ブレーキを踏むとキーキー音がする原因と対策【放置して大丈夫?危険度も解説】

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運転中にブレーキから「キーキー」という高い音が聞こえると、不安になりますよね。「このまま走って大丈夫?故障では?」と心配になるものです。ご安心ください。

この記事では、ブレーキを踏んだときに発生する嫌なキーキー音の原因と対策を徹底解説します。
初心者にもわかりやすい言葉で解説しますので、読み終えれば「なぜ音が鳴るのか」「放置しても良いのか」「修理が必要か」「自分で対処できるか」がすべて理解できるでしょう。ブレーキの異音に悩むあなたの不安を解消し、適切な対応策へ導きます。

CARPRIME編集部

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ブレーキがキーキー鳴く主な4つの原因【完全ガイド】
【原因1】雨・洗車後に鳴るブレーキ鳴き(水分が原因)【安全度:高】
【原因2】パッド当たり不良・グリス切れによるキーキー音【安全度:中】
【原因3】ブレーキパッド摩耗の警告音(交換サイン)【安全度:低・要注意】
【原因4】ブレーキディスクローターの異常(摩耗・サビ・変形)【安全度:低・要注意】
【原因5】ディスクローター摩耗・傷による異音【安全度:低・要注意】
輸入車・スポーツカーがブレーキ鳴きを起こしやすいワケ
キーキー音を放置して良い?危険度チェック早見表
ブレーキ鳴き発生時の正しい対処ステップ
まとめ:ブレーキ鳴きを見逃さないコツ

ブレーキがキーキー鳴く主な4つの原因【完全ガイド】

ブレーキ時のキーキー音(いわゆる「ブレーキ鳴き」)には主に4つの原因があります。それぞれ発生メカニズムが異なり、「放置して問題ない軽微なもの」なのか「危険を伴う重大なもの」なのかも変わってきます

まずは原因ごとに特徴と危険度を見ていきましょう。


※【特に注意すべき異音】 「キーキー」という高い音とは別に、「ゴーゴー」「ガーガー」といった低い音や、何かを削るような音が続く場合は、ブレーキパッドが限界まで摩耗した非常に危険なサインです。ブレーキが効かなくなる恐れがあるため、すぐに運転を中止し、レッカーサービスや整備工場に連絡してください。

【原因1】雨・洗車後に鳴るブレーキ鳴き(水分が原因)【安全度:高】

雨天走行や洗車直後、寒い朝の走り始めなどでブレーキディスクとパッドの間に水分が入り込むと、一時的に「キーキー」という摩擦音が発生することがあります。金属同士が濡れた状態で擦れ、通常は吸収される微振動が音となって聞こえるためです。冬の冷え切ったブレーキでも同様で、ブレーキが温まる前の硬い状態では鳴きが起こりやすくなります。

  • 放置して大丈夫? 

    水分起因のキーキー音は部品の異常ではなく一時的な現象なので心配いりません。条件が整えば誰の車でも起こりうるため、「自分の運転が悪いのかも…」と自責する必要もありません。
  • 対処方法 

    ブレーキを数回軽く踏んで乾燥させるか、しばらく走行して様子を見るだけでOKです。走行してブレーキが温まれば水分は飛んでいき、異音も自然に収まる可能性が高いです。

【原因2】パッド当たり不良・グリス切れによるキーキー音【安全度:中】

  • パッドの角が立っている場合 

    ブレーキパッドの摩耗面に角(エッジ)が立っていると、パッドがディスクローターを引っかくように振動し、不快な高音を生じさせることがあります。
  • ブレーキパッドのグリス切れの場合 

    ブレーキパッドを支える金具部分のグリス(潤滑剤)が切れると、パッドの動きが鈍くなり、ブレーキ操作のたびにキーキーと音が鳴りやすくなります。
  • 放置して大丈夫? 

    ブレーキの効き自体にただちに大きな支障を及ぼすことは少ないですが、放置すると異音が継続してストレスになるほか、部品の偏摩耗につながる恐れがあります。早めのメンテナンスがおすすめです。
  • 対処方法 

    不足したグリスを塗り直す、ブレーキパッドの角を削り落とす(面取り)といった作業を行います。これらの作業はブレーキを分解する必要があるため、整備工場やカー用品店で依頼するのが安心です。費用はグリスアップや簡易調整でおおよそ数千円〜1万円前後が目安です。

【原因3】ブレーキパッド摩耗の警告音(交換サイン)【安全度:低・要注意】

ブレーキパッドは摩擦材でできており、ブレーキを踏むたびにすり減っていく消耗部品です。厚みが限界近くまで薄くなると、パッドに仕込まれたパッドウェアインジケーター(金属片)がディスクに接触し、「キーキー」という高い金属音を発します。これは「パッドの残量がありません!」という警告音です。

  • 放置して大丈夫? 

    絶対に放置してはいけません。この音が出たらブレーキパッドが限界というサインです。パッド残量がないまま走行を続けると制動力が著しく低下し、最悪の場合ブレーキが効かなくなる危険があります。
  • 対処方法 

    ただちにブレーキパッドを新品に交換しましょう。ディーラーや整備工場で対応してもらえます。費用相場は車種やパッド種類によりますが、前輪または後輪のどちらか2輪分で約1.5万円〜4万円ほどです。安全を確保するために必須の修理です。

【原因4】ブレーキディスクローターの異常(摩耗・サビ・変形)【安全度:低・要注意】

ブレーキディスクローター(ブレーキパッドが挟み込む円盤状の部品)の異常も異音の原因になります。パッドと同様にローターも摩耗する消耗品であり、レコード盤のように筋状に削れたり、表面に深いサビが発生したり、熱によって歪んだりすることがあります。

  • 放置して大丈夫? 

    ローターの異常はブレーキ性能の低下に直結するため危険です。放置するとブレーキの効きが悪くなるだけでなく、ブレーキ時に車体やペダルが振動する「ジャダー」という現象を引き起こすこともあります。
  • 対処方法 

    ローターの摩耗が軽度であれば「研磨」して表面を平らにし、摩耗が激しい場合は「新品交換」が必要です。一般的にブレーキパッドを2回交換するうち、1回はローターも同時に交換することが推奨されています。整備工場でパッドの状態と合わせて点検してもらいましょう。

【原因5】ディスクローター摩耗・傷による異音【安全度:低・要注意】

ブレーキパッドと対をなすディスクローター(ブレーキディスク)も使用を重ねるごとに少しずつ摩耗・劣化します。ローターが摩耗・損傷すると、ブレーキ時にパッドとの接触が不安定になり振動やキーキーという異音の原因になります。さらに制動力も低下し、安全な減速ができなくなる恐れがあるため危険です。

  • 放置して大丈夫? 

    危険です。ローターの摩耗・損傷が疑われる場合は早急に対応が必要です。
  • 対処方法 

    ブレーキローターの研磨または新品交換が必要になります。ローター交換は通常ブレーキパッドの交換と同時に行うのが望ましく、セットで作業することで新しいパッドとのあたりも良くなり鳴きが解消します。
    費用は車種により大きく異なりますが、一般的な国産車の場合、ローター本体は1枚1万円前後からが目安です。部品代と工賃を合わせた車軸(2輪)ごとの交換費用は、約3〜5万円、全輪だと5〜10万円程度が一般的な相場です。

輸入車・スポーツカーがブレーキ鳴きを起こしやすいワケ

輸入車やスポーツカーの中には、ブレーキの素材特性上どうしても鳴きやすい車種があります

例えば欧州車(メルセデスやBMWなど)は純正で高金属含有の高性能パッドを採用しているため、街乗りの低速ブレーキでキーキー音が発生しやすいのです。ブレーキダスト(黒い粉)が多いのも高性能パッドの証拠で、「鳴きとダストは制動力とトレードオフの関係」にあるとも言われます。

こうした車では多少のキーキー音は性能と引き換えの“持病”とも言えるため、異音だけで低性能なパッドへ交換してしまうと制動力が低下するリスクもあります。まずは鳴き止め剤(パッド裏に塗布するグリス等)を試すのも有効でしょう。

キーキー音を放置して良い?危険度チェック早見表

原因・症状(推定ケース)放置して大丈夫? 主な対処法・修理内容
(費用目安)
水分・湿気による一時的な鳴き 基本的に問題なし
走行して乾燥させる
パッドの当たり不良・グリス切れ
早めに整備推奨
グリス再塗布、パッド面取り
(約1万円前後)
ブレーキパッド摩耗(警告音) 危険!早急に交換パッド交換
(約1.5~4万円/車軸)
ディスクローター摩耗・損傷 危険!早急に交換ローター研磨または交換
(約3~5万円/車軸)

ブレーキ鳴き発生時の正しい対処ステップ

  1. 環境条件をチェックする
    雨や洗車後、寒冷時など鳴きやすい条件か確認します。

  2. 短時間走行して様子を見る
    ブレーキを数回作動させながら数キロ走行し、異音が消えるか確認します。

  3. 異音が続く場合は原因を推測
    ブレーキパッドの残量やローターの状態を可能な範囲でチェックします。

  4. 専門家へ点検を依頼
    鳴きが継続、またはパッド残量不足・ローター不良が疑われる場合は整備工場へ。

  5. 応急処置より安全最優先
    パッド限界サイン音が出ている場合などは、必ずプロに交換を依頼しましょう。

まとめ:ブレーキ鳴きを見逃さないコツ

ブレーキを踏むと発生するキーキー音には、放置して問題ないケースから至急修理が必要なケースまで多様な原因があります。雨天直後など条件起因の一時的な鳴きであれば心配いりませんが、ブレーキパッドやローターの異常が原因の場合は早急な整備が必要です。

少しでも「おかしいな」と感じたら、早めに整備士に相談するのが賢明です。ブレーキは車の安全の要ですから、異音を軽視せず適切に対処しましょう。定期的なメンテナンスを行うことで鳴きも予防でき、安心して愛車に乗り続けられます。

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