スバル クロストレックのエンジンやシャシーをプロが徹底解説!
更新日:2024.09.09
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コンパクトなボディに、スバルお得意の4WDシステムを搭載するクロスオーバー/SUVとなる「クロストレック」。第3世代となる現行モデルは、2022年暮れに価格が公開されて、発売が開始されています。その最新の「クロストレック」に搭載されるパワートレインは、どのようなモノなのか。また、走りを支えるシャシー系の内容を解説します。
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
クロストレックのエンジンやシャシーについて|全車にe-BOXERを採用
新型「クロストレック」のパワートレインは、2リッターのFB20型水平対向エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドの「e-BOXER」の1種類のみとなります。縦置きされた水平対向エンジンの後ろにスバル独自の「リニアトロニック」CVTとトランスファー、プロペラシャフトを配置する「シンメトリカルAWD」と呼ぶ4WDシステムがベースになります。ハイブリッド化にあたり、「リニアトロニック」CVTの後ろの部分にモーターを、トランクの下に二次電池が配置されています。
駆動方式は4WDがベースとなりますが、「クロストレック」にはFFも用意されています。
エンジンの性能は最高出力107kW(145馬力)・最大トルク188Nmで、モーターは最高出力10kW(13.6馬力)・最大トルク65Nm。燃費性能はFFで16.4km/l(WLTCモード)、4WDで15.8km/l(WLTCモード)となります。
エンジンの性能は最高出力107kW(145馬力)・最大トルク188Nmで、モーターは最高出力10kW(13.6馬力)・最大トルク65Nm。燃費性能はFFで16.4km/l(WLTCモード)、4WDで15.8km/l(WLTCモード)となります。
クロストレックのエンジンやシャシーについて|パワーユニットの進化ポイント
2リッターの水平対向エンジンを用いるハイブリッド「e-BOXER」は先代モデルからの継承となります。ただし、その中身は、そのままではなく、多岐にわたる改良が施されています。
エンジンでいえば、エンジンオイルパンアッパーケースを剛性向上。エンジンマウントへの、より高剛性なアルミハウジング液体封入式の採用。「リニアトロニック」CVTのチェーン音改善・フリクション低減などを実施。振動と騒音が小さくなっています。
エンジンでいえば、エンジンオイルパンアッパーケースを剛性向上。エンジンマウントへの、より高剛性なアルミハウジング液体封入式の採用。「リニアトロニック」CVTのチェーン音改善・フリクション低減などを実施。振動と騒音が小さくなっています。
シフトノブも新開発されました。配置される場所が、先代よりも約40mm高くなり、ボタンのリンク構造の改良などを行うことで、操作音を20%低減。操作時のフィーリングが向上しています。
悪路走行するための制御も進化しています。先代まで発進時のモーターアシストが前進時のみであったところを、後退時にもアシストを行うようになりました。これにより悪路から、前進と後退を繰り返して脱出しようという状況での走破性がアップしています。また、坂道をゆっくりと下る、ヒルディセントコントロールも制御を改良。よりレスポンス良く作動することで安心感を高めています。そして、悪路走行用モードの「X-MODE」と「ヒルディセントコントロール」に自動復帰制御を採用。速度が高くなって制御が解除されても、再び制御に適合するシーンになると、制御が自動復帰します。
悪路走行するための制御も進化しています。先代まで発進時のモーターアシストが前進時のみであったところを、後退時にもアシストを行うようになりました。これにより悪路から、前進と後退を繰り返して脱出しようという状況での走破性がアップしています。また、坂道をゆっくりと下る、ヒルディセントコントロールも制御を改良。よりレスポンス良く作動することで安心感を高めています。そして、悪路走行用モードの「X-MODE」と「ヒルディセントコントロール」に自動復帰制御を採用。速度が高くなって制御が解除されても、再び制御に適合するシーンになると、制御が自動復帰します。
クロストレックのエンジンやシャシーについて|磨き上げられたボディ
新型「クロストレック」は、先代と同様の「スバルグローバルプラットフォーム」を使っています。ただし、その中身も進化しています。他のスバル車種でも採用が始まっているフルインナーフレーム構造を採用。ボディ骨格を最初に組み立ててから、外板パネルを溶接することで、ボディの更なる高剛性化と軽量化を実現しています。
また、構造用接着剤の使用範囲を拡大。従来の約8mから、約27mにまで増えています。また、ボディのよけいな振動を抑える塗布型サイレンサーの配置を最適化。これらの工夫によって、ボディ構造が強くなるだけでなく、不快な振動が減りました。
また、構造用接着剤の使用範囲を拡大。従来の約8mから、約27mにまで増えています。また、ボディのよけいな振動を抑える塗布型サイレンサーの配置を最適化。これらの工夫によって、ボディ構造が強くなるだけでなく、不快な振動が減りました。
クロストレックのエンジンやシャシーについて|サスペンションとパワーステアリングの進化
新型「クロストレック」のサスペンションは、フロントがストラットで、リヤがダブルウィッシュボーンです。新型へのフルモデルチェンジにあたり、スプリングとダンパーは最適化を実施。リヤのダンパーには、底付きを防ぐヘルパーの全長を短縮しつつ、初期当たりの低減特性化により、後席の突き上げ感を緩和しています。
また、フロントクロスメンバーとリヤサブフレームの剛性を向上。走りの質を高めています。
電動パワーステアリングは、従来の1ピニオン式から2ピニオン式に進化しました。リニアで滑らかな操作感と、低速時の取り回しの良さ、高速走行時の安定感を実現します。
ブレーキに電動ブレーキブースターを新たに採用。従来の負圧式よりも、応答性が高まり、素早いブレーキングが可能となりました。
また、フロントクロスメンバーとリヤサブフレームの剛性を向上。走りの質を高めています。
電動パワーステアリングは、従来の1ピニオン式から2ピニオン式に進化しました。リニアで滑らかな操作感と、低速時の取り回しの良さ、高速走行時の安定感を実現します。
ブレーキに電動ブレーキブースターを新たに採用。従来の負圧式よりも、応答性が高まり、素早いブレーキングが可能となりました。
クロストレックのエンジンやシャシーについて|エアロダイナミクスの工夫
新型「クロストレック」は、ボディまわりのエアロダイナミクスに様々な工夫が採用されていることも特徴のひとつとなります。
外装部品の形を最適化し、ボディまわりの空気の流れと量をコントロールすることで、高速走行時の優れた直進安定性や、横風に乱されない安定性、走行抵抗低減による燃費向上を実現しています。
外装部品の形を最適化し、ボディまわりの空気の流れと量をコントロールすることで、高速走行時の優れた直進安定性や、横風に乱されない安定性、走行抵抗低減による燃費向上を実現しています。
エンジンアンダーカバーには、走行風の流れをコントロールすることで、負圧によるダウンフォースを発生させて、直進安定性と操縦安定性をアップ。さらに整流効果を持つスバル独自のヘキサゴンテクスチャーが、アンダーカバー表面に施されています。
フロントフェンダーとリヤバンパーにはエアアウトレットを配置します。ホイールハウス内やリヤバンパー内の空気を積極的に排出することで、揚力や乱流の発生を抑制。高速走行時の安定性を高めています。
フロントフェンダーとリヤバンパーにはエアアウトレットを配置します。ホイールハウス内やリヤバンパー内の空気を積極的に排出することで、揚力や乱流の発生を抑制。高速走行時の安定性を高めています。
新型「クロストレック」のパワートレインやボディ、シャシー系の多くは、先代モデルから継続して使われているものとなります。ただし、そのほとんどが細かな改良が施されています。小さな積み重ねによって、新型「クロストレック」は、確実に一歩ずつ進化しているようです。