ポルシェが採用するオルガンペダルのメリット・デメリット

車好きな方はご存じかと思いますが、ペダルの方式にも種類があります。多くのクルマで採用されているのが"吊り下げ式ペダル"ですが、RRやミドシップのポルシェ、BMW、メルセデス・ベンツのように”オルガン式ペダル”を採用しているメーカーがあります。このオルガン式ペダルについて、メリット・デメリットに触れてみましょう。

Chapter
オルガンペダルとは?
オルガンペダルのデメリットは?
なぜ、ポルシェにはオルガンペダルが採用されていたのか?

オルガンペダルとは?

オルガンペダル

普段、車に乗る際に、アクセルペダルがどんな方式なのかチェックしている方は少ないでしょう。

2017年3月現在、大半の車は"吊り下げ式"を採用していますが、RRやミドシップのポルシェやBMW、メルセデス・ベンツ、マツダなどは、"オルガン式ペダル"を積極的に採用しています(一部使っていない車種もあります)。

オルガン式ペダルとは、昔の足踏み式オルガンのように、ペダルの根本が軸となって、つま先を奥に踏むこむ方式です。

マツダでは、『オルガン式アクセルペダルでは、かかとをフロアにつけてペダルを踏み込んだとき、踏み込む足とペダルが同じ軌跡を描くため、かかとがずれにくく、アクセルペダルがコントロールしやすくなります。またシートに座って自然に足を前に出した位置にアクセルペダルを配置することで、運転時の疲労を軽減し、とっさのときの踏み間違いも起きにくくなります。』という解説しています。

ちなみに吊り下げ式は、ダッシュボードの内側に軸があり、そこを支点にペダルを踏み込む方式で、作動にはオルガン式とは逆の弧を描きます。かかと部分はホールドされず、奥に踏み込むとペダルはドライバーの身体から遠ざかって行く構造になっています。

一方、かかとを支点にアクセルを奥まで踏み込めるオルガン式は、踏み込んだ際にペダルと足の軌跡が同じため、コントロールしやすくなっています。また、しっかりと踵からホールドしているので、踏み間違いも少なく、疲労感も少なくなります。

つまりオルガン式は、操作性に勝り、人間工学的にも好ましいといえる構造なのです。

オルガンペダルのデメリットは?

オルガンペダル

こうしたメリットを知ると、すべてのクルマが採用すべきではないか、とも思います。しかしそうなっていないのには、理由があるのです。

まずオルガン式は、吊り下げ式に比べ構造が複雑化するということです。

エンジンのスロットルは、上の方に配置されるのが普通です。特にフロントエンジンであれば、吊り下げ式ペダルの方がアクセルワイヤーの取り回しが簡単に済みました。それをオルガン式にするとなると、フロア下までワイヤーを取りまわすことになり、設計が複雑になってしまいます。

またオルガン式では、フロアマットの形状も考慮しなければならず、汎用品の使用が難しいということもデメリットとして挙げられるかもしれませんね。

なぜ、ポルシェにはオルガンペダルが採用されていたのか?

ポルシェ 911 ターボ S

ポルシェ911は、リアエンジン、リアドライブのいわゆるRR駆動モデルです。つまり、スロットルワイヤー等はどのみちフロア下を経由させなければならないため、最初からオルガンペダルにした方が都合が良かった、ということが挙げられます。

これは、ミドシップのフェラーリやランボルギーニも同様です。ちなみにリアエンジン、リアドライブのアルピーヌ ルノーV6ターボは、すべてのペダルがオルガンペダルとなっています。

いずれにしても、エンジンレイアウトの関係もあって、ポルシェがオルガン式を採用したのは想像に難くないところです。

ひるがえって、2017年3月現在のモデルはスロットルワイヤーのないバイワイヤー式が主流となっていますので、エンジンの搭載位置にかかわらず、吊り下げ式でもオルガン式でも簡単に作れます。

しかし、ポルシェが現在でもオルガン式ペダルを採用しているのは、何よりそのコントロール性の良さという点にあるのではないでしょうか。

このような点を鑑みると、今後、オルガン式ペダルを採用するモデルが増えていくかもしれませんね。