ディスクブレーキの寿命はどれくらい?輸入車と国産車で消耗が異なるってホント?

ディスクブレーキ

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皆さんは、愛車のブレーキのメンテナンスをどれくらいの頻度でしていますか?輸入車は、国産車に比べて特にブレーキ関係の部品の消耗が激しいため、交換を頻繁に行わなければなりません。しかし最近では、国内においてもレクサスの様に海外の性能を基準とした「逆輸入」ともいえるモデルが増え、これまで認識されていた交換頻度より多く気をかけなければいけない場合も増えてきたのです。車を運転する上で命にかかわるブレーキの管理を考えてみましょう。
Chapter
車のディスクブレーキはどんな仕組み?
ディスクブレーキの構成部品のうち寿命が早いのは?
ブレーキの寿命までの消耗を考えた設計法
ディスクブレーキの寿命は?
ディスクブレーキの寿命…実は高級車は異なる!?

車のディスクブレーキはどんな仕組み?

現代の乗用車は、ほぼ「ディスクブレーキ」を採用しています。

タイヤを交換するときに、車からホイールごとにタイヤを外すと画像のような部品を確認することが出来ます。これがディスクブレーキです。銀色の円盤部分はタイヤと同調して常に回転し続けます。これがブレーキディスクローターです。

左の赤いパーツはブレーキキャリパーです。内部にブレーキパッドを装備しており、ドライバーがブレーキペダルを踏み込むことでパッドが銀色の円盤を左右から挟み込み、クルマに制動力を発生させます。

回転するものを挟んで止める…これはとてもシンプルですが、一般車からレースカーまで採用されているディスクブレーキの考え方です。ぜひマイカーの点検時などには、どのような仕組みになっているのか確認してみてください。

ディスクブレーキの構成部品のうち寿命が早いのは?

ブレーキのタイヤ側にある「ブレーキディスクローター」と「ブレーキキャリパー」、キャリパー内にあるディスクに接触する「ブレーキパッド」から構成されています。

タイヤとともに回転しているディスクローターを、パッドで挟み込むことで、1トンを超える車を減速させます。

これらの部品は、主に金属で構成されるので摩擦によって生まれる熱量は大変なもの。 街中を走行する速度域でも、ブレーキ部品は200℃前後まで加熱されることもあります。

パッドとローターはお互いを削り合っているので、基準を超えると摩耗してしまいます。そのため交換が必要となるのです。

ブレーキの寿命までの消耗を考えた設計法

一般道でのブレーキ温度が200℃と書きましたが、サーキットで走るレースカーは、実にその温度が1000℃近くにも達します。

一般的な乗用車では、走り出してすぐの0℃から200℃程度までの温度をカバーしていますが、レースカーは下限が400℃以上など非常に高温に設定されています。その分上限も1000℃となり、時速200~300㎞からの制動を2時間繰り返しても耐えられるような構造となっているのです。

もしブレーキパッドやローターの作動温度が200℃までの製品だったら、それ以上の温度ではわかりやすく言うと溶けてしまい、いくらブレーキペダルを踏みつけても車は止まらなくなってしまいます。

逆にレース用のブレーキは400℃以下では正常に機能せず、正常な制動力を発揮できません。このように、それぞれの用途に達したときにもっとも制動力と耐久性を発揮するよう、ブレーキパーツは設計されているのです。

ディスクブレーキの寿命は?

ブレーキキャリパーとローターは、おおむね10万kmは持つ設計になっています。また、ブレーキパッドに関しては、何度も急な制動を繰り返したり、ブレーキの使用頻度が極端に多い場合を除き、8万km〜10万km程度は持つ設計です。とはいえ、こちらは2万〜3万kmに一度はチェック&点検したほうが無難でしょう。

ディスクブレーキの寿命…実は高級車は異なる!?

高級車や高性能車は、車体も重く、またエンジンも非常にパワフルなので必然的にブレーキの制動力を高めておく必要があります。レースカーとまでは言えませんが、そういった車種の場合、ブレーキの対応温度を広げ、0~500℃程度に設定しているようです。街中の冷えた状態でも十分な制動力を確保しながら、一般車の倍以上の温度までカバーするよう作っているのです。

ただし、高いブレーキ性能を有する車は、早ければ2〜3万㎞でブレーキパッドの交換時期を迎えます。また4~5万㎞程度でブレーキローターも削れてしまい、交換となります。

ローターに関しても、実際に指先で触ってみると数㎜の段差を確認できるほど摩耗してしまうので、交換が必要であるとの判断に疑う余地はありません。

ローターが削れて段差がついてしまうとパッドとの接地面積も少なくなりその性能を十分発揮できないばかりか、すり減ったパッド&ローターが互いに傷つけ合い、その寿命をさらに短くさせる原因ともなります。

パッドやローターがどの程度削れるかの目安としては、ホイールの汚れで確認することが出来ます。明るく光るアルミホイールが、まるで鉛色に変色したようになるのは、ブレーキダストが付着しているからです。これに関しては、洗車する時にホイールを高圧洗浄などできれいにしておくことで確認の意識を高めることが出来ます。

もちろんブレーキの消耗とは「摩耗」ですから、走行距離が長くてもブレーキを踏む機会が少なければ、消耗は抑えることが可能です。とはいえ、高速からの減速や、峠道の下り坂のようにブレーキを踏み続ける時間が長いときは、ブレーキが高温になり摩耗は激しくなりますので、いちがいに距離だけでは決められません。

車の基本性能は「走る・曲がる・止まる」の3つです。ブレーキは安全な制動を発生するだけでなく、加速や旋回においても安全な姿勢を作り出す大切な部品です。たとえ自分で整備はしなくてもその意味を理解し、安全に車を運転できるように点検を心がけたいものです。
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