販車は全席対象のシートベルトリマインダーが設置されますが、それまでに製造された車であっても同乗者の安全を確保するために、後席シートベルトの着用を習慣化したいものですね。