トヨタ「クラウン(スポーツ)」とライバルを比較! マツダ「CX-60」と徹底比較してみた!【プロ徹底比較】

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トヨタの「クラウン」シリーズに2023年10月に加わったスポーツSUVが「クラウン(スポーツ)」です。サイズ感やハイブリッド&プラグインハイブリッド、そして価格帯を考えるとライバルとなるのはマツダの「CX-60」のハイブリッドとPHEVが妥当となりそうです。2台の内容を徹底比較して解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
「クラウン(スポーツ)」のライバルとなるのはマツダ「CX-60」
2台のコンセプトの違い
寸法はどれだけ違うのか?
パワートレインの比較
先進運転支援システムの比較

「クラウン(スポーツ)」のライバルとなるのはマツダ「CX-60」

「クラウン」シリーズの中でも、走りを売りにするスポーツSUVとして誕生したのが「クラウン(スポーツ)」です。その特徴は、2.5リッターのハイブリッドと、プラグインハイブリッドを搭載しているところ。

価格は2.5リッターのハイブリッドが590万円で、プラグインハイブリッドが765万円となります。
そんな「クラウン(スポーツ)」とライバルとなるのがマツダの「CX-60」ではないでしょうか。「CX-60」は、FRプラットフォームを使ったマツダの新しいラージ商品群のトップバッターとなるモデルです。パワートレインに、2.5リッターのガソリン・エンジン、3.3リッターのディーゼル、3.3リッターのディーゼル・ハイブリッド、そして2.5リッターのプラグインハイブリッドを揃えます。
この中でディーゼル・ハイブリッドの価格が530万7500円~567万0500円、2.5リッターのプラグインハイブリッドが609万9500円から646万2500円となります。
パワートレインの内容と価格を考えると、「クラウン(スポーツ)」のライバルには、マツダの「CX-60」の3.3リッターのディーゼル・ハイブリッドと、2.5リッターのプラグインハイブリッドと考えていいでしょう。

2台のコンセプトの違い

「クラウン(スポーツ)」のコンセプトは、「新しいカタチのSUVとして、感性に響く美しいデザインと楽しい走りを追求した」スポーツSUVです。基本の「クラウン(クロスオーバー)」があり、フォーマルな「クラウン(セダン)」、利便性に優れた「クラウン(エステート)」という兄弟の揃うシリーズの中で、「美しいデザイン」と「楽しい走り」に特化したのが「クラウン(スポーツ)」となります。
マツダ「CX-60」のコンセプトは「ドライビングエンターテインメントSUV」というもの。すべての領域で、意のままの走り、クラフトマンシップ、デザイン、安全性能を上質に磨き上げたとマツダは説明します。従来のマツダのユーザーだけでなく、プレミアムブランドのひとつとして上質さを求めるユーザーもターゲットにしています。

寸法はどれだけ違うのか?

2台のサイズは、どのくらい異なっているのでしょうか? 

まず、「クラウン(スポーツ)」の寸法は、全長4720×全幅1880×全高1565㎜でホイールベースが2770㎜。タイヤ&ホイールは21インチを装着しています。
一方、「CX-60」は全長4740×全幅1890×全高1685㎜でホイールベースは2870㎜。タイヤ&ホイールは18インチ、もしくは20インチとなります。

寸法は、全長と全幅が2台ともあまり変わりません。ただし、全高が120㎜ほども「CX-60」が高いのが大きな違いとなります。また、タイヤ&ホイールでは、「クラウン(スポーツ)」が大きいのが特徴でしょう。一般的なSUVらしいスタイルが「CX-60」で、より低く、よりタイヤ&ホイールの大きな独特のスタイルなのが「クラウン(スポーツ)」となります。

パワートレインの比較

クラウン(スポーツ)」のパワートレインは2.5リッターのプラグインハイブリッドと、ハイブリッドの2種類です。プラグインハイブリッドのシステム最高出力は225kW(306PS)で、EV走行距離が90㎞(WLTCモード)、ハイブリッド燃費が20.3km/l(WLTCモード)となります。

もうひとつの、ハイブリッドはシステム最高出力が172kW(234PS)で燃費が21.3km/l(WLTCモード)となります。駆動方式は、どちらも後輪をモーター駆動するE-Fourと呼ぶ4WDです。
CX-60」のプラグインハイブリッドは、2.5リッターの直列4気筒ガソリン・エンジンとモーターを直列に並べたシステムで、システム最高出力は238kW(323PS)、EV走行距離75㎞、燃費14.6km/l(WLTCモード)となります。

3.3リッターのディーゼルのハイブリッドは、マイルドハイブリッドであり、エンジンの最高出力は187kW(254PS)、最高21.1㎞/l(WLTCモード)の燃費性能を持ちます。3.3リッターのディーゼル・ハイブリッドとプラグインハイブリッドは、どちらもプロペラシャフトを用いた4WDです。
プラグインハイブリッド比較であれば、パワーとEV走行距離は「CX-60」が勝り、燃費で「クラウン(スポーツ)」が勝ります。ハイブリッド同士の比較でもパワーは「CX-60」が勝り、燃費は「クラウン(スポーツ)」が上という結果になります。
「クラウン(スポーツ)」のラゲッジ容量は397リットル。荷室の床面の前後の長さは959㎜、最大幅が1436㎜、高さが725㎜。後席を使ったままだと、ゴルフバッグは1個しか積めません。

「CX-60」のラゲッジ容量は570リットル。荷室の長さは約975㎜で、最大幅が1275㎜、高さが817㎜。ゴルフバッグを4個搭載可能です。

荷室の広さは、圧倒的に「CX-60」が広いようです。

先進運転支援システムの比較

先進運転支援システムは、「クラウン(スポーツ)」も「CX-60」も、カメラとミリ波レーダーを組み合わせたセンサーを使用しています。どちらも、衝突被害軽減自動ブレーキ(プリクラッシュセーフティ)や全車速追従機能など、多彩な機能を備えています。

ただし、「クラウン(スポーツ)」には、トヨタチームメイトと呼ばれる、一段上の運転支援機能が備わっています。
これは、駐車スペースの車庫入れを自動で行う「トヨタチームメイト アドバンストパーク」と、高速道路などで、いわゆるハンズオフ機能を実現する「トヨタチームメイト アドバンスト ドライブ」機能のこと。「CX-60」には、まだない機能となります。
「クラウン」シリーズの中で、背の低いスポーツSUVという新しいカタチを提示するのが「クラウン(スポーツ)」です。一方、「CX-60」は、オーソドックスなSUVのスタイルをとっているのが特徴です。

パワートレインは、「クラウン(スポーツ)」がFFベースの、後輪をモーター駆動するE-Fourなのに対して、「CX-60」はエンジンを縦置きするFRベースの4WDというのが大きな違いになります。
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