シルビアやスープラ…かつての平成スポーツカーの中古車価格が高騰する3つの理由

シルビアS13

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各メーカーが新型スポーツカーに力を入れつつある現状の一方で、かつて日本に存在していたスポーツカー達はその姿を大幅に消しつつあります。タマ数が少なくなると高騰する車種もあるわけですが、その理由も様々のようです…。
Chapter
高騰の一途!? 平成スポーツカーたち
日産 スカイラインGT-R(R32)
トヨタ スープラ(JZA80)
日産 シルビア(S13 K's)
1. ハードな運用での廃車とエコカー補助金の功罪
2.メディアによる偶像化
3.海外への流出…!
【動画】R32 GT-Rを買ったらフェラーリより注目されたアメリカ人…
アメリカの輸入規制の問題…

高騰の一途!? 平成スポーツカーたち

日産 スカイラインGT-R(R32)

1989年(平成元年)に発売開始された、鮮烈なGT-R復活グレード。その高い走行性能と相まって、GT-Rというブランドを再確立させた記念碑的なモデルといえます。

自主規制である280馬力を優に発揮する、直列6気筒DOHC24バルブ・ツインターボ(RB26DETT型)ユニットに、電子制御トルクスプリット式4WDシステムを組み合わせた走行性能は、当時最強の名を欲しいままにしました。

当時の新車価格は約450万円(V-SPECは約530万円)。

現在の相場は、10万キロを超えたものでも、程度の良いものは200万円以上のプライスタグが多く見られます。またV-SPECにいたっては、300万~なかには500万円以上の値がつく個体もあります。20年以上経過している車種にも関わらず、この価格がつくということは、「旧車」としてのプレミアが付きだしていると間違いなく言えます。

トヨタ スープラ(JZA80)

1993年(平成5年)デビューの80スープラも人気のある平成スポーツカーです。特に人気なのは3.0LツインターボのRZ-Sでしょう。

こちらも自主規制280馬力を軽々はじき出す、現在では絶対に作れないモンスターFRスポーツカーとして、多くのマニアにニーズがあるといえます。他方で、その減少もささやかれている一台。2006年に約3万4000台の登録台数が、2014年には約1万3000台と、6割減、2万1000台も消失している事になります…。

新車時価格は約400~470万円でした。人気のRZ-Sグレードの現在の相場をみてみると、走行距離5~7万キロのものでもコンスタントに250万円以上、高いものだと300万円越えをしています。こちらもタマ数が激減してきている事、程度の良いものが少ない、といった要素が絡んでいると思われます。

日産 シルビア(S13 K's)

シルビアのデビューは昭和63年。現在でも人気なのはターボモデルのK’s、それも1.8L→2.0Lに排気量UPした1991年(平成3年)のモデルでしょう。いうまでもなく、ドリフト漫画にも登場したことや、比較的廉価に手に入るスポーツFRである事から、当時の走り屋にも人気の高かったモデルですね。

しかしこのシルビアも、減少率が高く、2006年と2014年を比べると、約4万8000台→約1万3000台と、70%以上も減少しているのです。勿論、ハードに使われるケースが多いので潰れてしまう個体も多いとは思いますが…。新車価格はK’sで200~220万円でした。

現在の相場を見てみると、走行距離5万~8万キロのものでも130万~150万円と、堅調な価格を維持しています。奇跡的に走行距離が少ないものは、200万~380万と、新車価格以上のプレミアがついている個体もあるほど、現在でも人気が健在といえそうです。

こうしたかつての人気スポーツカーが姿を消す、また高騰する理由とは一体何なのでしょう?

1. ハードな運用での廃車とエコカー補助金の功罪

間違いなくいえるのは、スポーツカーという性質上、ハードに使われた個体が多く、廃車になる確率が他ジャンルと比べて高い事。

さらに追い打ちをかけたのが、2009年に施行されたエコカー補助金です。この補助金を受けるには古いクルマを廃車、しなければなりませんでした。これによって失われた平成スポーツカーも多かったのではないでしょうか。

2.メディアによる偶像化

AE86が端的な例ですが、人気漫画、映画、アニメ、こうしたものに取り上げられることでその市場価値が上がる事例が増えています。86にいたってはトヨタ自ら「新型」を出し、ヒット。先に挙げた車種でも、S13シルビア、R32GT-Rも人気漫画に登場してますね。

また80スープラに関しては、トヨタ自らが買い進めている、という噂があります。その理由はレースドライバー育成に力をいれているので、現在のラインナップでは練習に使える大馬力のFRスポーツカーがないため、とのこと。なんとなく信憑性も感ずる話です。

3.海外への流出…!

平成スポーツカーが日本で姿を消していく理由として、「海外での日本車人気」というものも考えられます。映画「ワイルドスピード」に出た80スープラもまさにその一台。故ポール・ウォーカー(ワイルドスピード主演)が所有していた、という事も注目を再び上げるきっかけとなったでしょうし、日本のクルマは壊れにくくカスタムに向いている、という点が挙げられます。

日本で80万円ほどの個体でも、北米市場では300万~以上のプライスで入手する人がいるというのだから、驚きですね…。

【動画】R32 GT-Rを買ったらフェラーリより注目されたアメリカ人…

R32を日本から輸入したアメリカ人が、以前乗っていたフェラーリよりも注目されて困惑している、という動画も。たしかにものすごく注目されていますね!

アメリカの輸入規制の問題…

アメリカは中古車の輸入に対して、排ガス規制や安全基準など、厳しいレギュレーションがあります。しかし、車齢25年以上のものは「旧車」としてその基準から外れる事ができるようです。

つまり、平成27年現在であれば平成2年のクルマはアメリカに輸出しやすくなる!という事。前述のように、R32GT-Rであれば平成元年のモデルがありますから、北米の好事家が欲しがれば入手できる状況であるといえます。

スープラのように北米仕様がリリースされていなかったR32GT-Rは、マニア垂涎のマシン。それ故に、この先も国内市場からどんどん流出が懸念されるといえますし、より高騰する可能性は否めません。

空冷ポルシェのように、ドイツ本国のバイヤーが日本から買い付ける事が増えているように、いずれ北米から私達が日本車を買い付ける、なんてことも出てきてしまうのかも…。憧れの平成スポーツカー、日本にあるうちに入手しなければなりませんね!
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