キューバ旧車ガイド:クラシックカー天国の魅力と楽しみ方

キューバ

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キューバの街角には1950年代のクラシックカーが色鮮やかに走り、まるでタイムスリップしたかのような風景が広がっています。キューバは“旧車天国”とも呼ばれ、1950〜60年代製のアメリカ車が今なお現役で活躍しており、その台数は推計6万台以上ともいわれます。

なぜここまで古い車が残っているのか? そして観光客はどのようにそれらを楽しめるのか?

本記事では、キューバの旧車に関するあらゆるポイントをゆっくり丁寧に解説します。

CARPRIME編集部

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Chapter
キューバ旧車の代表モデルと年代別ラインナップ(ベルエア・フェアレーンなど)
キューバ旧車タクシー完全攻略:料金相場・値引き交渉・おすすめ時間帯
キューバ旧車×絶景スポット:ハバナ旧市街・マレコン・革命広場
世界遺産ハバナ・ビエハで旧車を撮るコツ
マレコン通りで夕日とクラシックカーを狙う
革命広場でゲバラ壁画と旧車ショットを撮影
旧車を守るキューバ式修理術:パーツ不足を乗り越えるアイデア
キューバが旧車王国になった理由:1959年革命と米国禁輸の歴史
キューバ旅行準備チェックリスト:両替・配車アプリ・基本フレーズ
CUP両替とドル活用術:最新通貨事情
キューバ版Uber「La Nave」の使い方
旅が楽しくなる簡単スペイン語フレーズ
旧車文化イベントの楽しみ方:キューバクラブ&サルサ×クラシックカー
キューバ旧車を日本に輸入するには?規制と現実的な代替策
まとめ:キューバ旧車の魅力と旅のヒント

キューバ旧車の代表モデルと年代別ラインナップ(ベルエア・フェアレーンなど)

キューバで目にする旧車の代表格は、1955〜1957年型のシボレー・ベルエアやフォード・フェアレーンといった1950年代中盤のアメ車です。

街ではオープントップのカラフルなクラシックカーがタクシーとして活躍し、観光の象徴となっています。その他にも、キャデラック、ビュイック、クライスラーなど様々な米国製ヴィンテージカーが多数現役です。

なお、現在キューバを走る車のすべてが旧車というわけではありません。実際には比較的新しいヨーロッパ車やアジア車も増えていますが、これだけ大量のクラシックカーが日常的に走っている国は他にありません。

キューバ旧車タクシー完全攻略:料金相場・値引き交渉・おすすめ時間帯

キューバ観光ではぜひクラシックカーのタクシーに乗ってみましょう。主要な広場やホテル前で客待ちしていることが多く、簡単に見つけられます。

料金は乗車前に必ず交渉・確認が必要です。観光客向けの料金は米ドル(USD)やユーロ(EUR)といった外貨で提示・決済されるのが一般的です。料金の目安としては、1時間の市内観光チャーターで30ドル〜50ドル程度となります。

乗車前に「いくら?(¿Cuánto cuesta?)」とスペイン語で料金を確認し、納得できなければ交渉しましょう。

乗車時間帯のコツとしては、日中〜夕方にかけての明るい時間帯が写真撮影にも適しておりおすすめです。特に午前10時〜午後4時頃は旧市街のパルケ・セントラル(中央公園)やマレコン通り沿いに多くのタクシーが集まります。夜間に旧車タクシーを捕まえるのは比較的難しいでしょう。

キューバ旧車×絶景スポット:ハバナ旧市街・マレコン・革命広場

世界遺産ハバナ・ビエハで旧車を撮るコツ

石畳とスペイン植民地時代の建物が立ち並ぶ旧市街は世界遺産にも登録されています。カラフルに塗られた建物とクラシックカーの組み合わせは「これぞキューバ!」という一枚になります。カテドラル広場やパルケ・セントラル周辺では停車中のクラシックカーが多いので、記念撮影にも最適です。

マレコン通りで夕日とクラシックカーを狙う

ハバナの海岸沿いを走る長い堤防道路で、地元民の憩いの場でもあります。夕暮れ時のマレコンは特に美しく、沈む夕日を背にクラシックカーが颯爽と通り過ぎる光景は絶好のシャッターチャンスです。

革命広場でゲバラ壁画と旧車ショットを撮影

ハバナ新市街にある広大な革命広場は、背景にチェ・ゲバラの巨大な壁画があることで有名です。ここはクラシックカーとの記念撮影スポットとして定番で、多くのクラシックタクシーがツアー中に立ち寄ってくれます。

旧車を守るキューバ式修理術:パーツ不足を乗り越えるアイデア

キューバの人々は、半世紀以上前の車を驚くべき工夫で維持しています。アメリカからの部品輸入が途絶えているため、自作するか他のもので代用するしかありません。

壊れた家電の配線を使ったり、別の車のエンジンに載せ替えたりするのは日常茶飯事です。その姿は「走るクルマのフランケンシュタイン」とも評されますが、キューバならではの職人技と創意工夫の賜物です。

キューバが旧車王国になった理由:1959年革命と米国禁輸の歴史

キューバがこれほど旧車天国になった理由は、同国の歴史と政治的背景にあります。1959年のキューバ革命以前、キューバはアメリカ製の車が大量に輸入される自動車社会でした。ところが革命によってアメリカと断交し、以後は米国から一切の車や部品を輸入できなくなります。この時点で島内に残されたアメ車を、人々は大事に乗り継いで使い続ける道を選びました。

一方、ソ連など社会主義圏との繋がりができたことで、1970年代以降は旧ソ連製の「ラーダ」などが大量に持ち込まれました。実はキューバは“アメ車天国”であると同時に“ラーダ天国”でもあります。しかしソ連崩壊後はそのラーダも新規導入が止まり、結果として古いアメリカ車が今も街の主役であり続けています。

さらに経済的側面も大きな要因です。キューバでは長らく新車の購入が厳しく制限され、2014年に一部自由化されたものの、政府が法外な価格を設定したため、庶民には到底手が届きません。中古車ですら高騰しており、「それなら古い車を直しながら乗り続けるしかない」というわけです。

このように政治的孤立と経済的制約が重なった結果、キューバでは「あるものを徹底的に大事に使う」文化が根付きました。その象徴がクラシックカーなのです。

キューバ旅行準備チェックリスト:両替・配車アプリ・基本フレーズ

CUP両替とドル活用術:最新通貨事情

キューバは2021年に複数通貨制度を廃止し、現在は人民ペソ(CUP)のみが公式通貨です。ただし観光業界では依然として米ドルやユーロが好まれる傾向があり、タクシー運賃やレストラン代をドル換算で提示されることもあります。まずは現地通貨CUPと、支払い用に米ドルやユーロの小額紙幣を用意しておくと良いでしょう。

キューバ版Uber「La Nave」の使い方

キューバにはUberやLyftといった海外の配車アプリは存在しません。しかし近年、「La Nave(ラ・ナベ)」というキューバ版Uberとも言える配車サービスが登場し、広く利用されています。La Naveは地元ドライバーと乗客をマッチングするアプリで、事前に料金の目安が表示され交渉不要、非常に便利です。

利用にはSMS認証が必要ですが、短期旅行者でも空港などで旅行者向けの「ツーリストSIMカード(Cubacel Tur)」を購入すれば、現地の電話番号とデータ通信が利用可能になり、問題なくアプリを登録・使用できます。従来の流しのタクシーと比べて料金が明朗なため、SIMカードを購入する旅行者にはおすすめの移動手段です。

旅が楽しくなる簡単スペイン語フレーズ

日本語スペイン語読み方
〇〇までお願いします。Por favor, lléveme a _____. ポルファボール、ジェベメ ア ~
いくらですか?¿Cuánto cuesta?クアント クエスタ
もう少し安くなりますか?¿Puede ser más barato?プエデ セール マス バラート
ありがとうGracias.グラシアス
美しい旧車の写真や動画を撮りたいのは旅行者として当然ですが、キューバではドローン(無人航空機)の持ち込み・使用が厳しく禁止されている点に注意が必要です。空港で発見されると出国時まで一時没収されますので、ドローンは持参しないのが賢明です。

一方、普通のカメラでの撮影は概ね自由に楽しめます。ただし軍事関連施設や警察官、空港の敷地内などの撮影は厳禁です。街中で人を撮る場合は一言許可をもらうのがマナーです。

撮った写真をその場でSNSに投稿する場合、キューバのネット環境にも注意が必要です。以前は公共Wi-Fiスポットでプリペイドカードを購入するのが主流でしたが、現在は前述の旅行者向けSIMカードを使えば、場所を選ばずモバイルデータ通信が利用可能です。通信速度は日本ほど速くない場合もありますが、SNSへの投稿や地図アプリの利用には十分です。

旧車文化イベントの楽しみ方:キューバクラブ&サルサ×クラシックカー

観光で旧車に乗るだけでなく、現地のクラシックカー愛好家たちと交流できる機会があれば、キューバの旧車文化をより深く体感できます。ハバナには有名なクラシックカー・クラブ「A lo Cubano(ア・ロ・クバーノ)」があり、月例ミーティングやラリーイベントを開催しています。

例えば、ハバナの新市街にある歴史的な「ホテル・ナシオナル・デ・クーバ」の庭園(駐車場)では、週末などにクラブのオーナー達がずらりと愛車を並べて集会を行っている光景がよく見られます。観光客でも見学は自由で、オーナーに話しかければ車の由来や整備の苦労話を聞かせてくれることもあります。

また、クラシックカーとサルサ音楽がコラボするユニークなイベントも時折開催されています。「Buena Vista Social Club(ブエナビスタ・ソシアルクラブ)」関連のライブ会場前にクラシックカーが集結することもあります。一部の旅行会社では旧車クラブのガレージ訪問ツアーなども企画されており、修復中のレア車両を見学することも可能です。

キューバ旧車を日本に輸入するには?規制と現実的な代替策

クラシックカー好きなら「キューバの旧車を日本に持ち帰れないだろうか?」と考えるかもしれません。しかし残念ながら、現時点ではキューバ国内のクラシックカーを国外に輸出するのは極めて難しいのが実情です。キューバ政府は貴重なクラシックカーを国の文化的遺産とみなし、原則として国外持ち出しを認めていません。

また仮に購入できたとしても、多くはエンジンが載せ替えられているなど改造度が高く、日本の厳しい排ガス規制や保安基準を満たして車検に合格させることは非常に困難です。

総合的に見て、キューバから旧車を買って帰る現実的な方法は今のところありません。どうしてもクラシックなアメ車を日本で乗りたい場合は、「キューバから持ち出す」のではなく「アメリカなど他国から状態の良い同型車を探す」方が現実的でしょう。

まとめ:キューバ旧車の魅力と旅のヒント

キューバの旧車文化は、単なるノスタルジーではなく同国の歴史と人々の生活力が生み出したオンリーワンの魅力です。クラシックカーに揺られて巡るハバナの街並みは、まるで映画のワンシーンに飛び込んだような感動を与えてくれます。排気ガスの匂いやエンジン音さえも旅の味わいになるはずです。

ぜひ現地で五感すべてを使ってキューバの“旧車天国”を満喫してください。¡Buen viaje!(良い旅を!)
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