最近増えている車体の小さなフィン。これらを取り付ける意味とは?

トヨタ車を中心に、車体に取り付けられた小さなフィンが目につきますね。これは、どんな理由で装着されているのでしょうか?ドレスアップ?それとも…?

Chapter
エアロスタビライジングフィンとは
ハイエースの場合は?
開発のヒントは「カジキ」だった!?
小さなフィンが空力を制御する
空気の流れを整える「整流」は燃費にも効果あり

エアロスタビライジングフィンとは

この小さなフィンの正式名称は「エアロスタビライジングフィン」。直訳すれば空力安定翼という意味になります。

アクアや86など、最近のトヨタ車の多くについている小魚のような形の突起。事情を知らなければ、ドレスアップ用パーツのひとつに見えるかもしれません。ところが、この小魚には燃費の向上や操縦安定性など、さまざまな目的があるのです。

付いている場所は車によって違っていまして、ドアミラーの付け根や、リヤコンビランプ側面、フロアアンダーカバーなど。最初から付いていることがほとんどですが、後付も可能でCピラーに追加するディーラーオプションも用意されています。その価格は、マークXなら1組16200円(税込)となります。

ハイエースの場合は?

現行のハイエースにも、この「エアロスタビライジングフィン」が採用されています。装備するグレードはスーパーGL。ウインカー&バックランプのクリア部分が一体化して、見た目にも高級感が増しているテールランプをよく見ると見つけることができるでしょう。

4つの突起は、大きさが微妙に違っています。これは何度もテストを繰り返して、最適な大きさとバランスを決めたとのこと。テールランプの他、ドアミラーやアンダーカバーにも採用されています。

開発のヒントは「カジキ」だった!?

操縦安定性だけなら、エアロパーツを装着することで解決しますが、それでは燃費が悪くなります。

トヨタのエンジニアは、現行86開発の際、燃費に影響を与えずに操安性を高めることが可能な空力アイテムがないか?と、さまざまな方法を模索していたそうです。その際、ヒントにしたのが、水圧抵抗の大きい海中で130km/hで泳ぐことができると言われるカジキでした。

ボディに小さな突起を付けることで、操縦安定性を高めつつ、かつきれいに空気を流すため、カジキのプロポーションである胴幅÷体長の比率=0.14を模した フィンを設計。「エアロスタビライジングフィン」というパーツが生まれました。

当の86には、フロアアンダーカバーやリヤコンビランプの側面に採用されています。操安性と燃費に好影響をおよぼし、デザインには影響の少ないフィンは、画期的なアイテムといえるでしょう。

小さなフィンが空力を制御する

実際に、「エアロスタビライジングフィン」をボディ側面前後の適切な位置に複数装着することで、顕著に操安性が向上することが研究の結果判明したそうです。

そして、この操安性の向上はテストドライバーだけではなく、ごく一般のスポーツドライビングを好むユーザーなら十分に実感できるレベルだそうです。

見た目は小魚程度のパーツですがその効果は大きく、高速走行時はもちろん、50~60km/h程度でのコーナリング時にも変化が体感できるほか、風切り音の低減にも効果が発揮されます。

空気の流れを整える「整流」は燃費にも効果あり

空気の流れを整える「エアロスタビライジングフィン」は、車両のブレを抑えて操安性を促進するだけではなく、燃費向上ににも効果を発揮します。トヨタはアクアを皮切りに、「エアロスタビライジングフィン」をさまざまな車種に装着。レクサスGSやLSなどにも採用されています。

またトヨタ車以外でも、日産ノートや、軽ではダイハツ ウェイクにも採用は拡大しており、この先も増えていくのは間違いないでしょう。

「こんなものが効くのか!」と不思議に思うような細かいエアロパーツが、今後も登場するのではないでしょうか。