驚きの再現度!? ドラマ「ナイトライダー」に登場したナイト2000の自作レプリカ…その正体とは?
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日本でも放映された「ナイトライダー」
物語の主人公マイケル・ナイトは、ナイト財団が総力を挙げて開発した人工知能搭載スーパーカー「ナイト2000」に乗り込み、犯罪に立ち向かいます。
ナイト2000のベース車両にはGM社の3代目ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム(1982年型)が使用され、車と一体化した高度な人工知能 Knight Industries Two Thousand(K.I.T.T.)が搭載されていました。
マイケルが相棒のクルマにキットと語りかける場面は、作品を象徴する名シーンとして今も語り継がれています。
ナイトフラッシャーは日本でも人気に
さらにひときわ目を引く特徴が、ボンネットとバンパーの間で左右に流れるように点滅する赤いスキャナー、通称ナイトフラッシャーです。K.I.T.T.のセンサーでもあるこの赤い光は、劇中で周囲の状況をクルマが感知するために使われ、まるで生きているかのように点滅します。
放送当時、日本でもこのナイトフラッシャーに憧れて自家用車に類似の流れるライトを取り付ける人が続出しました。まさにファン心をくすぐるガジェットであり、ナイトライダーブームの象徴的存在だったのです。
ドラマ専用車らしい近未来のインテリア
ダッシュボードは運転席正面からセンターコンソールに向かって大きく弧を描くように設計され、無数のスイッチ類や警告灯、メーターがずらりと並んでいます。これらのスイッチはターボブースト(ジャンプ機能)や追跡モード、オイルスリック(オイル噴射)など、K.I.T.T.が持つ多彩な特殊機能を操作するためのものです。
ダッシュ中央にはナイト財団本部との通信やキットの分析映像を映し出すデュアルモニターが据え付けられ、天井には指名手配犯のデータ送信に用いるキーボードまで備えられていました。明るいベージュ色のレザーシートも特徴的で、黒い外装との対比で車内が意外に開放的な印象を与えます。
1980年代当時、このような未来の車さながらのコクピットは視聴者をワクワクさせ、子供たちは誰もが「いつかこんな車に乗ってみたい!」と夢見たものです。
半端ない完成度のナイト2000レプリカ
『ナイトライダー』の放映後、ナイト2000の人気は車好きにも広がり、日本ではミニカーやプラモデルが発売されたほか、自分の愛車にナイトフラッシャーを装着するDIYカスタムも流行しました。しかし世界にはその情熱をはるかに超えて、本物のナイト2000レプリカを一から作り上げてしまった猛者もいます。
アメリカに実在するというその自作レプリカ車両は、外観こそまさに劇中そのままの黒いトランザム。先端にはもちろん赤いナイトフラッシャーが妖しく明滅し、ナンバープレートも劇中と同じ KNIGHT にカスタマイズされています。車内を覗けば、本物と見紛うほど精巧なモニター類やスイッチが並び、前述のH型ステアリングまで完全再現されています。
1991年式トランザムGTAをベースにナイト2000仕様へ改造し、メーターや計器類をすべて実動するよう仕上げました。そのこだわりぶりはナビ画面となるモニターを助手席側に2基設置し、ナンバープレートも凝った意匠にするほどで、動画共有サイトに公開された試走シーンでは思わずK.I.T.T.の名前を叫びたくなる完成度です。まさにファンの愛と情熱が生んだ奇跡の一台といえるでしょう。
車検が緩やかなアメリカならでは
これほどの徹底再現が可能なのも、やはり本場アメリカならではかもしれません。日本では車両改造に対する車検(公道走行のための車両検査)のハードルが高く、ドラマの劇用車のような大改造を施すと各種手続きや基準適合に苦労するのが実情です。
実際、往年の刑事ドラマに登場したスーパーZやスカイラインのレプリカを個人で製作したという事例もありますが、公道を走らせるために相当な労力を要したと伝えられています。
一方アメリカでは改造車両の登録規制が比較的緩やかで、公認さえ取れれば公道走行が容易な環境があります。そのためナイト2000のレプリカもアメリカでは複数のメーカーから既製品として販売されているそうです。ファンにとって夢のようなK.I.T.T.の実車が入手しやすい土壌があるのは羨ましい限りですね。
2025年現在のナイト2000レプリカ最新事情
国内オーダーメイド制作の広がり
例えば日本国内では、埼玉県や大阪府の専門ショップがナイト2000レプリカのオーダーメイド製作を請け負っており、実車同様の内外装カスタムを実現しています。ベースとなる1982〜92年型トランザム自体が北米でも年々入手困難になっていますが、それでもファンの執念で海を越えて車両を探し出し、約1年がかりで理想の1台を作り上げたという事例もあります。
実際、日本の旧車カフェに劇中から飛び出してきたような超高再現度のナイト2000が展示され、全国からファンが見学に訪れているほどです。
コンプリートカーの販売と価格帯
電気自動車(EV)版レプリカの登場
3Dプリンタやマイコンで細部を自作する動き
残念ながら本物のK.I.T.T.のように自律走行したり犯罪捜査を手伝ってくれたりはしませんが、それでも搭載された音声システムを通じてオーナーの呼びかけに「Yes, Michael」と応えてくれる愛車には特別なロマンがあります。