ホンダ「シビック」をライバルのトヨタ「カローラスポーツ」とプロが徹底比較【プロ徹底解説】

シビック 横

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2021年に登場し、2024年9月にマイナーチェンジを実施したホンダの「シビック」。そのライバルとなるのが、同じミッドクラス・ハッチバックのトヨタの「カローラスポーツ」です。どのような違いがあるのかを徹底比較します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
「シビック」の特徴
「カローラスポーツ」の特徴
「シビック」と「カローラスポーツ」のサイズとプロポーションを比較
「シビック」と「カローラスポーツ」のパワートレインを比較
「シビック」と「カローラスポーツ」のユーティリティを比較
「シビック」と「カローラスポーツ」の価格を比較

「シビック」の特徴

ホンダの「シビック」は、1972年の初代モデルから、11代目となる最新の現行モデルまで、常にホンダの主力商品としての道を歩んできました。最新モデルの「爽快シビック」というコンセプトも、「一服の清涼剤のようであった」という初代モデルに由来するとホンダは説明します。

そんな11代目モデルは、ホンダいわく「流れるようなプロポーションと開放的なインテリア、運転しやすく操る喜びに満ちたダイナミック性能、そして視線・動線・触感に配慮した心地よい仕立てが、乗る人みんなに爽快な体験をもたらします」と説明します。
具体的な特徴としては、現行「シビック」は、スポーティな4ドアのハッチバックであり、1.5リッターVTECターボ・エンジンと2リッターのハイブリッドの2つのパワートレインを用意しています。また、2024年のマイナーチェンジで、6速MTはスポーツグレード「RS」だけとなっています。他は2ペダル仕様。

「カローラスポーツ」の特徴

トヨタの「カローラ」は1966年に誕生し、これまで世界中で5000万台以上が販売されてきたトヨタを代表するモデルです。現在は、セダンを基本としながら、ハッチバック、ステーションワゴン、SUVと幅広いボディバリエーションを誇ります。

「シビック」と同じ4ドアのハッチバックとなるのが、2018年6月に発売になった「カローラスポーツ」です。スポーティなデザインと走りを特徴としています。現在の基本グレードは、2リッターのガソリン・エンジンと1.8リッターのハイブリッドの2つ。「シビック」に「タイプR」という特別モデルがあるように、「カローラスポーツ」にも「GRカローラ」が用意されています。

「シビック」と「カローラスポーツ」のサイズとプロポーションを比較

「シビック」と「カローラスポーツ」は、4ドアのハッチバック車という部分が共通します。寸法は、「シビック」が、全長4560×全幅1800×全高1415㎜(「RS」グレードのみ、全高1410㎜)。「カローラスポーツ」が全長4375×全幅1790×全幅1460㎜。
比較すると、「シビック」の方が、長く、幅広く、そして低いことがわかります。フォルムを見比べると、「シビック」は全長が長いだけあった、伸びやかなクーペのような姿。一方で、「カローラスポーツ」は、オーソドックスなハッチバック。特に真横から見比べると、大きな違いがあるのがわかります。

タイヤ&ホイールのサイズは、「シビック」が235/40R18。「カローラスポーツ」は195/65R15、205/55R16、225/40R18の3種類が用意されています。

「シビック」と「カローラスポーツ」のパワートレインを比較

「シビック」と「カローラスポーツ」は、どちらもエンジンとハイブリッドという2種類のパワートレインを用意しています。

「シビック」のエンジンは、1.5リッター直噴VTECターボで、最高出力は134kW(182PS)、最大トルクは240Nmを発揮します。エンジン車は、CVTと6速MTの2つが用意され、燃費性能はCVTで15.7km/l(WLTCモード)、6速MTで15.3km/l(WLTCモード)となります。
「カローラスポーツ」のエンジンは、2リッターの自然吸気エンジン。最高出力が125kW(170PS)、最大トルクが202Nmとなります。トランスミッションは、すべてがCVT。燃費性能は、軽量なスタンダードグレードで18.3km/l(WLTCモード)、上位グレードで17.2km/l(WLTCモード)。

エンジンを比較すると、「シビック」はパワーがあり、「カローラスポーツ」は燃費が良いことがわかります。
ハイブリッドを比較してみましょう。

「シビック」のハイブリッドは、「e:HEV」と呼ばれる方式で、走行領域のほとんどをモーター駆動でまかない、エンジンの出力を直にタイヤに伝えるのは高速走行の一部だけというのが特徴です。エンジンは発電が主な仕事となり、出力ではモーターが勝っています。そのモーターの出力は、最高出力135kW(184PS)、最大トルク315Nm。燃費性能は24.2km/l(WLTCモード)です。
「カローラスポーツ」のハイブリッドは、「プリウス」などにも搭載される、動力分割機構を使ったシステムです。1.8リッターのエンジンとモーターの力をシームレスに使いわけるのが特徴となります。システム最高出力は103kW(140PS)で、燃費性能はグレードごとに異なり、27.2~30.0㎞/l(WLTCモード)となります。

エンジン車と同様に、ハイブリッドもパワーの「シビック」、燃費の「カローラスポーツ」という違いになります。

「シビック」と「カローラスポーツ」のユーティリティを比較

「シビック」の室内寸法は、エンジン車で長さ1915×幅1545×高さ1145㎜。それに対して「カローラスポーツ」は長さ1795×幅1510×高さ1155㎜。「シビック」は車体そのものの全長の長さを反映するように、室内も前後に長いことがわかります。

荷室寸法は、「シビック」で452リッター。これは42リッターの床下収納も含まれます。「カローラスポーツ」の荷室寸法は最大で333リッター。これもボディの大きな「シビック」が勝っています。

「シビック」と「カローラスポーツ」の価格を比較

最後に価格を比較してみましょう。「シビック」はエンジン車の価格が344万8500円~419万8700円。ハイブリッドで399万8500円~430万7600円となります。それに対して、「カローラスポーツ」は、エンジン車が221万円~272万8100円。ハイブリッドが247万円~297万8100円となります。

価格帯的に「カローラスポーツ」が300万円以下なのに対して、「シビック」は300万円以上となり、価格帯がまったく異なっています。

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