2016年に生産を終了したホンダ CR-Z(DAA-ZF2)!2020年6月現在の中古価格は?

ホンダ CR-Z

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今回は、ホンダ CR-Z(DAA-ZF2)がどんなクルマだったのか、そして現在の中古価格はどれくらいなのかを紹介していきます。

さらにCR-Zが生産終了を発表したと同時期に発売された特別仕様車α・Final label(アルファ・ファイナルレーベル)と、CR-Zをスポーツカーとしてさらに特化させたCR-Z MUGEN RZについても併せて振り返っていきます。
Chapter
ホンダ CR-Zはどんなモデルなのか?
ホンダ CR-Zは CR-Xの再来!?
ホンダ CR-Zのメカニズム
ホンダ CR-Zは国内初のハイブリッドスポーツカー
ホンダ CR-Zの気になる走行スペック
無限が手がけたコンプリートカー ホンダ CR-Z MUGEN RZ
ホンダ CR-ZとCR-Z MUGEN RZの違いはどこにある?
最後の特別仕様車 α・Final label(アルファ・ファイナルレーベル)
どうなる次期CR-Z?揺れ動くコンセプト
次期CR-Zがあるならパワーユニットはどうなる?
ホンダ CR-Zの中古価格は?

ホンダ CR-Zはどんなモデルなのか?

ホンダ CR-Zは2010年2月に販売が開始され、2012年9月に初のマイナーチェンジ、2015年8月に2度目のマイナーチェンジを果たしましたが、2017年1月に生産を終了しました。

ホンダ CR-Zのエクステリアデザインは、思わず触れたくなるような官能的で流麗なフォルムと、低・短・ワイドという独特のプロポーションが特徴です。

低・短・ワイドは数値にも表れており1,395mmという低い全高、4,105mmと短い全長、1,740mmという全長と全高に対してワイドな全幅となっています。全長は短いですが室内は広々としており、荷室は後部座席を立てたままでもトランクケースが2つ収納できるほどの広さがあります。

新車価格は、タイプやボディーカラーなどにより異なり、270万円から292万円に設定されていました。

ホンダ CR-Zは CR-Xの再来!?

かつてホンダには第2世代ホンダ・ツインカム第1号であるZCを搭載したバラードスポーツ CR-X(通称バラスポ)、さらに2代目 インテグラや4代目 シビックから採用されたB16A型VTECエンジンを搭載した2代目 CR-X(通称サイバー)というスポーツハッチバッククーペがありました。

3代目のCR-X デルソルがピュアスポーツ性を失い不人気車となった事でCR-Xの歴史は一旦閉じますが、初代・2代目は目を見張るほどのピュアスポーツぶりで、現在まで人気を維持しています。

1999年デビューの初代インサイトがCR-Xと似たようなフォルムの2シーター燃費スペシャルだったので「CR-Xの再来のようだ」と言われることもありましたが、本命のハイブリッドスポーツは2010年、CR-Zという名で生まれました。

ホンダ CR-Zのメカニズム

そのスタイリングや、狭い後部座席などといったパッケージングにかつてのCR-Xの面影を残しつつ、低燃費とスポーツ性能を両立させるためホンダは大きなコストをかけました。

シートの着座位置は重心低下に貢献するため可能な限り低くされ、フロントウィンドウは左右に大きく回り込むようなデザインとなっています。これによりコーナリング時に太いAピラーで視界が遮られる事が少なく、CR-X同様のコーナリングマシンである事をその機能的なエクステリア(外観)から感じさせます。

エンジンもシビックハイブリッドや2代目インサイト用のLDA型1.3リッターi-VTECではなく、より高出力のLEA型1.5Li-VTECを採用しました。モーターは最大トルク103Nm(10.5kgm)を発揮するシビックハイブリッド用のMF5ではなく、最大トルク78Nm(8.0kgm)にとどまる、2代目インサイトと同様のMF6を採用しています。
ハイブリッドスポーツながら高出力モーターでの重量増を嫌い、排気量アップしたエンジンの性能を生かし、最低限のモーターアシストを行うコーナリングマシンに仕立てたということでしょう。

エンジンとモーターの動力分割装置を無段変速機として使うため、MTの設定が無いトヨタのTHS搭載車と違い、構造がより単純で通常のミッションが使用可能でした。そのためCVTだけでなく6速MTが設定されていて、CR-Zは単なる燃費スペシャルではなく、スポーツカーとしても十分に魅力ある存在と言えました。

ホンダ CR-Zは国内初のハイブリッドスポーツカー

ホンダ CR-Zは、2010年2月当時、少なくとも国産車では初めてスポーツカーとしてデビューしたハイブリッド車でした。

ホンダ独自の1モーター式ハイブリッドシステム「IMA」を搭載したモーターアシスト車であるCR-Zは、モーターアシスト時に力強い走りを見せました。特に2012 年のマイナーチェンジ後のモデルでは「PLUS SPORTボタン」を押せば、短時間ながら3リッターV6エンジン並の加速感を味わえると言われています。

現在ホンダのハイブリッドはほとんどが2モーター式ハイブリッド+7速DCTを組み合わせた「SPORT HYBRID i-DCD」などの本格ハイブリッドシステムです。
当時、ホンダでIMAを搭載していたのはCR-Zとコンパクトミニバンのフリード、フリードスパイク。そのフリードとフリードスパイクも2016年秋にモデルチェンジで統合され、i-DCDに移行しました。 

その後CR-Zが生産終了になったことでIMAを搭載したクルマは2016年で姿を消し、初代インサイト以来の歴史に幕を閉じる事になりました。

ホンダ CR-Zの気になる走行スペック

ハイブリッドスポーツとしてのCR-Zの性格は、改造範囲の限られたナンバー付き車両で競い合うジムカーナ競技での実績がよく表しています。

走行時間が短ければ1分程度、長くとも2分弱のジムカーナ競技。超短距離のほとんどで激しい横Gを伴うコーナリングと全開加速、ブレーキングを繰り返すその競技特性から、CR-Zはスタート前には可能な限り空ぶかしをしてバッテリーを充電する必要がありました。

それでもスタートから30秒ほどで電池切れにより失速、あとはパワー不足のエンジンで重い車体を引きずるように走らなければいけないという欠点をモロに露呈してしまったのです。

これは燃費優先でハイパワーエンジンを採用できなかった事や、1モーター式で駆動と充電を同時に行えない旧式のハイブリッドシステム、ホンダIMAの限界という意味でもありました。
これを受けて2012年9月のマイナーチェンジでは、バッテリーを大容量で電圧も高いリチウムイオンバッテリーに交換した事で実質的にモーター出力を増強させ、ボタン一つでスロットル開度とモーターアシストを最大にする「PLUS SPORTシステム」も採用されました。

CR-Zの初期型はパワー不足感が厳しく、後にパフォーマンスアップが図られたということになります。

しかし時既に遅しと言うべきで販売台数増加につながらず、その頃には月販目標台数が450台、やがて70台や100台と下方修正されてすらも、マイナーチェンジ直後を除けば達成できない月がほとんどだったのです。

結果的に、CR-Zの月間販売台数はデビューから7ヶ月という新車効果の間のみ1,500~3,700台で推移し、残りの期間は数百台、数十台といったレベルでした。2016年4月までの販売台数は、6年3ヶ月でわずか39,570台に留まっています

無限が手がけたコンプリートカー ホンダ CR-Z MUGEN RZ

ちなみに派生モデルとして、2012年11月によりスポーティなチューニングが施されたCR-Z MUGEN RZというモデルが発売されていました。

このモデルはホンダの市場販売用の各種パーツやレーシングパーツの製造、販売を手がけている無限が関わっています。2012年当時、無限はCR-ZをベースにしたMUGEN CR-Z GTでスーパーGTへ参戦していました。CR-Z MUGEN RZはそのスーパーGTで培ったノウハウを注ぎ込んだ渾身の1台です。

当時300台限定で販売されましたが、現在、中古市場で在庫が確認できるものは5台ほどで、かなり貴重なモデルとなっています。

ホンダ CR-ZとCR-Z MUGEN RZの違いはどこにある?

CR-Z MUGEN RZに搭載されているパワートレインは、CR-Zと同じエンジンとリチウムイオンバッテリーを採用。これに遠心式スーパーチャージャーを装着しレース用に開発されたコアを採用した高効率インタークーラーの採用により、エンジンの最高出力は156PS、最大トルクは185Nmにまでパワーアップさせました。

用意されているボディーカラーはブルーのみとなっており、インテリア(内装)はブルーとブラックでまとめられています。シートはブルーのラックススウェードを貼り込んだ専用のものとなっており、上質な肌触りで滑りにくくなっているため、コーナリング時に高いホールド性を発揮してくれます。

これらの他にも、サスペンションやブレーキが強化されていること、空力性能を上げるための専用エアロパーツを搭載していることなど、走りを楽しむための装備が詰まった1台でした。

最後の特別仕様車 α・Final label(アルファ・ファイナルレーベル)

そんな歴史や派生モデルを持つCR-Zも、いよいよ2016年末で生産終了するという時期を迎え、その発表と同時期に、CR-Zの最後の特別仕様車となった、α・Final label(アルファ・ファイナルレーベル)が発売されました。

「CR-Z Final label」のロゴが入ったアルミコンソールプレートのほか、同じロゴの刺繍が入った専用ブラックコンビシートと、ドアアームレストにはレザー調素材の「プライムスムース」を採用、専用マット塗装の17インチ軽量アルミホイール、ピアノブラック調ステアリングガーニッシュ、ナビ装着用スペシャルパッケージ、プラミアムペダル、トノカバー、などの特別装備が施されています。
さらに特別色として2014年5月に発売された特別仕様車「α・Dressed label III」に設定されていたモノトーンの「ブリリアントスポーティブル・メタリック」が復活採用されたほか、ルーフやテールゲート、ドアミラーや各ピラーをブラックにした「2 Tone Color Style」も設定されています。

その歴史の中で輝いた時間は短かったものの、地道なマイナーチェンジで動力性能の向上や足回りのチューニングによるコーナリング性能向上といったパフォーマンスアップが着実に図られたハイブリッドスポーツの最後を飾る華やかな特別仕様車の車両本体価格は、発売当時280万円(税別)でした。

どうなる次期CR-Z?揺れ動くコンセプト

CR-Zが生産を終了して以降、次期型と予想されたレンダリングスケッチが出回り、CR-Zに次期型、あるいはコンセプトを受け継いだ後継モデルの発表が望まれていていました。

名車CR-Xのコンセプトを受け継ぐコンパクトなホットモデルという意味でのCR-Zなのか?あるいは、環境と走りを両立させたコンパクトなハイブリッドスポーツという意味でのCR-Zなのか?

オールドファンにとっては前者のようなクルマを希望するところでしょうが、後者のせっかく築き上げたコンセプトを捨てるのも惜しいところです。

しかし、2020年現在も表立った発表はないため、前者であっても後者であっても、今は楽しみに待ち続けることしかできないのが現状です。

次期CR-Zがあるならパワーユニットはどうなる?

2016年当時は、シビックとプラットフォームを共用し、FK2型シビックタイプRと同じi-VTECターボ搭載という噂が有力でしたが、プラットフォームは当時の北米版新型シビックの新グローバルスモールプラットフォームが使われるという説もありました。

このプラットフォームは既にヴェゼルなどにも使われており、次期CR-Zに使われてもおかしくありませんが、当時FD2型シビックタイプRの後継として、新型シビックの日本導入時には4ドアセダンにタイプRの販売が控えていました。

この次期シビックセダンタイプRがある限り、CR-Zに同じエンジンを積む必要性は感じられないという声もありました。何よりFK2型シビックタイプRは、当時の日本での新車価格が428万円、中古市場ではプレミアがついて500万円近くするものが販売されている状態でした。
310馬力の2リッターi-VTECターボはそれなりに魅力ですが、CR-Zはそのような高価なクルマであるべきかと考える人もいて、i-DCDを使ったハイブリッドスポーツモデルではないかという声もありました。

高性能でも高価すぎて限られた人しか買えないスポーツカーはNSXやシビックタイプRで間に合っているので、新世代CR-Zは幅広い層に手が届くようなハイブリッドスポーツモデルとしてデビューすることを望む層も一定数あったようです。

ホンダ CR-Zの中古価格は?

そんな様々な予想がされたホンダ CR-Zですが、現在も次世代モデルの発表はないものの、今なお人気のある車種なので、大手中古車情報サイトによると、中古車の取り扱い件数も多く、中古相場は26.8万円~305.2万円と幅広くなっています。(2020年6月7日時点)

中古車最安値26.8万円近辺のCR-Zは、2010年の初代モデルで、走行距離も10万km前後のものが多いようです。一方で中古価格が高いものは、CR-Z MUGEN RZである場合がほとんどですので、CR-Z MUGEN RZでなければマイナーチェンジ後のモデルで200万円前後となっています。

生産が終了してから価格は下がってきていますが、マイナーチェンジ後のモデルの場合は流通している台数が少ないです。年式や走行距離だけでなく、カラーや装着しているオプションなどで価格が変わることがありますので、中古のCR-Zの購入を考えている方は、複数の中古車販売サイトを確認することをオススメします。

走りと環境性能、さらにはデザインまでこだわって創られたホンダ CR-Zに乗れば、毎日のカーライフが変わるかも知れません。普段乗りにもドライブにも、シーンごとに異なる魅力を発揮するCR-Zを、是非検討してみてはいかがでしょうか。
ホンダ CR-Zの歴史やそのスペック、様々な派生モデルや、当時されていた次世代CR-Zに関する予想を紹介してきました。

国産車初のハイブリッドスポーツモデルとして産声を上げ、短い期間ではあったものの、今までになかったコンセプトと、国産車ならではの低価格を持ち合わせた人気モデルでした。

今回紹介した特別仕様車等の派生モデルの入手は現実的ではありませんが、スタンダードなCR-Zであれば、未だ中古車市場でもよくみかけるため、比較的入手はしやすいでしょう。次世代モデルの発表も現在のないため、このまま現在市場にあるCR-ZがCR-Zとして最後になるのであれば、購入してみてハイブリッドスポーツモデルを味わうのもいいかもしれません。
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