2ローター、3ローター、4ローター、6ローター…あなたは排気音だけでローター数を当てるこはできますか?

ヴァンケル式ロータリーエンジン

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クルマのエキゾースト•ノート(排気音)は数あれど、ロータリーエンジン車はホンダ•ツインカムやフェラーリのV12サウンドと並んで「名曲」のように扱われます。また同時に構造的にローター数を増やす事も容易なロータリーエンジン、エキゾーストノートからローター数を当てる事はできますか?
Chapter
繋げて繋げて…多ローター化が容易なロータリーエンジン
ローター数が多ければいいとは限らない!2ローター13Bサウンド
忘れちゃいけない3ローターの20B
伝説を作った4ローターの名機R26B
6ローターエンジンはそれとは思えない軽快さ

繋げて繋げて…多ローター化が容易なロータリーエンジン

ロータリーエンジンは必ずしもマツダの専売特許というわけではなく、ヴァンケルスパイダーやRo80を作ったドイツのNSU社やそれを受け継いだアウディ、M35やGSビロトールを作ったシトロエン、二輪でもスズキ RE-5や一連のノートン車、さらに特許を購入せず無断でロータリー車を作っていた旧ソ連のラーダやGAZなど、ヴァンケル式ロータリーエンジンのメーカーは意外とあります。

しかし、堂々と市販量産車を多数送り出したマツダのロータリーがチューニングベースとして最適なのは事実で、ポート加工やターボチューンなど、多くの改造が施されています。

多ローター化もその一つで、マツダだけでも幻の軽自動車用1ローターをはじめ、10Aから13Bといった実用ロータリーで一番多い2ローター、20Bだけとはいえ市販車として世に出た3ローター、さらにレース用の13J(767用)、R26B(787用)といった4ローターなど多岐に渡ります。

それがチューニングロータリーとなれば6ローターも当たり前のようにあるのです。

レシプロエンジンでも直列4気筒エンジンのブロックを元にV型8気筒、あるいはV型6気筒をベースにW型12気筒エンジンが作られたりもしますが、基本的にはローターを直列に繋げてエキセントリックシャフト(レシプロエンジンクランクシャフトに相当)を新造するだけのロータリーエンジンはより多ローター化(レシプロで言うところの多気筒化)が容易なため、以下に紹介するようなチューニングカー、というよりチューニングロータリーは多数存在するのです。

それらはレシプロエンジンの多気筒車のように、音で判別できるものでしょうか?

ローター数が多ければいいとは限らない!2ローター13Bサウンド

こちら日本人ならわりとお馴染み、FD3S型RX-7のチューンドカー。

チューニングされた13Bターボのムラの無い、澄んだエキゾーストノートはまさにチューンドエンジン!という感じがしますね。

13Bは長い歴史の中で改良が続けられたとはいえ、さすがマツダが改良に改良を重ね切ったエンジンな事と、チューニングノウハウも豊富な事があり、大抵の動画ではエンジン始動からフルスロットルまで淀みなく「吹き上がる」というより「回しきる」とでも形容した方が良いようなエキゾースト•ノートが響きます。

少なくともストリートをステージに含む限りでは13Bこそがベスト•オブ•ロータリー、ローター数が多ければいいってものではない!という気概を感じます。

忘れちゃいけない3ローターの20B

市販車ではユーノス コスモ用としてしか搭載されなかったので、今ひとつ影が薄い感のある3ローターの20Bですが、一説によると3ローターはレシプロエンジンではV12エンジンに相当するそうです。

そう思えばユーノス コスモのあの高価格も、リッター2kmしか走らない燃費も許せる気がしてしまいます。

そしてその20Bはレース用エンジンとしても数多く使われていまして、日本ではRE雨宮のRE20改ペリフェラルポートNAロータリーがスーパーGTのGT300クラスで使われていた事が有名ですが、海外でもこうした20B搭載のRX-8レーサーが走っていたりします。

低回転でのパーシャル域では回し足りなそうに少し曇った音になりますが、スロットルを開けばそこは快音、13Bよりもカン高い音で目いっぱい回っていき、突き抜ける感がありますね。

伝説を作った4ローターの名機R26B

4ローターと言えばチューニングエンジンというよりこれでしょう。

マツダ787Bに搭載されて日本車初のル•マン優勝を担った名機R26B、その咆哮こそあの頃の日本人の魂の叫びであり、マツダファンの、ロータリーファンの叫びでありました。

この動画でも、途中でグループAレースカーのR32型カルソニック•スカイラインGT-Rが登場しますが、その重々しく力強い排気音とは対照的に、天空に駆け上るがごとき高音質のエキゾースト•ノートが響きます。

この音を聞くと1991年のル•マン サルテ•サーキットのユノディエールでフルスロットルに入った時の高音や、最後に最終コーナーを立ち上がってゴールしてくる時の熱狂を思い出します。

6ローターエンジンはそれとは思えない軽快さ

こちら、ニュージーランドのサーキットで走っている6ローターのRX-4(日本名ルーチェ。2代目)。

オリジナルで4ローターREも制作しているREのプロフェッショナルチューナー、PPREの製作によるものです。

始動も大変そうで、アイドリングから低回転では全く安定せず、低回転トルクが弱く、回転数が上がる方向へのレスポンスは速いけど、なかなか回転数が下がらないという、いかにも昔のロータリーエンジンっぽい特性が排気音からも伝わってきます。しかし、一発踏めば逆にロータリー•ロケットそのものの勢いで高回転まで駆け上がっていきます。

マシンとのマッチングが悪くてトラクション不足なのか、はたまた6ローターが回っているところを見せられればそれでいいのか、回っている割には今ひとつ迫力不足な感はありますが、6ローターが実際に走っているというだけでも意味があるのかもしれません。

もっとハイスペックのマシンに搭載して、その800馬力のパワーを存分に発揮させたらもっといい音がするのかもしれませんね!
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