セダンからスポーツSUVへの大変身!トヨタ「クラウン(スポーツ)」と先代比較してみた!【プロ徹底解説】

正面

※この記事には広告が含まれます

現在の「クラウン」シリーズは、16代目となり、2022年に最初の「クラウン(クロスオーバー)」が登場しています。先代モデルは2018年に登場した15代目モデルです。先代から現行型になったことで、どのような変化があったのかを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
先代「クラウン」とはどのようなモデルだったのか?
新しい「クラウン」と「クラウン(スポーツ)」とは
サイズはどれだけ違っているのか
パワートレインの違いは
先進運転支援システムの進化の度合い
価格帯はどう変わった

先代「クラウン」とはどのようなモデルだったのか?

先代となる15代目の「クラウン」が登場したのは2018年6月のことでした。キャッチコピーは「挑戦と革新を続ける初代コネクティッドカー」というものでした。コネクティッドカーと謳うように、車載通信機器DCMを全車に標準装備となったのがトピックです。

また、デザインや走りの点でも、過去モデルとは異なる“挑戦と革新”を感じさせるものでした。デザイン面では、ルーフからラゲージに向けて伸びやかなサイドシルエットを見せる、6ライトウィンドウを採用。

より流麗でスポーティな雰囲気を生み出しています。また、レクサスにも使われているTNGAのFRプラットフォームを採用し、ドイツのニュルブルクリンクサーキットでテストを行うなど、スポーティ度を高めたのも特徴です。

新しい「クラウン」と「クラウン(スポーツ)」とは

一方、2022年に16世代目と世代交代した「クラウン」は、セダンだけでなく、クロスオーバー、スポーツSUV、SUVという4種類の車型を使うシリーズに進化しました。また、セダンを除いた他モデルには、FFのプラットフォームを採用したのも大きな変化です。

今回、比較するのはスポーツSUVとなる「クラウン(スポーツ)」です。こちらのデビューは2023年10月。名称にスポーツとあるように、先代「クラウン」と同様に、スポーティな走りと、若々しいデザインを特徴とします。

サイズはどれだけ違っているのか

先代の「クラウン」の寸法は、全長4910×全幅1800×全高1465㎜(2.5リッターのハイブリッド)でした。ホイールベースは2920㎜で、タイヤ&ホイールは18インチを基本としています。
一方、現行型の「クラウン(スポーツ)」の寸法は全長4720×全幅1880×全高1565㎜。ホイールベースが2770㎜で、タイヤ&ホイールは21インチを採用します。

寸法を比較すると、全長とホイールベースは先代の方が長いものの、それ以外の車幅や全高、ホイールは新型の方が大きくなっています。タイヤ&ホイールは3サイズも違っています。全長は短くなっているものの、誰もが現行型が大きくなったと感じることでしょう。

パワートレインの違いは

先代の「クラウン」には3つのパワートレインが搭載されていました。システム最高出力264kW(359PS)の3.5リッターV6ハイブリッドと、システム最高出力166kW(226PS)の2.5リッターのハイブリッド、そして最高出力180kW(245PS)の2リッターのターボ・エンジンです。燃費性能は、3.5リッターのハイブリッドが16.0km/l(WLTCモード)で、2.5リッターのハイブリッドが20.0km/l(WLTCモード)、2リッターターボが12.4km/l(WLTCモード)でした。
最新の「クラウン(スポーツ)」は、システム最高出力225kW(306PS)で燃費20.3㎞/lの2.5リッタープラグインハイブリッドと、システム最高出力172kW(234PS)で燃費21.3km/l(WLTCモード)の2.5リッターのハイブリッドです。

先代モデルではパワフルな3.5リッターのハイブリッドが存在していたのが大きな違いとなります。同じ2.5リッターのハイブリッドでは、現行モデルの方が、よりパワフルで、より燃費性能に優れています。

先進運転支援システムの進化の度合い

先代の「クラウン」も先進運転支援システムの基本は、単眼カメラ&ミリ波レーダーを併用するトヨタセーフティセンスでした。

それに対して現行モデルも、同じ単眼カメラ&ミリ波レーダーを使うトヨタセーフティセンスを搭載しています。
ただし、デビューの年が4年ほども違うということで、その充実度の差は明らかです。特に、新型「クラウン」では、より高レベルの運転支援を行うトヨタチームメイトが搭載されています。

これにより、高速道路などの自動車専用道での渋滞時に、いわゆるハンズオフ(手放し運転)が可能となっています。また、自動での駐車機能も高度化しており、スマートフォン・アプリを使ったリモート機能も追加されています。

価格帯はどう変わった

先代の「クラウン」の2018年のデビュー時の価格は460万6200円から718万7400円という価格帯でした。2リッターのエンジン車が460万6200円~559万4400円、2.5リッターのハイブリッドが497万8800円~632万3400円、3.5リッターのハイブリッドが623万7000円~718万7400円です。

新しい「クラウン(スポーツ)」は、2.5リッターのハイブリッドが590万で、プラグインハイブリッドが765万円となります。

比較すると、2.5リッターのハイブリッドの価格はあまり変わっていませんが、プラグインハイブリッドは、さすがに先代よりも上の価格帯となっています。
セダンという一つの車型から、4種類の車型を要するシリーズと変化した「クラウン」。最新の「クラウン(スポーツ)」と比べるとあまりにも、大きな違いがあることがわかります。

商品詳細