なぜ欧州車は「フォグランプ」装備が無い車種が増えているのか?

近年、ライトのテクノロジーの発展が著しいといえます。アウディの採用したマトリクスLEDライトなど、プロジェクションマッピングのような事もできてしまうほど、ハイテク化が進んでいます。気付くと、「フォグランプ」の装備がない車種が増えてきた気がしますが、どうなっているのでしょうか…。

Chapter
フォグランプの意義とは…
変わってきた欧州車のフォグランプ事情…
日本仕様の輸入車のデイライトはどうなっているのか…?

フォグランプの意義とは…

まず、フォグランプ装備の意義から考えてみたいと思います。その名の通り、「FOG=霧」が発生した際等、視界の確保が困難になるような状況での使用を想定したランプ。つまり、視界の悪いときに使うもので、常用する類のものではありません。そしてヘッドライトと違い、近くを広く照らす配光パターンを持つ性質があります。視認性の向上と、対向車等に対し自車の存在を知らす役割があるといえましょう。

このフォグランプ、お気づきのように日本では装備の義務付けはありません。ですのでオプションパーツとなっている事が多いですよね。またSUVやRV車両においては「デザイン性」という部分で装備されているケースも散見されます。

以前は汎用品をフロント部に取り付けるケースが多くありましたが、近年ではバンパーにフォグランプ用の開口部が設けられているケースが主流といえるでしょう。デザインに支障をきたさないものになってきている、とも言えますね。

変わってきた欧州車のフォグランプ事情…

このように日本ではフォグランプが「あっても無くても良い」状態です。もちろんあった方が安心感はありますが、都市部ではあまり使うケースがない、という事もいえますね。

さて、冒頭記したように欧州の高級車にはフォグランプが存在しないものが増えてきているようです。この理由を考えた時に挙げられるのは、2011年に改正された「EUでのデイライト義務化」ではないでしょうか。

欧州では2011年2月以降、乗用車のデイライトが義務化されています。このデイライトは被視認性を高める効果により、交通事故防止につながるとされ、スカンジナビア諸国から始まったそうです。このデイライト義務化により、バッテリーへの負担が少ない「LED式常時点灯ライト」の装着が主流となってきており、冒頭述べたようにライトのハイテク化によるデザイン、装備の自由度向上を受けて、ヘッドライトユニットに内蔵するものが増えてきているのです。

これにより後付フォグランプ、といったものが無くなってきている、といえるのかもしれませんね。

日本仕様の輸入車のデイライトはどうなっているのか…?

このように、欧州車は「デイライト」がヘッドライトに標準装備されているものがあるわけです。しかし、公道でライト部分をデイライトとして点灯させているクルマは見た事がほとんどないのではないでしょうか。

これは日本の法規に抵触しないようにする為、コンピューターを書き換えている為のようです。道路運送車両法の灯火の検査事務規定をチェックすると、デイライトは「その他の灯火」に分類されることになり、

・灯光の色が赤色以外のこと
・光度が300カンデラ以下であること
・灯光が点滅しないこと
・光度が増減しないこと
・直射光及び反射光は、自車及び他車の運転操作を妨げないこと

というレギュレーションをクリアしなければなりません。

そうすると、日本ではスモールランプ等とデイライトを兼用することが認められない(光度を増減しないこと、という部分に抵触の可能性)。

このデイライトは、コンピューターの書き換えで日本仕様でも使う事ができるようですが、上記の事情から、行うべきではないでしょう…。いずれにせよ日本仕様には「隠し機能」となっているのが実情のようですね。