5万台突破!日産の自動運転技術「プロパイロット」ってどんな悪条件下でも作動するの?

プロパイロット

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2016年8月に販売開始した現行型日産 セレナに搭載された同一車線自動運転技術「プロパイロット」。2017年6月にはエクストレイルにも搭載され、約2ヶ月後の7月末には、搭載車の販売が5万台を突破。大ヒットとなっています。プロパイロットとは、具体的にどのようなシステムなのでしょうか?どんな条件でも作動できるの?
Chapter
同一車線自動運転技術「プロパイロット」とは?
こんな時は大丈夫?プロパイロットに厳しい条件とは?

同一車線自動運転技術「プロパイロット」とは?

自販連の統計によると、2016年8月から2017年7月までの現行型セレナの販売台数は12万5,321台。そのうち約4.9万台がプロパイロット搭載車とのこと。じつに現行型セレナの4割に搭載される、人気オプションです。

プロパイロットは、運転者に代わり加減速と操舵を行うシステムの名称です。高速道路の巡航走行と渋滞走行を想定した、レベル2の同一車線自動運転技術で、アクセル、ブレーキ、ステアリングをシステムが運転者に代わって操作してくれます。

核となっているのは、インテリジェントクルーズコントロールとハンドル支援。これにより運転者の心身の疲労を低減し、安全運転を積極的に促します。

インテリジェントクルーズコントロール

新型セレナのインテリジェントクルーズコントロールは、フロントガラスに設置された単眼カメラからの情報をもとに、前走車がいる場合にはあらかじめ設定した車速に応じて、車間距離を一定に保つよう制御。前走車がいない場合には、設定した車速を維持する機能です。

プロパイロットの一部として組み込まれている場合、設定可能速度は30~100km/hです。前走車が停止した場合には、プロパイロットを搭載したセレナも停止します。ただし、停止状態が3分を超えると電動パーキングブレーキが作動し、インテリジェントクルーズコントロールは解除されます。

ハンドル支援

単眼カメラは前走車のみならず、走行区分線も同時に検知します。

車両両側の走行区分線検知時、車両がレーンの中央付近におり、かつ前走車を検知している間は、車両がレーンの中央を走行出来るよう、ステアリングを精密に操作してくれます。

現行型セレナのプロパイロットは、単眼カメラからの情報のみで、前走車と両側の車線を検出し、前走車と一定の車間距離を保ちながら設定速度で走行しつつ、レーン中央を維持するシステムです。従来のクルーズコントロールに使用されてきた、レーダーセンサーを使用しない点が、画期的です。

こんな時は大丈夫?プロパイロットに厳しい条件とは?

プロパイロットは同一車線内を、車両が自動に近い状態で運転する技術であり、決して車両やシステム任せの自動運転技術ではありません。プロパイロットが、作動しない条件もあります。

フロントガラスが凍結・着氷・結露した場合

プロパイロット唯一の情報センサーである単眼カメラは、インナーミラーの裏側に設定されています。もしもこの部分が雪の凍結や露で塞がれたら、単眼カメラから情報を得られず、プロパイロットは作動できません。

今後、さらにプロパイロット搭載車が増え、愉快犯がシールなどで単眼カメラを覆ういたずらも起きないとは限りません。注意したいですね。

路面が滑りやすい場合

正確には車両のVDCが作動すると、プロパイロットは制御を終了します。また、一般に滑りやすい路面とは、雨や雪、氷で覆われています。

このような路面状況ではそもそも車線が認識できず、プロパイロットは作動しようがありません。

雨や雪による光の反射や周囲のライトに眩惑される場合

プロパイロットに採用される画像解析チップは、イスラエルのモービルアイ社製を採用。同社は軍事利用可能な高性能製品を製造できるためか、単眼カメラで収集した遠近感が無いはずの情報から、立体情報を把握できる優れた画像解析チップを日産に提供しています。

しかし、どんなに画像解析チップが優れていようとも、カメラはカメラ。雨や雪の道路で光が反射したり、周囲のライトが多い状態で得られる画像は、一般的に露出オーバーで白っぽくなります。(セレナに搭載される単眼カメラに、自動露出調整機能があるかは不明)

また、周囲が暗い場合も同様で、カメラが走行車線を検出することが難しい状況では、プロパイロットが正しく動作しません。

さらに、ワイパー低速以上で作動していても、プロパイロットは停止します。

急な割り込みや急すぎるカーブやワインディング

プロパイロットに単眼カメラをセンサーとして使用する理由のひとつに、隣レーンからの割り込みがあります。レーダーではなく画像解析で車両を制御するため、ある程度の割り込みには対応可能です。

しかし急な割り込みには、システム制御が間に合わない場合があるとのこと。緊急時には、人間による運転がまだ必要です。

さらに急すぎるカーブやカーブが連続するワインディングでは、プロパイロットは動作範囲外と見なし、制御を終了します。このあたりが高速道路や自動車専用道路専用である理由なのかもしれません。

また東京の首都高速にも急カーブは多く、プロパイロットの制御には厳しそうです。

運転者がハンドルに触っていない場合

プロパイロットはレベル2の自動運転で、運転者の関与を必要とします。

その関与とは、ステアリングに常時触っていることです。ステアリングから手を離すと、プロパイロットは制御を終了します。

手放し運転、居眠り運転は不可能ですので、念のため。
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