シビックツアラーやランエボ ワゴンなど…レースで活躍したステーションワゴンとは?

ボルボ 850 エステート

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ステーションワゴンは、広い荷室にセダンと変わらない快適な乗り心地を提供する車というイメージが強いですが、じつはモータースポーツでも活躍したモデルがありました。ボディの重量や形状、前後の重量配分など、レースで戦うにはあまり有利な条件とはいえないワゴンは、どのような戦績を残したのでしょうか?

Chapter
①ボルボ 850 エステート
②ホンダ シビックツアラー
③ランサーエボリューション ワゴン

①ボルボ 850 エステート

2017年現在から約30年ほど前、まだ日本でもボルボの認知が低かった時代に、240ターボがサーキットで大活躍していました。その四角いボディから「Flying Brick(空飛ぶレンガ)」の異名も与えられた240ターボは、1985年に欧州ツーリングカー選手権(ETC)で総合タイトルと、ドイツツーリングカー選手権の総合優勝を獲得しました。

この240ターボの時代を経て、1994年にはイギリスツーリングカー選手権(BTCC)に850エステートを投入。ル・マンやツーリングカーレースで実績を残していたTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング) とのジョイントチームでしたが、850エステートは予選も決勝も最高位は5位どまりという結果に終わりました。

それを受けて翌95年からは、850サルーンを投入。エステートでのサーキットレース参戦は終了しました。やはり、全長が長く、前後の重量配分に劣るワゴンは、レースでは不利だったようですね。

②ホンダ シビックツアラー

850エステートの撤退から20年の時を経て、2014年にBTCCに帰ってきたワゴンといえば、ホンダのシビック ツアラーです。この年、2台がエントリーしています。

前年までハッチバックベースのマシンで参戦していたホンダ ユアサ レーシングが仕立てたもので、2.0L ターボエンジンは最高出力300psを発生。BMW、MG、ヴォクスホールといったライバルを押しのけて、4度の優勝。チームは年間3位を獲得しました。

前述のボルボに比べて良い成績を収められた理由は、ハッチバックと比べてもボディ重量は変わらず、ベースが同じためホイールベースのサイズも同一。ハッチバックと、それほど変わらないパッケージとなっていたことがひとつの要因でしょう。

レースに参戦したワゴンのなかでは、もっとも活躍したモデルに位置付けられています。しかし、ツアラーでの参戦は1年限りで修了し、翌年からは、ハッチバック(タイプR)に戻っています。

③ランサーエボリューション ワゴン

ランエボ初のワゴンは、2005年にエボIXをベースとして登場しました。6速MT搭載のGTと5速AT搭載のGT-Aをラインナップしており、最高出力はそれぞれ280psと272psを発生するパワフルなものでした。

ランサーシリーズには、ほかにワゴンの設定もありましたが、紹介するランサーエボリューション ワゴンとは、外観こそ似ているものの、骨格からしてまったくの別物でした。このランエボ ワゴンが活躍したレースが、2007年の十勝24時間耐久レースです。

2006年は、OHLINSレーシングチームの1台として参戦し、初戦のクラス5位が最上位。翌年は、ゼルスランサーEVOワゴンMRが参戦し、シリーズ4位の好成績でシーズンを終えました。

ちなみに、2006年のオーリンズランサーEVOワゴンMRは、もともとイベントのプロモーション用に作ったデモカーに由来するもので、ワゴンだけどえらくスポーティでカッコいい!という強烈なインパクトを与えたことから、「実践投入して欲しい」という要望がファンから発生。その声にの応えるかたちで実現したプロジェクトでした。

 かつてサーキットレースで活躍したワゴンベースのレースマシンを紹介しました。どのモデルもワゴンのイメージを覆すスポーティさが印象的です。皆さんの印象に残っているモデルは、ありますか?

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