あの重いGT-R(R35)を止めるブレーキの秘密とこだわりとは?

GT-R ブレーキ2

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NISSAN R35 GT-Rは日本が誇るマルチパフォーマンス・スーパースポーツカーです。車としての実用性をある程度残しつつ、その速さはドイツのニュルブルクリンクでのタイム計測で証明済みです。ですが、このGT-Rはスポーツカーの常識とは裏腹に、車重が1800kg台と、超重量級です。サーキットでタイムを出すために平均車速を上げるには、パワーも重要ですが、いかに速く減速できるかというブレーキの性能も重要であります。加えてこの重量を止めるのは容易ではありません。そこで今回は、そんなGT-Rのブレーキの秘密を、ベースモデルを題材にご紹介します。
Chapter
秘密1 ブレーキキャリパー
秘密2キャリパーの固定方法
秘密3 ブレーキパッド
秘密4 ブレーキローター

秘密1 ブレーキキャリパー

このR35 GT-Rが装着する、ブレンボ製対向ピストン式ブレーキキャリパーは、アルミモノブロック構造とすることで、軽量化と剛性向上を図っています。ピストンの数がフロント6ポッド、リヤ4ポッドとする対向ピストン式キャリパーは、高速域からでも確実な制動力発揮し、あの速さに貢献しているのです。

またフロントキャリパーの開口部を補強するダブルタイロッドを採用し、制動時のキャリパーの変形を抑制しています。ここまで社外品などによくありがちですが、さらに続きます。

秘密2キャリパーの固定方法

通常、キャリパーはタイヤの車輪軸に対して、平行に挿入したボルトで固定しますが、GT-Rは車輪軸に対して垂直にボルトを3本挿入し、キャリパーを固定する3点ラジアル固定方式を採用。これによって、制動時のキャリパーのわずかな動きも抑制しています。

そして、強力な制動によって生み出される超高温エネルギーを放出するために、ピストンラジエーターを採用し、ブレーキ冷却性能を高めています。これらによってペダルフィーリングにシッカリ感が生まれ、ドライバーがブレーキペダルを強く踏み込んだ時の安心感につながり、スポーツ走行のドライビングプレジャーを高めるのです。

このキャリパーの参考価格、
Fr 1個 160,000円
Rr 1個 120,000円

秘密3 ブレーキパッド

R35 GT-Rのブレーキパッドは、寒冷地雪上走行からサーキットアタックまで、およそ-40℃~1,000℃の非常に幅広い温度範囲で安定した制動力・耐フェード性能・耐摩耗性能を実現するために、鉄分を多く含む高剛性ハイスチールブレーキパッドを採用し、セラミックブレーキシステムと同等の性能を実現しています。チューニング用ブレーキパッドでも、ここまで温度域の広いものはなかなかありません。

また、パッドの有効面積は110㎠であり、スーパーカーの中でも最大級。さらに、パッドの座金の厚みを一般的な5.5mmから7.5mmにすることで高剛性化し、ペダルフィーリングを向上させています。

まるでレースカーのような造りなので、ブレーキが冷えてるときや、低速時の踏力が弱いときはキーキー音が鳴ることも。

このブレーキパッドの参考価格は下記です。
Fr 1台分 120,000円
Rr 1台分 80,000円

秘密4 ブレーキローター

R35 GT-Rの特徴であるプレミアム・ミッドシップパッケージ(前後重量配分の良さ)を生かして、前輪荷重だけでなく後輪荷重も有効に制動性能に利用するため、前後同径である380mm径の超大径ディスクローターを採用しています。

参考に86/BRZのローター系は286mm径。約100mmも大きいのです。

また、以下のような構造を採用しています。
・ばね下重量を軽減するためにアルミ製のベルハウジング(フロント)
・初期制動を高めるドリルド構造
・優れた冷却性能と高負荷時の耐クラック性を備えたダイアモンドピラー(ブレンボパテント)のベンチレーテッド構造
・制動性能を安定させる2ピース分割構造によるフルフロート式

など、レーシングカーの特徴をそのまま受け継いでいます。

特に、フルフロート式はスポーツバイクにも採用されており、ブレーキタッチに優れています。
このブレーキローターの参考価格
Fr 1個 105,000円
Rr 1個 90,000円
ブレーキ一つだけを見ても、まさにレーシングスペックでしたね。このスペックがあるからこそ、あの速さで走れるのです。R35は2007年の登場から随分経ちますが、GT-Rはやっぱりすごいですね。

今回ご紹介した3つのブレーキ部品、1台分の合計参考価格は1150,000円でした。
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