次世代エネルギー車「ホンダ クラリティ」と水素ステーションの現状を解説

ホンダ クラリティ フューエルセル

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ホンダ クラリティを知っていますか?

燃料電池車ですが、リース販売だけなので、モーターショーやイベント以外で見たことのある方は、ごく少数でしょう。

なぜ燃料電池車はなかなか普及しないのでしょうか?

ホンダ クラリティを紹介しながら、日本の水素ステーションの現状とともにお伝えします。

※ 2017年6月時点
Chapter
ホンダ クラリティとは?
クラリティ フューエルセル 画像ギャラリー
クラリティ フューエルセルの走行性能
ホンダ クラリティフューエルセルの燃料費
ホンダ クラリティ プラグインハイブリッドの概要
ホンダ クラリティ エレクトリックの概要
ホンダFCV開発の歴史
日本の水素ステーションの現状

ホンダ クラリティとは?

ホンダ クラリティは、ホンダ技研の次世代エネルギー自動車の名称です。2017年現在、国内でリース販売されているクラリティ フューエルセルは、2016年3月に発売されました。

クラリティ フューエルセルは、その名の通り燃料電池車ですが、2017年ニューヨークオートショーでは、PHVのクラリティ プラグインハイブリッドと、EVのクラリティ エレクトリックが世界初披露され、2017年度中に米国で市販される予定になっています。

同じ車台に3種の次世代エネルギーパワートレーンを搭載する、世界でも類を見ない車両です。

クラリティ フューエルセル 画像ギャラリー

クラリティ フューエルセルの走行性能

クラリティ フューエルセルの動力源は、最高出力130kW(177ps)/4,501-9,028rpm、最大トルク300Nm(30.6kgm)/0-3,500rpmを発生するMCF4型電気モーターです。

内燃機関と比較すると、モーター始動時から最大トルクを発揮でき、しかもゼロエミッションという点が目を惹きます。

MCF4型電気モーターに電気を供給するのは、最高出力103kW(140ps)の固体高分子形燃料電池スタック。前身のFCXクラリティ時代のものと比較して、小型薄型になり、ボンネット内のモーター側面に搭載可能になりました。

ちなみにトヨタ MIRAIの燃料電池スタックは、座席床下に設置されます。

航続距離750km、最高速度160kmなので、日常走行では申し分のない性能です。

ホンダ クラリティフューエルセルの燃料費

気になる圧縮水素の価格は、調都内某水素ステーションでは1,080円/kg。kgあたりで、ほぼ100kmを走行可能となっています。

燃費40km/Lのハイブリッド車なら2.5Lのガソリンで100kmの走行が可能ですから、コストは300~400円。

クラリティ フューエルセルのランニングコストは、やや割高と言わざるを得ませんが、こちらにはZEVという魅力があります。

ちなみに1回で概ね4.5~5kgの圧縮水素が充填できます。価格的には4,800~5,400円ですから、レギュラーガソリン40~45L相応の価格です。

ホンダ クラリティ プラグインハイブリッドの概要

2017年に公開されたプラグインハイブリッドモデルは、17kWhのバッテリーを搭載し、EV走行距離は40マイル(約64km)以上とアナウンスされています。

バッテリー満充電に必要時間は2時間30分(240V電源使用時)。ハイブリッドシステムと組み合わされるアトキンソンサイクルエンジンは、1.5L。

日本で発売されたら、自動車税が満額課税されたとしても34,500円です。コストを抑えて所有できそうですね。

ホンダ クラリティ エレクトリックの概要

エレクトリックスは、純粋なEVです。主に通勤用としての需要を見込んでおり、搭載されるバッテリーは25.5kWh、航続距離は80マイル(約128km)以上。

満充電にかかる時間は3時間強(240V電源使用時)、急速充電器使用時は30分で80%の充電を行います。

クラリティ エレクトリックは2017年中に、カリフォルニア州およびオレゴン州で、リース販売が開始される予定です。

ホンダFCV開発の歴史

ホンダ クラリティ フューエルセルは、FCV黎明期の車種でありながら、実用性に足る高い能力を有しています。その秘密は、ホンダのこれまでの研究開発にあります。

ホンダのFCV開発には長い歴史があります。その始まりは1980年代後半。燃料電池の可能性に着目し、開発をスタートさせたのでした。

開発過程は1999年、2002年、2004年に3台のFCXコンセプトを生み出し、2008年には米国でFCX CRARITYのリース販売を開始。2016年より日本でもFCXクラリティの後継車、クラリティ フューエルセルが市販されました。

日本の水素ステーションの現状

2017年6月現在、日本ではホンダ クラリティ フューエルセル以外には、トヨタ MIRAIしか燃料電池車が用意されていません。発表のあったメルセデス・ベンツ GLC F-CELLの発売はまだですし、BMWの燃料電池車はトヨタと共同開発で2021年発売とのことです。

燃料電池車が普及しづらい原因のひとつとして、水素ステーションの整備が十分でないことが挙げられます。2017年6月現在、日本国内で稼働中の水素ステーションは90カ所。計画中は8カ所です。各地方の水素ステーション設置状況は、次の通りです。

北海道:0(計画中1)
東北:1(計画中2)
関東:36(計画中2)
中部:23(計画中3)
近畿:12
中国:4
四国:3
九州:11
沖縄:0
合計:90(計画中8)

2017年5月19日には、国内自動車メーカー、エネルギー会社、商社が中心になって水素ステーションの本格整備推進を目的とした新会社設立に向け検討を始めましたが、水素ステーションの整備が本格的に推進されるのは、計画では2020年代後半からとのこと。

今はまだうまれたばかりの新しい動力源を、気長に育てていく姿勢が大切のようですね。
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