【試乗記】新型ダイハツムーヴの走りは?スライドドアになったコスパの優等生!?

ダイハツムーブ

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庶民の味方新型ダイハツムーヴがついにスライドドアになり、カスタムが廃止に。進化したムーヴの走りは?

宇田川 敦史|うだがわ あつし

旧ヤフージャパン社の元自動車サービスマネージャー、カービュー社のプロデューサー、carview!編集長、日本カー・オブ・ザ・イヤー執行役員。
現ファブリカコミュニケーションズ社のメディア車選びドットコムとカープライムの統括編集長。
消費者目線でのクルマ選びとクルマ好きならではの目線をバランス良く発信し、一人でも多くの方が車が好きになっていただける世界に貢献したいと考えています。

宇田川 敦史
Chapter
新型ムーヴはスライドドアを採用
ムーヴキャンバスよりアップデートされた点とは?
約150万のX(NA)か約190万円のRS(ターボ)か、グレード選びが悩ましい

新型ムーヴはスライドドアを採用

2025年6月5日より、ダイハツは軽自動車「ムーヴ」の新型車両を発売しました。試乗会に参加してきましたので、レポートします。

ダイハツムーヴは今回で7代目、30年の歴史があります。買いやすい価格帯や基本性能の高さで、長年日本で広く愛されてきた軽自動車ムーヴ。その新型が発売されました。

今回の大きなトピックは以下です。

1、スライドドアの採用
ダイハツ開発者の話によると、スライドドアは通常の開閉ドアと比べると、約40kgほど重くなる傾向があると言いますが、狭い駐車場での人や荷物の乗り降りや載せ下ろしのし易さなど、後部座席使用時にその魅力を大いに発揮します。近年では、室内が広く乗り降りのし易いスーパーハイト系で経済的な軽自動車が販売台数を伸ばしており、マーケットにもスライドドアが求められていることが分かります。

2、DNGA※による高い基本性能
先代のムーヴとの対比では、DNGAの採用による走りや基本性能のレベルが向上しています。NAモデルもターボモデルもエンジン特性の見直しが行われ、特にRSグレードはターボエンジンとステップシフトを採用したDーCVTを組み合わせ、小気味よいスポーティな走りが特徴です。サスペンションもRSグレードは15インチタイヤに新設計のショックアブソーバーを採用、街中の路面の細かい凹凸から高速コーナー時の減衰力までを最適化し、操縦安定性が確保されています。

※ダイハツの新世代車両開発・生産手法「Daihatsu New Global Architecture」の略称

3、低価格
ノンターボのXグレードが149万500円、ターボのRSグレードが189万7500円と、スライドドア採用車の中では比較的買い易い価格帯で展開されているのではないでしょうか。

4、カスタムの廃止
昔はムーヴといえばカスタムが代名詞でしたが、ムーヴのユーザーが若年層や子育て世代から子離れ世代に代わってきており、カスタムグレードの販売比率が以前より大幅に減っているため、今回で廃止することになったようです。

ムーヴキャンバスよりアップデートされた点とは?

ダイハツでハイトワゴン※のスライドドア車種は、DNGAを既に採用しているムーヴキャンバスがありますが、ムーヴでは以下点がさらにアップデートされています。

1、シャープなデザイン
フロントガラスを寝かせることにより、ボクシーなデザインからシャープなデザインが体現されています。軽自動車のスライドドア採用車種の中でもシャープなデザインを目指して設計されています。

2、操縦安全性能
サスペンション取り付け部分のゴム部品であるブッシュ含めサスペンションのバネ定数からショックアブソーバーの減衰までチューニングを変更し、操縦安定性が高められています。街乗りの速度域では大きく体感はできませんでしたが、低速域でも路面の細かいギャップを上手くいなし、車高はありますがステアリングのキレもあり、スーパーハイト系より車体を軽く感じることができました。

3、静粛性
リアのホイールアーチ周辺とリアゲート部分の吸音材を約2倍に増やした事により、リアサスペンションやリアフロア下部からのドラミング音やロードノイズが軽減され、静粛性が高まっています。

※軽ワゴンのカテゴリーは、大きく分けて「スーパーハイトワゴン」と「ハイトワゴン」に分類されます。スーパーハイトワゴンは、全高が1700mm以上で、後席にスライドドアを備えた、室内空間の広さが特徴の軽自動車です。一方、ハイトワゴンは、スーパーハイトワゴンほど全高は高くないものの、広い室内空間を持つ軽自動車を指します。

約150万のX(NA)か約190万円のRS(ターボ)か、グレード選びが悩ましい

新型ムーヴに限らずですが、軽自動車で悩ましいのはグレード選択です。排気量660cc未満の制限があり、ハイトやスーパーハイト系の車種は車重も約1000kgに近く重くなってくるため、特に中高速域でグレードによるターボの有無で大きく走りが変わります。

ムーヴはターボなしのXグレードは860kg、ターボ付きのRSは890kgと、スーパーハイト系より軽量なため、ターボなしのXグレードでも非力なエンジンを回転数を上げて唸りながら一生懸命走るイメージはあまりありませんでしたが、やはりターボ付きのRSの方が、絶対的にエンジンパワーに余裕があるため、アクセル開度も小さく、45分の都内路地走行での燃費はどちらも約12km/lと、ほとんど差がありませんでした。

生活の場に高速道路や郊外の幹線道路など速度が必要な地に住まわれている方はターボのRS約190万円を選ばれる方が幸福感を得られる場合もあるかもしれませんが、
都市部から郊外まで、毎日の人々の生活に寄り添い活躍するムーヴのキャラクターを考えると、ノンターボのX約150万円の方がコスパの優等生ではないかと感じました。

<スペック>
FF2WD:X(NA)
全長3395mm
全幅1475mm
全高1655mm
車重860kg
ホイールベース2460mm
エンジン直列3気筒12バルブDOHC
排気量658cc
最高出力52PS/6900rpm
最大トルク60N・m/3600rpm
サスペンション Fストラット Rトーションビーム
燃費(WLTC)22.6km/l
価格149万500円

FF2WD:RS(ターボ付き)
全長3395mm
全幅1475mm
全高1655mm
車重890kg
ホイールベース2460mm
エンジン直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ
排気量658cc
最高出力64PS/6400rpm
最大トルク100N・m/3600rpm
サスペンション Fストラット Rトーションビーム
燃費(WLTC)21.5km/l
価格189万7500円
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商品詳細