どちらも迷惑…「走り屋」と「暴走族」の間に違いはあるのか?

暴走族

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一般人から見たら「何が違うの?」という「暴走族」と「走り屋」。果たして違いはあるのでしょうか?どちらも普通の人が公道で出くわしたら迷惑な事には変わりないのですが。
Chapter
そもそも暴走族ってどんなもの?
それでは走り屋ってどんなもの?
暴走族と走り屋は何が違う?
暴走族と走り屋…

そもそも暴走族ってどんなもの?

最近はだいぶ少なくなったので、「暴走族」と言われても実際には見た事の無い、昔の伝統芸能か何かと思っている人も多くなったかもしれません。

「族」というくらいなので徒党を組み、改造車で爆音マフラーのけたたましい音を鳴らしながら、車線も何も無い蛇行運転、後ろからはパトカーが何かを叫びながらサイレンを鳴らして追いすがり、極めつけは「ゴッドファーザー」のテーマで有名なヤンキーホーン。

「そんなもの、マンガの中だけでしょ?」と思うなかれ、本当に今でもたまに見かけるんです。

数年前に筑波サーキットの近くで、雑誌でしか見た事が無かったシャコタン、竹ヤリ、出っ歯のハコスカやダルマセリカなどが昼間から大挙走っているのを見て、思わず指差し「おおおお!」と声にならない叫びを上げた事があります。

でも、ちゃんと信号を守り制限速度くらいで走っていたところを見ると、四輪版の「旧車會」だったのかもしれません。暴走族にもOBなど、本気で伝統芸能のようにスタイルを守り続けている人たちはいるのです。

また、筆者の地元では年に一度のお祭りになると、前後をパトカーに挟まれた暴走族が堂々たる車列を組み、粛々と走る日があります。爆音とゴッドファーザーが無ければ、夢の国のエレクトリカルパレードか、懐かしの西部警察と見まごうような光景は圧巻です。

暴走族というのは、アングラと夢と堕落とロマンが混ざった、混沌とした世界かもしれません。

それでは走り屋ってどんなもの?

これも最近は少なくなったので、「走り屋」と言われても、最近映画でやったよね?(「頭文字D」など)ですとか、ドリフトとかそういうのかな?という人が多いかもしれません。

「族」ではないので徒党を組むような組まないような、走りに来たかと思えば缶コーヒー片手に何時間もクルマ談義をしていて、何をしに来たのかわからない人もいるそうです。黙々と走っていて帰ってこないと探しに行けば勝手に崖から落ちていたとか、気が付けば土手に乗り上げて二回転した挙句、泥だらけで割れたガラスのまま戻ってくるというケースも。

もちろん車通りの多いところでヤンチャする人も中にはいますし、高速道路で全開で飛ばすのが楽しい人もいますが、人里離れた山奥を走る事が多いそうです。ただ、警察とケンカしてまで走ろうとする人は少ないので、パトカーが巡回に来たり、路面に暴走防止のデコボコを作られたりすると、アッサリ走るのをやめたりもします。

だからと言って「走り屋はいい人」というわけでも無く、「この道はヒルクライム(登り坂)専用でダウンヒル(下り)で攻めるのは禁止」ですとか「この道は狭いから一方通行」などとローカルルールを勝手に決めたりするので、それなりにワガママです。

また、走り屋でも環状道路をグルグル回る人や山ばかり走る人、ドリフトばかりする人で全然違うという人もいますが、サーキットであればともかく、公道や立ち入り禁止の場所で走る分には、何が違うのか、という話にもなります。

暴走族と走り屋は何が違う?

その両者の違いですが、考えてみるとそれほど明確では無かったりします。どちらも公道を走る限りは法律違反で、違いと言えば信号無視が多いか速度違反が多いか。

規制緩和で走り屋は違法改造扱いが減ったと言いたいところですが、だからと言ってノーマルマフラーで静かに走るのが走り屋というわけでもありません。走り屋は公道ばかりではなくサーキットを走る人もいますが、旧車會がサーキットで集会を開いて、警察が飛び入り参加?する事もあります。

「走るのが好きならば、走り屋だ。」という言葉もありますが、では暴走族は走るのが嫌いかと言えば、そういう人ばかりとも思えません。何より、暴走族でも走り屋でも無い人にとっては、どちらもあまり出くわしたくない…という意味では、何も変わらない気もします。

それでも一番何が違うかと言えば、「暴走族の改造」は速く走るのと関係無い装備が多いですが、「走り屋の改造」は速く走るための(少なくとも本人はそう思っている)装備が多いくらいでしょうか。

暴走族と走り屋…

普通の人から見ると、どちらも割と迷惑な暴走族と走り屋ですが、それでは両者の仲がいいかと言えばそういうわけでもありません。そもそも暴走族は賑わいのある所へ向かう事が多く、走り屋は山奥に行くか港でドリフトをしているものなので明確にテリトリーが分かれ、交わる機会もそう多くは無いのです。

しかし、時々何を思ったのか、暴走族が走り屋の集まっている山奥に「殴り込み」に来ることもあるそうです。筆者も山を降りている最中に、対向車線も含めて道幅一杯に広がった暴走族が登ってきた事があります。

大型から原付スクーターまで混ざった不気味な単車集団だったので、暴走族かどうか確かめる前にUターンして逃げましたが、別なポイントでは「VIPカーで乗り込んだ暴走族」と「走り屋の武闘派」との乱闘もあったと聞きました。

道の真ん中で出会う分には、バットを振り回してハコ乗りしてくるVIPカーを振り切れる走り屋も、駐車場の出入り口を塞がれたら戦うしか無かったという事なのでしょうか…。
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