R32GT-Rがアメリカへ流出!? "25年ルール"で90年代の国産スポーツカーが消えていく?

現在日本では、80~90年代のスポーツカーの残存台数が激減、価格は高騰状況となっています。理由はさまざまあるわけですが、そのひとつに挙げられるのが、国外への流出です。
国内から消える80-90'sスポーツカー…その理由は?
かつては街で多く目にすることができた80〜90‘sスポーツカーですが、2010年代になって目にする機会が非常に少なくなってしまいました。
その大きな理由として考えられるのが、2009年のエコカー補助金にともなう廃車です。
スクラップインセンティブとも呼ばれた補助金ですから、古くなった車を廃車にしなければ補助金が貰えないという仕組みでした。
もちろん自動車産業は日本の基幹産業のひとつですし、この制度で乗り換えを喚起したのは、経済を刺激し結果として雇用を確保、という大きな目的があったわけです。しかし他方で、スポーツカーが消失していったのは間違いありません。これが国内の事情です。
そして、スポーツカーが消えている事情のもうひとつが、「アメリカの25年ルール」の存在です。
海外で羨望の眼差しを向けられるR32GT-R
北米にある「25年ルール」の存在…
2016年のVW排ガス不正が発覚したのは、アメリカでした。日本同様に、アメリカでは厳しい排ガス規制を導入しているわけです。これは当然、中古車の輸入に対してもかかってきます。排ガス規制のみならず、安全基準など、非常に厳しいレギュレーションがあります。
しかし、製造後25年以上のものは”クラシックカー”として、その規制、基準からはずれることがある。つまり、一気にハードルが下がりアメリカへ輸入しやすくなるというわけです。2017年であれば、1992年までに製造されたクルマがその対象となります。
1992年といえば、日本はバブルが崩壊し、スポーツカーは大排気量車を中心に販売不振に、そしてバブル時代に多く所有されていたスポーツカーを含む多くのクルマが手放された時期でした。
この25年ルールによって注目されているのが「あのクルマ」です…。
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