MT車で街中を60km/h程度で走行する場合、ギアは何速に入れるのが最適か?

街並み

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MT車に乗っていてシフトチェンジが楽しいという声もある反面、面倒くさいのでなるべくシフトチェンジしたくないという人もいます。そういう人だとギアの選択に困る速度域もあるものです。例えば「街中を60km/h」で走るなら、何速に入れますか?
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たとえば軽自動車なら
たとえば1600cc未満なら
たとえば1600cc以上なら
結論としては「全てに共通するベストはない」

たとえば軽自動車なら

このような「~な時はどうしたらいいですか?」という質問にはいろいろと前提が必要でして、何しろ今の時代でも、一般的にそのあたりを走っているMTの乗用車だけで軽自動車から4WDターボのラリーベース車まで多数存在します。

それらを一緒くたにして語るわけにはいかないので、まず軽自動車から説明しましょう。

ここ10年ほどの軽自動車は燃費重視でスポーツモデルを除けばそれほど加速性能は重視されませんから、ギアの減速比も巡航時の燃費性能に重点を置いたものに変わっています。とはいえ軽自動車には違いがありませんから、普通車ほどではありません。

結果として、60km/hで走れるほどの交通状況であれば、ほぼ「5速」でアクセルコントロールするだけで済むような感じになります。

最近の軽自動車はカタログ上の馬力やトルクよりも、低回転から実用的な性能を持たせたトルク特性の方が重視されますから、なおさらです。ターボ車の方が走りを意識してギアが加速重視の減速比になっていますし、トルクもNAよりありますからこの傾向はもっと強くなりますね。

もっとも、「街中」という事で限定しますと、当然信号もありますし地形によっては急坂もありますから、そうしたストップ&ゴーを強いられる場面が多い状況では5速でノンビリ流すわけにはいきません。

トルクのあるターボ車やNAでも車重が軽い場合でも4速に落とし、トルク不足で加速が鈍いようならさらに3速で流した方がいい場合もあります。

そこまで60km/hで走るとエンジンを回しすぎでは無いかとお考えの方もいるかもしれませんが、軽自動車のような小排気量エンジンは、ターボでも無い限り普通車より高回転型ですから問題はありません。

その程度の速度でレッドゾーン近くに達してストップ&ゴーを繰り返すのが問題になるのは、2速まで落とした時ですね。

たとえば1600cc未満なら

昔なら1600ccとなるとシビックタイプRやミラージュRS、CR-Xのような「テンロクスポーツ」というジャンルもありましたが、今ではそのクラスでスポーツを名乗るのはスイフトスポーツくらいです。

今となっては「コンパクトカー」の排気量になる1600cc未満のクラスですが、軽自動車のエンジンよりトルクフルで、豪華装備満載で重くなった軽自動車と車重の差も昔ほどはありません。

ギアの減速比も軽自動車よりは若干ながら高速巡航寄りですので、街中以外なら60km/h巡航は「5速」でスイスイ走れるでしょう。ただし街中でのストップ&ゴーの多い環境では軽自動車と同じく、5速のままで低速からの加速が効くほどの排気量ではありません。

実際には「4速」で車間調節や車線変更も含めキビキビ走った方が、アクセルコントロールだけで乗り切れて走りにダイレクト感も増します。燃費を気にするなら5速でもいいですが、信号でのストップ&ゴーを考えると、よほど流れのいい時だけですね。

たとえば1600cc以上なら

難しいのが1600cc以上の車です。このクラスですとMT車はスポーツセダンやスポーツクーペ、ラリー用ベース車の4WDターボといった車にほぼ限定されてきます。商用車やトラックですらこのクラスに純粋なMT車は今やほとんどありません。

さてそうなると「5速」で60km/hというのが妥当かどうかです。トルクはありますから5速でも少しアクセルを踏めば必要十分な加速はできますし、それで燃費を稼いでもいいでしょう。

逆に、2速や3速でも回しすぎるようなギアの減速比になっていないので、街中でもキビキビ感を優先して低いギアで走ってもイケます。ただ、何となくノリで少しアクセルを踏みすぎると、4WDターボ車などは轟然と加速してしまえる排気量です。

やはりジェントルに、落とすとしても4速くらいで…となると、何かストレスが溜まりそうですよね。MTのスポーツカーが無くなって、ATやCVTのSUVやミニバンの方が快適でいいや、となる理由がわかるようなシチュエーションになってしまいました。

結論としては「全てに共通するベストはない」

以上、ザックリと3つのパターンに分けて考えてみましたが、全く違うジャンルのようでいてどのパターンでも「ちょっと郊外など流れのいい道では5速」、「そうでなければ4速」がベストという結論になりました。

軽自動車はやはり増大した車重に対して排気量が小さいもので、3速も多用するシチュエーションが見えてくるのと、排気量が小さいほど街中ではトルクを稼ぐためエンジンを回す必要があり、2~4速の間で積極的にシフトしていった方が本当はいい、というくらいでしょうか。

最後に、シフトを何速にするかの選択は「ドライビングスタイル」や「目的」にもよります。燃費重視でいくならスロットル(アクセル)変動が少ない方がいいので、アクセルペダルをほぼ一定のまま積極的にシフトチェンジした方がいいです。ただし、最新の車だと電子制御スロットルばかりになっているので、アクセルペダルを踏んでいる量とスロットル量は必ずしも一致しません。

ひたすらシフトチェンジが面倒ならば同じギアでどこまでカバーできるかですが、「4速」あるいは軽自動車でアップダウンが多い地形なら「3速」で、アクセルペダルの制御だけで乗り切った方が楽で燃費は若干落ちますが、それも最新の電子スロットルの場合はコンピューターの判断次第です。

結局はその時代、その車種、自分のドライビングスタイルに応じて「何がベストか?」は変わるという事ですね。
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