セリカとスカイラインを比較するならツインカムとターボエンジンの歴史を知ろう!
更新日:2024.09.09
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ツインカムエンジンかターボエンジンか。79年にセドリックターボが発売されるまで、日本車のハイパワーモデルは、ターボ車ではありませんでした。今日でこそ、ロータリーは軽量コンパクトなエンジンと言われますが、当時ではNAのロータリーでさえ、ハイパワーエンジンの一つだったくらいです。
現代では、小排気量ターボがエコの面でも主流になるなど、ターボ全盛期ですが、ターボかNAかという論争まであった時代に、国産スポーツカーの歴史を作ってきた二台はどのようなアプローチをしたのか。1980年を一つの節目として見て行きましょう。
現代では、小排気量ターボがエコの面でも主流になるなど、ターボ全盛期ですが、ターボかNAかという論争まであった時代に、国産スポーツカーの歴史を作ってきた二台はどのようなアプローチをしたのか。1980年を一つの節目として見て行きましょう。
ツインカムエンジンとは?
ツインカムは、DOHCエンジンの愛称のようなもので、基本的にはDOHCだと考えて頂ければ良いかと思います。DOHCの特徴は、高回転型エンジンを作れることです。吸気側と排気側のバルブを動かすためのカムシャフトが1本のエンジンをSOHCと呼びます。SOHCエンジンの場合は吸排気両方のバルブを1本のカムシャフトで動かすため、その負担も大きく回転を上げにくい。という難点があります。
それを解決するのが、DOHCエンジンです。吸気・排気それぞれにカムシャフトがありますので、負担も少なくより回転を上げてパワーを出すことが可能になります。ただし、部品数が多くなり、構造が複雑化するのが難点。とはいえ、歴史は古く、1950年代から高級スポーツカーやレーシングカーでは使われていたようです。なお、ツインカムは、ヘッド1つに対して2本のカム。そのため、V型エンジンの場合は4本のカムのエンジンになります。ちなみに、トヨタはツインカムのV型エンジンの場合、フォーカムと表現していたようです。
それを解決するのが、DOHCエンジンです。吸気・排気それぞれにカムシャフトがありますので、負担も少なくより回転を上げてパワーを出すことが可能になります。ただし、部品数が多くなり、構造が複雑化するのが難点。とはいえ、歴史は古く、1950年代から高級スポーツカーやレーシングカーでは使われていたようです。なお、ツインカムは、ヘッド1つに対して2本のカム。そのため、V型エンジンの場合は4本のカムのエンジンになります。ちなみに、トヨタはツインカムのV型エンジンの場合、フォーカムと表現していたようです。
スカイラインのターボエンジンを比較
ターボチャージャーは、皆さんもご存知の通り、排気ガスでタービンを回し、圧縮空気を取り込んでパワーを絞り出すシステムです。その歴史は非常に古く、ディーゼル機関車のトルク向上や、航空機エンジンが高高度でも吸気できるようにするための機構として用いられてきました。自動車だとシボレーコルヴェアや、BMW2002などが早く、日本では日産セドリックが最初のようです。
ターボチャージャーは圧縮空気を取り込んでパワーを増加させるシステムです。そのためガソリンの量をより多く噴射する必要があったり、より強力なエンジンブロックが必要になったり、またタービンや加給した空気を冷やすための工夫が必要であったりと、DOHCに比べればシンプルですが、必要な対策も多いことが挙げられます。それでも、排気量以上のパワーを得るという点では非常に効果的なシステムです。
例えば、1500ccエンジンのターボだと、加給圧次第では2000~2200cc(NA)相当のエンジンと同じパワーを出せることになります。日本の場合、自動車税が排気量で区分けされていることなどもあり、より小さな排気量で大きなパワーを得られることにはメリットも多々あります。その為、日本では1990年前後にターボ車のピークを迎え、多くの軽自動車にもターボモデルが存在していました。
ターボチャージャーは圧縮空気を取り込んでパワーを増加させるシステムです。そのためガソリンの量をより多く噴射する必要があったり、より強力なエンジンブロックが必要になったり、またタービンや加給した空気を冷やすための工夫が必要であったりと、DOHCに比べればシンプルですが、必要な対策も多いことが挙げられます。それでも、排気量以上のパワーを得るという点では非常に効果的なシステムです。
例えば、1500ccエンジンのターボだと、加給圧次第では2000~2200cc(NA)相当のエンジンと同じパワーを出せることになります。日本の場合、自動車税が排気量で区分けされていることなどもあり、より小さな排気量で大きなパワーを得られることにはメリットも多々あります。その為、日本では1990年前後にターボ車のピークを迎え、多くの軽自動車にもターボモデルが存在していました。
トヨタSA60セリカGT-TのDOHCターボ
まず、この時代のセリカですがFRです。カリーナも、コロナも、セリカもまだまだFRの時代でして、FFではありませんでした。セリカがFF化されたのは、この後のT16型モデルからとなります。
冒頭でも書いた通り、DOHCかターボかの論争が起きていた時代。セリカはDOHCターボという手段を取ります。それまでの2000ccDOHCに代わり、1800ccDOHCターボ。ご存知の通りターボが得意とするのは高回転域ではありませんので、低回転域から中盤をターボに、それ以上の部分をDOHCに、という任せ方で、最大160馬力、トルク21kgというエンジンを実現しました。
さらにこのエンジンをチューニングし、WRCに参戦。サファリラリー3連覇という記録も打ち立てました。FR最後のセリカにして、ツインカムVSターボ論争に終止符を打つ。そんな魅力的な一台でもあります。
冒頭でも書いた通り、DOHCかターボかの論争が起きていた時代。セリカはDOHCターボという手段を取ります。それまでの2000ccDOHCに代わり、1800ccDOHCターボ。ご存知の通りターボが得意とするのは高回転域ではありませんので、低回転域から中盤をターボに、それ以上の部分をDOHCに、という任せ方で、最大160馬力、トルク21kgというエンジンを実現しました。
さらにこのエンジンをチューニングし、WRCに参戦。サファリラリー3連覇という記録も打ち立てました。FR最後のセリカにして、ツインカムVSターボ論争に終止符を打つ。そんな魅力的な一台でもあります。
セリカと比較して日産スカイラインのエンジンはどんな歴史を辿った?
1979年にセドリックターボが登場し、スカイラインにもターボエンジンが搭載されました。
L20ET型エンジンです。パワーは145馬力、トルク21㎏と、3T-GTEUと見比べて遜色ないスペックのエンジンです。
しかもこちらは、あのL型エンジン。直6エンジン+ターボは、その後日産のモータースポーツを支えたRB26DETTにも通じるものがあります。すでにモデル末期であったジャパンですが、ターボのL20ETを搭載することで、改めてスカイラインの走りのキャラクターを色濃くしました。その後R30型鉄仮面にモデルを移しても、ターボのL20ETは搭載され、GTシリーズとして販売。人気を得ています。ただし、こちらはDOHCではなく、ターボのみでのパワーアップという点も特徴です。
L20ET型エンジンです。パワーは145馬力、トルク21㎏と、3T-GTEUと見比べて遜色ないスペックのエンジンです。
しかもこちらは、あのL型エンジン。直6エンジン+ターボは、その後日産のモータースポーツを支えたRB26DETTにも通じるものがあります。すでにモデル末期であったジャパンですが、ターボのL20ETを搭載することで、改めてスカイラインの走りのキャラクターを色濃くしました。その後R30型鉄仮面にモデルを移しても、ターボのL20ETは搭載され、GTシリーズとして販売。人気を得ています。ただし、こちらはDOHCではなく、ターボのみでのパワーアップという点も特徴です。
今から考えると、DOHCツインターボでさえ当たり前の時代になってしまいました。当時は1馬力でも多くのパワーを出すために、どのような工夫をするのか、各メーカーが切磋琢磨していた時代です。トヨタT型も、その後ヤマハ発動機製の3Sに移り変わっていきますが、名機として長く(一部では現在も)愛されているエンジンです。不思議に思われるかもしれませんが、スーパーGTがJGTCと呼ばれていたころ、スカイラインはRB26で参戦し、スープラは3Sに乗せ換えて参戦していました。
なんと、2Jではなかったのです。3Tと3Sエンジン、L20とRB26に、直接的な関係性はありませんが、ターボVSツインカム論争のエンジン。その後姿かたちを変えて、長きにわたり日本のレースシーンで活躍していました。不思議ですが、面白い話ですね。
なんと、2Jではなかったのです。3Tと3Sエンジン、L20とRB26に、直接的な関係性はありませんが、ターボVSツインカム論争のエンジン。その後姿かたちを変えて、長きにわたり日本のレースシーンで活躍していました。不思議ですが、面白い話ですね。