これぞバブル期のV.I.P!すっかり見なくなったファーやカーテンをつける車、なぜ減ってしまったのか?

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ローダウンした高級セダンにスモークを装着、またファーやカーテン、ハンドルカバー、も投入。ボディ下はLEDによる煌びやかな光。そうした、ある種の価値観・コンセプトに基づいたカスタマイズが行われたクルマを以前はよく見かけたものです。しかし最近ではその数は減ってきているのではないでしょうか。今回はそんな「VIPカー」事情を探ってみましょう。
Chapter
VIPカーとは
そのイメージは
現在のVIPカー事情
若者文化の変遷
カスタマイズは自由。されど…

VIPカーとは

主に高級車として販売されていたセダンの外装を中心に装飾を施す改造車の総称です。ノーマルで「要人 (VIP-Very Important Person)」が乗っているタイプのクルマが多い事から、この呼び名がついたと考えられますが、これには諸説あるようです。セルシオやクラウン、シーマ、といったクルマが多く使われておりました。
 
大径・大音量マフラーへの換装、ローダウン、エアロパーツ、アルミホイールやオーバーフェンダーなどが主たる改造要素で、ボディカラーも塗り替えを行われるものもありましたが、最近では比較的おとなしめ?なモノトーンのボディカラーが好まれるようです。

内装もモニターや大音量のウーファーユニット、LEDのネオン管など、煌びやかな装備が多く見られました。

そのイメージは

VIPカーに使われる車種のオーナーは、そのイメージの悪化を嫌う人も多いと聞きます。当然ながら、車の出す騒音、一部の違法改造といったマイナスイメージは大きく、所有者のイメージがそれとオーバーラップしてしまうためです。

また一般的に、VIPカー運転者のマナーが悪い、という印象が多くあるのも、その負のイメージに繋がっていると考えます。

現在のVIPカー事情

ここ10年ほどで大幅に減ってきているとの声が多いです。理由としては、「ガソリン代の高騰」「税金等、維持費の高さ」といった点が挙げられます。

基本的にVIPカーは旧型の大排気量セダンが多いため、燃費が悪く、また自動車税も非常に高いわけです。景気の良い時代であれば、維持を続ける事は可能ですが、ガソリンも高騰、景気も上向かず、という時代背景がこの10年でVIPカーを徐々に消し去っていったと推測します。

また、大手カー用品ショップ等も、フルスモーク車や違法改造車のメンテナンス(オイル交換なども)断る姿勢をとっている事も、関連性があるのかもしれませんね。

若者文化の変遷

それともう一つ、若者の文化の変遷というものにも触れなければなりません。

10年以上遡ると、まだ「ヤンキー文化」というものが根強く残っておりました。しかし近年ではそうしたヤンキー文化が「マイルド化」してきており、マイルドヤンキーという呼称も生まれるほどに、その文化の変遷が起きています。

かつてVIPカーに乗っていた層も、こうした時代背景を受け、家族や仲間で乗れるミニバンなどをカスタマイズする、という文化にシフトしてきたと考えられます。実際、ミニバンやエコカー、軽ワゴンのエアロパーツやインテリアパーツの開発に注力しているカスタムメーカーも散見されます。

カスタマイズは自由。されど…

確かに現在、車高を落とし、エアロパーツ等の装備で固めたミニバンは良く見受けられます。ファッションや音楽にその時代の流行やテイストが色濃く反映されるように、クルマにおいてもその時代性、というものが反映されています。そう考えると、VIP系のクルマ文化が若干ソフィスティケイトされ、ミニバンに変遷していったと考えるのが妥当といえそうです。

カスタマイズはクルマの楽しみ方のひとつですし、様々価値観があって良いと考えます。とはいえ、違法改造は許されるものではありませんし、なにより運転マナーの悪さ、というのはどんなクルマであれ、交通社会では迷惑でしかありません。

いつの時代も安全運転と良いマナー、これが一番ですね。
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