ロータリーエンジン搭載車が復刻版として発売される日は来るのか?
更新日:2024.09.09
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2017年現在、ラインナップから外れてしまっていますが、根強い人気があるロータリーエンジン。
秋に開催される東京モーターショー2017では、ロータリーの復活が期待されています。
素人考えでは、過去の人気モデルを復刻して発売するのも一つの手法のように思えますが、かつて人気を誇ったRX-7、RX-8などが復刻モデルとして発売される可能性はあるのかどうか、考えてみましょう。
秋に開催される東京モーターショー2017では、ロータリーの復活が期待されています。
素人考えでは、過去の人気モデルを復刻して発売するのも一つの手法のように思えますが、かつて人気を誇ったRX-7、RX-8などが復刻モデルとして発売される可能性はあるのかどうか、考えてみましょう。
自動車の復刻はレアケースだが…
旧車人気が高まっている昨今。年々程度の良い個体が減少しているため、RX-7やRX-8を限定でも良いから復刻販売してくれたら…という願望を持つファンは少なくないと思います。
理由は後述しますが、実際のところ、自動車メーカーが過去のモデルを復刻販売するケースは珍しいと言わざるを得ません。
しかし、最近ではトヨタが2014年にランドクルーザー70の復刻生産を行っており、これはコアなファンの方々の声にメーカーが応えたケースでもあります。
また2017年4月には、シトロエンが往年の名車、タイプH(Hトラック)の70周年アニバーサリーの意味合いからタイプHの復刻をすると発表されました。とはいえ、こちらは往年のモデルそのままではなく、現行商用車(リレイ)をベースに、ボディキットで雰囲気を近づけた仕様のものなのだとか。
この事例は、過去のモデルをそのまま復刻するというのは不可能という事実を示しているといえます。もちろん、現在の工業技術で過去のクルマを再現できないという話ではなく、おもに衝突安全性と排ガス規制をクリアできないということが理由です。
ランドクルーザー70の復刻に関しては、比較的新しいモデルであったこと、海外では生産が続けられ進化を重ねていたことで、当時の保安基準、排ガス規制をクリアできたと見るべきでしょうね。
ひるがえって、RX-7、RX-8の復刻は不可能なのでしょうか?
理由は後述しますが、実際のところ、自動車メーカーが過去のモデルを復刻販売するケースは珍しいと言わざるを得ません。
しかし、最近ではトヨタが2014年にランドクルーザー70の復刻生産を行っており、これはコアなファンの方々の声にメーカーが応えたケースでもあります。
また2017年4月には、シトロエンが往年の名車、タイプH(Hトラック)の70周年アニバーサリーの意味合いからタイプHの復刻をすると発表されました。とはいえ、こちらは往年のモデルそのままではなく、現行商用車(リレイ)をベースに、ボディキットで雰囲気を近づけた仕様のものなのだとか。
この事例は、過去のモデルをそのまま復刻するというのは不可能という事実を示しているといえます。もちろん、現在の工業技術で過去のクルマを再現できないという話ではなく、おもに衝突安全性と排ガス規制をクリアできないということが理由です。
ランドクルーザー70の復刻に関しては、比較的新しいモデルであったこと、海外では生産が続けられ進化を重ねていたことで、当時の保安基準、排ガス規制をクリアできたと見るべきでしょうね。
ひるがえって、RX-7、RX-8の復刻は不可能なのでしょうか?
厳しい排ガス規制…ロータリーエンジンのとれる選択肢は…
前述のように、すでに過去のモデルとなったRX-7、RX-8を復刻販売するには、かなりのハードルがあると考えます。保安基準に関しては、ボディ&シャーシを強化する、ということでクリアできる(重量増によって性能がスポイルされる可能性が高い)と思いますが、問題は排ガス規制です。
最後のロータリーモデルであるRX-8は、2010年、欧州の排ガス規制(当時ユーロ5)に適合できず、欧州での販売を終了とした経緯があります。現在はさらに厳しいユーロ6となっており、その他の諸外国でも排ガス規制は強化され続けています。
つまり、2ストロークエンジンが駆逐されたように、ロータリーエンジンはその構造上、排ガス規制に対して不利になってしまうのです。
そのソリューションとして、まず挙げられるのがハイブリッド仕様です。モーター駆動によって排ガスを減らす、あるいは大幅に出力を落としてその分をモーターで補う、いずれにせよHV化によるソリューションはロータリーエンジンにとって現実的な選択肢ではないでしょうか。
他方で、RX-8、RX-7はHVとして開発されているわけではありませんから、バッテリーやコンバーターといったHVモデルに欠かせない補器類を搭載することが困難。つまり、プラットフォームから再設計が必要であり、それであるならば新型ロータリースポーツを開発したほうが…となってしまいます。
最後のロータリーモデルであるRX-8は、2010年、欧州の排ガス規制(当時ユーロ5)に適合できず、欧州での販売を終了とした経緯があります。現在はさらに厳しいユーロ6となっており、その他の諸外国でも排ガス規制は強化され続けています。
つまり、2ストロークエンジンが駆逐されたように、ロータリーエンジンはその構造上、排ガス規制に対して不利になってしまうのです。
そのソリューションとして、まず挙げられるのがハイブリッド仕様です。モーター駆動によって排ガスを減らす、あるいは大幅に出力を落としてその分をモーターで補う、いずれにせよHV化によるソリューションはロータリーエンジンにとって現実的な選択肢ではないでしょうか。
他方で、RX-8、RX-7はHVとして開発されているわけではありませんから、バッテリーやコンバーターといったHVモデルに欠かせない補器類を搭載することが困難。つまり、プラットフォームから再設計が必要であり、それであるならば新型ロータリースポーツを開発したほうが…となってしまいます。
ひとつの可能性…水素ロータリーエンジン
もうひとつの可能性として、水素ロータリーの存在があります。
じつはマツダは、古くから水素ロータリーの研究を行っており、2004年にはRX-8をベースとした水素ロータリーエンジン車「HYDROGEN RE」を制作。2006年には、官民で実証実験を行っています。
出力は110馬力、航続距離は150kmと少々物足りませんが、ガソリンと水素、両方の燃料を使用できるバイフューエル仕様となっているのが大きなポイント。
くわえていえば、2006年当時はまだ水素供給インフラがほぼ皆無でしたが、現在では水素を使用する燃料電池車(FCV)も登場しており、インフラも拡充されようとしています。
ロータリーエンジンであれ、水素を燃料とするならば、排出物はほぼ水という非常に環境に優しいものになります。
10年以上前にマツダが次世代エネルギーとして水素に目をつけていたのは慧眼といえますし、もしもこの方向性を捨てずに開発を続けているのであれば、充分にロータリーエンジンの復活もあり得るといえるのではないでしょうか。
じつはマツダは、古くから水素ロータリーの研究を行っており、2004年にはRX-8をベースとした水素ロータリーエンジン車「HYDROGEN RE」を制作。2006年には、官民で実証実験を行っています。
出力は110馬力、航続距離は150kmと少々物足りませんが、ガソリンと水素、両方の燃料を使用できるバイフューエル仕様となっているのが大きなポイント。
くわえていえば、2006年当時はまだ水素供給インフラがほぼ皆無でしたが、現在では水素を使用する燃料電池車(FCV)も登場しており、インフラも拡充されようとしています。
ロータリーエンジンであれ、水素を燃料とするならば、排出物はほぼ水という非常に環境に優しいものになります。
10年以上前にマツダが次世代エネルギーとして水素に目をつけていたのは慧眼といえますし、もしもこの方向性を捨てずに開発を続けているのであれば、充分にロータリーエンジンの復活もあり得るといえるのではないでしょうか。