“クラウンらしさ”と“スポーティさ”の絶妙な塩梅!トヨタ「クラウン(スポーツ)」を試乗インプレッション してみた!【プロ徹底解説】
更新日:2024.09.09
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2023年10月に「クラウン」シリーズの1台として登場した「クラウン(スポーツ)」。そのリアルな走りはいったいどのようなものなのでしょうか? 「クラウン(スポーツ)」のハイブリッドモデルである「Z」グレードを借り出し、走らせてみました。
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
“新しいカタチ”と説明された独特のプロポーション
「クラウン(スポーツ)」のことをトヨタは「新しいカタチのSUVとして、感性に響く“美しいデザイン”と“楽しい走り”を追求しました」と説明します。
トヨタが“新しいカタチ”と紹介する「クラウン(スポーツ)」の寸法は全長4720×全幅1880×全高1570㎜。一般的な同クラスのSUVと比較すると、妙に背が低く感じます。写真だと、SUVではなく、まるでハッチバック車のように見えるかもしれません。
トヨタが“新しいカタチ”と紹介する「クラウン(スポーツ)」の寸法は全長4720×全幅1880×全高1570㎜。一般的な同クラスのSUVと比較すると、妙に背が低く感じます。写真だと、SUVではなく、まるでハッチバック車のように見えるかもしれません。
ところがリアルで対面した「クラウン(スポーツ)」は、写真で見るよりも一回りも二回りも大きく感じます。その理由は、21インチという非常に大きなタイヤ&ホイールにあるでしょう。
タイヤが大きすぎるので、写真だと、全体が逆に小さく感じてしまうのです。しかし、現実の姿は、ワイドで低く、そして長く、非常に大きな存在感を放っています。特にボリューム満点なリアフェンダーの膨らみの大きさには、驚かされました。
タイヤが大きすぎるので、写真だと、全体が逆に小さく感じてしまうのです。しかし、現実の姿は、ワイドで低く、そして長く、非常に大きな存在感を放っています。特にボリューム満点なリアフェンダーの膨らみの大きさには、驚かされました。
また、ヘッドライトがバンパーに配置されており、一見、ヘッドライトレスのような顔つきも独特です。確かにトヨタのいう“新しいカタチ”であることが実感できます。
ちなみに、今回、試乗したのは、2.5リッターのハイブリッド「Z」グレードです。上位のプラグインハイブリッドの「RS」との外見上の違いは、ホイールの塗装となります。艶のあるグロスブラックが「Z」グレードで、「RS」はマットブラック塗装となります。
ちなみに、今回、試乗したのは、2.5リッターのハイブリッド「Z」グレードです。上位のプラグインハイブリッドの「RS」との外見上の違いは、ホイールの塗装となります。艶のあるグロスブラックが「Z」グレードで、「RS」はマットブラック塗装となります。
「クラウン」の兄弟であることがわかるインテリア
ユニークなエクステリアに対して、インテリアは他の「クラウン」シリーズと、ほぼ同様なデザインとなっています。ただし、色合いは「クラウン(スポーツ)」ならではのもの。
ブラックを基調とした室内には、ブロンズ色のようなウォームスティールオーナメントがちりばめられています。レザーのシートと合わせて、スポーティさと高級感が交差する、独特の雰囲気が生まれています。
ブラックを基調とした室内には、ブロンズ色のようなウォームスティールオーナメントがちりばめられています。レザーのシートと合わせて、スポーティさと高級感が交差する、独特の雰囲気が生まれています。
ハンドリングと乗り心地について
「クラウン(スポーツ)」のステアリングの手応えは、かなり重めでした。ほんのわずかな操作に対して、車はゆったりとではありますが、しっかりと応えてくれます。
サスペンションも、それなりの強さを持っており、路面の起伏などを、ドライバーに伝えてくれます。スポーツの名にふさわしい、反応と言えるでしょう。
サスペンションも、それなりの強さを持っており、路面の起伏などを、ドライバーに伝えてくれます。スポーツの名にふさわしい、反応と言えるでしょう。
しかし、その一方で、「クラウン」シリーズらしい、上質な乗り心地も守られています。路面の凹凸を伝えつつも、衝撃は角が丸められており、ゴツゴツやビリビリとした嫌な印象を乗員に与えません。非常に洗練された乗り心地です。
取材車はオプションのパノラマルーフを装備していました。解放感は抜群なのですが、その装備のために天井の高さが若干低くなっているのが残念なところです。
その洗練はパワートレインにも及びます。加速はスムーズそのもの。遊星ギヤを使うトヨタハイブリッドシステムⅡならではのフィーリングです。それでいて追い越しが必要なシーンでは、アクセルの微妙な加減にレスポンスよくトルクが高まります。意のままの加速が味わえるのです。
それでいて、乱暴なアクセル操作に対しては、やんわりとタイムラグを必要とします。その結果、加減速にドタバタとしたガサツさを一切感じさせることはありません。
それでいて、乱暴なアクセル操作に対しては、やんわりとタイムラグを必要とします。その結果、加減速にドタバタとしたガサツさを一切感じさせることはありません。
「クラウン(スポーツ)」を走らせて思うのは、“スポーティさ”と“クラウンらしさ”のバランスが絶妙であるということです。内外装の見た目から、ハンドリング、乗り心地、そしてパワートレインまで、そのすべてに“スポーティさ”があり、その一方で、“クラウンらしさ”も守られているのです。
決して、乱雑になったり、行き過ぎることはありません。快適な乗り心地であり、くつろぎの雰囲気が保たれているのです。この優れたバランス感覚こそが、「クラウン(スポーツ)」の最大の美点と言えるでしょう。
決して、乱雑になったり、行き過ぎることはありません。快適な乗り心地であり、くつろぎの雰囲気が保たれているのです。この優れたバランス感覚こそが、「クラウン(スポーツ)」の最大の美点と言えるでしょう。