かつては不正も横行!? 車を「8ナンバー」化することのメリットとは?

街ゆくクルマでたまに見かける「8ナンバー」。ナンバープレートの地名の右側に付いた分類番号の種類です。この8ナンバー車が、一時期やたらと増えましたが、なぜなのでしょうか?また、現在はどんな車が8ナンバーの恩恵を受けられるのでしょう?

Chapter
8ナンバーとはそもそも何か?
8ナンバー車のメリット
かつては税金逃れの8ナンバー化が横行
8ナンバーとくれば緊急車両ジョークでしょう!
今の8ナンバーは要件が厳しい

8ナンバーとはそもそも何か?

パトカー

自動車の分類で、「5」や「7」の小型乗用車や、「3」の普通乗用車はご存知かと思います。では、「8」はといえば特種用途自動車、通称「トクダネ車」となります。

無限軌道(キャタピラ)式の作業車など、特殊な構造を持つ「特殊自動車」とは異なり、用途が特殊な自動車で、パトカーや消防車のような緊急自動車、バキュームカーなどやタンクローリー、現金輸送車、教習車など法令で決められた用途の車がそれに当たります。

身近な車では、街宣車やキャンピングカーなども”特殊な用途の車”に当たるので、条件を満たせば8ナンバー登録が可能になるのです。

8ナンバー車のメリット

自動車税納付書

8ナンバーになった場合、そのベースになっている車が本来装着すべきナンバーでの制限が撤廃され、8ナンバー車としての扱いを受けることになります。

具体的には1や4ナンバーなどの商用車であれば、本来1年車検が、8ナンバー化することで2年車検になりますし、任意保険も割安になります。 高速道路料金も、8ナンバー車であれば普通車料
金になるので割安。

また、3や5ナンバー車から8ナンバーにした場合は、自動車税や任意保険料が安くなるのです。

もちろん1ナンバーから8ナンバーにした場合の重量税や、3ナンバーから8ナンバーにした場合の自賠責保険料など、8ナンバーの方が高額になるケースもありますが、トータルで言えば8ナンバーの方が年間トータルコストは安くなる計算です。

かつては税金逃れの8ナンバー化が横行

そうしたメリットがあり、かつ規制緩和で自動車の改造車検が容易になったことから、1990年代半ばから2000年代半ばにかけて「形ばかりの8ナンバー化」を行う例が頻発しました。

具体的には、

・助手席のヘッドレストに引っ掛けた小さな板をデスクとして、リアシートを事務室とみなし“事務室車”として登録
・ステーションワゴンやSUVに小さなシンクを備えてキッチンということにして、キャンピングカー登録
・車外に向けて音声を鳴らす小さなスピーカーを仮設し、放送宣伝車として登録

といったもので、ナンバー取得後は次の車検までそれらの仮設物を撤去してしまい、普通の車として乗る「違法8ナンバー車」が数多く出現したのです。

さらには「どんな車でも8ナンバー登録します!」という業者すら登場。役所が規制に動き、現在では容易に取得できないようになっています。

8ナンバーとくれば緊急車両ジョークでしょう!

どんな車でも8ナンバーにできるとなれば、税金のメリットだけでなく目立ちたくて8ナンバーにする人も出てきます。

5ナンバー車のフェンダーアーチにモールやオーバーフェンダーを装着して「3ナンバー車に乗っています」と自慢したがる人が1990年頃には結構いましたが、8ナンバー車でも同様の現象が起きました。

そう、「パトカー化」です!

スポーツカーやスポーツセダンを放送宣伝車として登録してパトカー風のカラーリングを行い、公道で装着するのは違法なため、脱着式のパトランプを装着してサーキットに現れる人が結構いました。

パトランプを回転させながらサイレンを鳴らし、「ハイ緊急車両通ります!」と叫びながらスキール音も高々にドリフトでライバル?を追い詰める8ナンバーの「パトカー風C33ローレル」や「パトカー風R32スカイライン」が大真面目にドリコンなど走ったものですから、ある意味面白い時代でしたね。

なお、同種のカスタマイズはとにかく同種のカスタマイズはとにかくギャラリー受けするのは今でも健在です。

今の8ナンバーは要件が厳しい

冗談でやっているうちはいいのですが、単なる税金逃れやパトカー詐欺のようなものがあってはたまりません。皮肉にも、同じ規制緩和で8ナンバーではない覆面パトカーが登場したおかげで、覆面パトカーを装った詐欺は最近でもときどき見かけます。また、2017年現在では以下のように簡単には8ナンバーを取得できないようになっています。

・事務室車は事務所としての空間や通路についての規定を厳格化。
・放送宣伝車は街宣車のように、スピーカーが外部に露出したものに限る
・キャンピングカーのキッチンは160cm以上の室内高が必要

 とはいえ、規定を満たした車、特にキャンピングカーでは一般の人でも8ナンバー車の恩恵を堂々と受けられます。最近キャンピングカーを見かけることが増えた裏には、こういった理由があるかもしれませんね。