ディスチャージヘッドランプ(HID)のメリット・デメリットは?

フェラーリ

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現在、ヘッドライトの進化が著しく、LEDを使用した可変式、また対向車がくればハイビームでも自動で「部分的に消灯」する機構のものも市販車に搭載されるようになってきました。とはいえ、街中で我々が乗っているクルマは今でも「ハロゲン」か、「HID(ディスチャージヘッドランプ)」ではないでしょうか。
Chapter
ディスチャージヘッドランプ(HID)は本当に明るいのか?
ディスチャージヘッドランプ(HID)のデメリットとは…?
ディスチャージヘッドランプ(HID)はアフターマーケットパーツも注意が必要…
ディスチャージヘッドランプ(HID)はメリット・デメリットあれども…

ディスチャージヘッドランプ(HID)は本当に明るいのか?

HIDは、「High Intensity Discharge 」(高輝度放電)の略。1991年にBMW7シリーズで初めて実用化されたそうです。日本の乗用車では、日産 テラノが1996年9月にリリースしたのが初出、とされています。

現在では主流となっているクルマ用の光源であり、それはやはりメリットも多いからと考えます。HIDバルブを採用したヘッドライトは、ハロゲンの白熱バルブの同に比べて明るく、また消費電力が低いため、発熱も少ない性質があります。エネルギーを熱に取られないから、とも言えますね。

またフィラメントを使わないことで、消耗と電流・振動などによる断線の心配がないため、長寿命というメリットもあります。ハロゲンランプの寿命が400時間ほど…というのに対して、HIDは2000時間持つとも言われていますから、おおよそ5倍の寿命。

良いことばかりに見えるHIDですが、デメリットは?

ディスチャージヘッドランプ(HID)のデメリットとは…?

現在メーカー純正ライトとして多く採用されているHIDヘッドライト。勿論メリットは前述のように非常に多いといえます。しかし、やはりデメリットも存在してしまうもの。

まずコスト面が挙げられます。長寿命なのは歓迎すべき点ですが、バルブの寿命や故障の場合は、一基1万円~のコストがかかってしまいます。

また「発熱しない」のは電力消費を抑えるメリットですが、雪国や降雪時には「デメリット」になってしまいます…。ご存じのように、積雪や氷結により、照射範囲が狭まってしまう(自力で溶かす事はできない)というデメリットがあります。それ故に雪国の方はHIDを敢えて選ばない、というケースがあるようです。

LED化された信号機が雪の付着で視認できない、という事も問題になっていますし、省エネに寄与するとはいえ、思わぬ弊害が起こるともいえそうです…。

ディスチャージヘッドランプ(HID)はアフターマーケットパーツも注意が必要…

またアフターマーケットパーツも問題を孕んでいます。HIDは「色温度」があり、メーカー純正品は一番効率良く照射できる「4000~4500K(ケルビン)」が採用されていますが、青色になっていく6000K、8000K、20000Kなどのバルブも販売されており(6000K以上のものは車検に適応しない可能性があります)、これらはファッション性には寄与するものの、人間の目での視認性は落ちる(眩しいと感じる)、とされていますので、効果としては疑問点もあります。

また安価な中国製のHID等は光源を安定させるりバラストの品質も悪かったり、UVカットや防水性が担保されていなかったり、という品質の問題も散見されています。

HIDの後付や換装を検討する場合は、保安部品である事を考えてしっかりとした品質のものを選ぶのがポイントといえましょう。もちろん、純正品がベストでしょうね。

ディスチャージヘッドランプ(HID)はメリット・デメリットあれども…

HIDの長短述べましたが、総じて「メリット」の方が大きいといえます。またLEDもそうであるように、クルマのフロントの造形にも影響を与えていますよね。従来の白熱バルブですと、発熱により変形のリスクある「樹脂レンズ」を使用する事が出来ませんでした。

しかしHIDの採用により、樹脂レンズによる造形が可能になった事から、デザインの自由度、あるいはフロントの軽量化にも寄与していると言えます。

おそらく今後はLEDライトが主流になるのかもしれませんが、しばらくはHIDライトを活用し、安全に走行したいですね。
とはいえ、ハロゲン時代の制約あるデザインの中で生まれたものも、「これぞクルマ」というテイストがありますから不思議なものです。近い将来、LEDライトの先にある新技術も登場するのでしょうし、先進技術はやはり利便性が良いもの。しかし、「クルマ」としてのアイデンティティは失って欲しくない…というのはノスタルジーなのでしょうか。
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